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日常の中にあるかもしれない緩さ
自分がこの作品に出会ったのは2000年代の初め、丁度この作品が新聞に掲載され、普段4コマ等しか見る事の無かった頃に、この23コマで構成された漫画は新鮮に映り、自然と読むようになっていた。
・アニメ化の後でも
その後、テレビアニメでも放送されるようになり、テレビの向こう側でもその世界は程よい緩さのまま夢中にさせてくれた。
この物語の主要人物は母、父、長女、長男の4人で、その4人を中心に物語が展開されている。家庭内での話や個人ごとに描かれ、そこから別の人物達へも枝分かれし、様々なストーリーが生み出されている。
・良き緩さ
何より自分がこの作品の好きな所、先程から書いている「緩さ」だ。その頃自分は普段非現実的な物語を好んで見ていて、「この作品は逆に新しい」、そう感じてしまっていた。
ただ何気ない日常にもクスッと笑う事が出来る、そんな「日常」ですら「非日常」と感じていたのかもしれない。
どの時代にも非現実的な作品は幾つも生み出され名作となって来た。だからという訳では無いが、いつしか目の前にある日常にも刺激を求めてしまっていたのかもしれない。
そんな離れた心を取り戻す、大げさかもしれないが、この作品が連載開始から25年以上、長く愛されている理由なのかもしれない。