学園アイドルマスター / 学マス

アイドルのライブは期待外れの歌唱力にがっかりだが…

このタイトルを見て、あなたは何を感じただろうか？
「見た目がかわいいなら問題ない」「歌が上手いアイドルこそ魅力的だ」等々、さまざまな感想を持ったはずだ。しかし、それが観客の側に立って考えたからこその感想なのかもしれない。もしも、あなたがアイドルを送り出す立場にいたとしたら、何を思うのだろうか？

『学園アイドルマスター』（学マス）は、アイドルを取り扱った育成ゲームだ。
プレイヤーはプロデューサーとなり、担当する女の子とトップアイドルを目指すといった大筋でゲームが展開される。

育成を通じて担当アイドルの成長を実感できるのが、学マスの面白いところだ。成長というと、「経験値を稼いでレベルが上がった」というような、ステータス上の変化を思い浮かべる人が多いだろう。
ステータスが上がれば、できなかったことができるようになる。学マスはこのお約束をどのように表現するのだろうか。なんと、歌が上手くなるのである。これはストーリーテキスト上だけでの話ではない。
ライブシーンにおける担当アイドルの歌が、本当に上手くなるのである。
ここで1度考えてほしい。上手くなる、ということは、まさか最初は下手なのではないかと。とはいえあくまでアイドルだ。レベル1の勇者だって、剣の振り方がわからないわけではないだろう。そう思うかもしれない。

結果はこうだ。野外の仮設ステージ、観客はまばら、関心を抱かない通行人もちらほら。音程もリズムも外れた歌が虚しく響く。
居た堪れない光景が広がる。彼女たちも望んで下手に歌っているわけではない。だが、今はまだできないのだ。

アイドルのライブ、期待外れの歌唱力にがっかり。だがそのアイドルは、あなたがプロデュースする担当アイドルだ。
目の前の出来事にあなたが何を思うかはわからない。可愛いから良い？下手だから見てられない？
少なくとも、目の前で困り果てているこのアイドルを導けるのは、プレイヤーとなったあなたしか居ないのだ。