ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger

ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger

『ワールドトリガー』とは、2013年より葦原大介が『週刊少年ジャンプ』で連載を開始し、2018年より『ジャンプスクエア』に移籍した漫画およびそれを原作としたアニメ、ゲーム作品。現代の日本に、突然異世界から近界民(ネイバー)が現れ、三門市という街を襲った。そして、それに唯一対抗できる界境防衛機関「ボーダー」という組織が作られた。そのボーダーの隊員である三雲修が、異世界からやって来たネイバーの転校生・空閑遊真に出会うところから物語は始まる。ジャンプ作品としては異質であるが故、コアなファンも多い。

ワールドトリガー / ワートリ / World Triggerのレビュー・評価・感想 (3/3)

ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger
10

ワールドトリガー

週刊少年ジャンプで連載され、作者病気のため長期休載された後、ジャンプSQ.で連載している漫画である。
異世界から侵略してくる敵に対して防衛する、またはそのための防衛訓練バトルをし、さらに異世界へ乗り込むメンバーを選出するというストーリーのバトル漫画となっている。

今までのバトル漫画にすくない複数人同士のバトルを繰り広げている作品だ。
基本的に1チーム2~4人編成で3チーム~4チームで一度に対戦している。
毎回新しい戦術を繰り出し、個人のスキルだけでなくチーム戦術で戦っているので読み応えがあり、大人数のバトルにもかかわらず、すっきりしていてとても読みやすい。
バトルに登場するキャラだけでなく、バトルをサポートするキャラも多く、これだけのキャラが登場する漫画も珍しいと思うが、各々個性豊かに描かれており、各キャラそれぞれに感情移入できる。

アニメ化もされ、2014年~2016年までアニメオリジナルストーリーも含む73話を放送している。
2020年に続編のアニメ制作が決定した。
まだ読んでいない方は是非読んでもらいたい、アニメと見比べるのも面白いと思う。

ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger
9

SFバトル漫画ワールドトリガー紹介!

本作はバトル漫画の中では珍しく「主人公が弱い」という設定のストーリーになっています。
普通、バトル漫画では主人公が強くて最後に強敵を倒すというシーンがとても魅力的で、引きつけられますよね?本作の主人公・修は戦闘が弱く、とてもバトル漫画の主人公とは思えないほどです。ですが、周りの仲間や、強敵と切磋琢磨し、少しずつ成長を遂げていきます。もう一人の主人公・遊馬は逆にとてつもなく強く、修の相棒として活躍していきます。

28万人が住む三門市に、ある日突然異世界への「門(ゲート)」が開いた。門からは「近界民(ネイバー)」と呼ばれる怪物が現れ、三門市の住民は恐怖した。しかしボーダーと名乗る謎の一団が現れ近界民を撃退する。門が初めて開いてから4年半が経過し、三門市にやってきた遊馬が、修に出会う所から物語は始まる。

戦闘力は低いが、知性と正義感溢れる主人公・修。先ほど紹介した通り、主人公の修はとても弱いです。ボーダー隊員は主に「トリガー」という武器を使うのですが、このトリガーは、使用者本人の「トリオン能力」によって威力が大きく変わります。修はトリオン能力が非常に低いため単純な戦闘ではとても不利なのですが、それをカバーするべく頭を頭脳戦や、仲間とのチームワークを駆使して、強力な敵、ライバルに挑んでいきます。
そして修のもう一つの特徴は、とても仲間思いなところです。自分のことよりも仲間を優先し、仲間を助けるためなら、自分の命もいとわないほどです。その姿に心打たれ、戦闘自体は弱いものの仲間から絶大な信頼を得ています。

圧倒的な戦闘能力と、センスをもつ修の相棒・遊馬。
もう一人の主人公遊馬圧は圧倒的な戦闘能力と、センスを持っています。
体が小さいため機動力を生かした戦闘を好み、トリガーも器用に使いこなすため、ボーダーのA級隊員からも一目置かれています。
修のことをとても信用しており、修に被害をなすものには容赦はしないという一面も持っています。

本作では、さまざまなキャラクターのかっこいい戦闘シーンが描かれていますが、主に描かれているのはチーム戦です。ネイバーと戦うシーンはもちろんのこと、ボーダー隊員の中で行われるランク戦もチームで行われています。
個人の能力では劣っていたとしても、チームワークで格上の相手を倒したり、修のように頭を使った戦いがワールドトリガーの一番の魅力であると思います。

修や遊馬、仲間たちの成長、ネイバーとボーダーの戦い、ボーダー同士のランク戦…。
バトルシーンと仲間の絆がとても魅力的な作品になっています!
ワールドトリガーには、ここでは紹介できなかった魅力的なキャラクターたちが多数います。
バトル漫画が好きな人には一度は見ていただきたい作品です!

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何度も読み返したくなるSF漫画

ワールドトリガーは読めば読む程、読み返したくなるSF漫画です。特殊な技術であるトリオンを使い、少年少女達が壮絶な戦いを繰り広げていきます。単純なバトル漫画とは異なり、集団戦がこの漫画の大きな見所です。
倒す相手は近界民(ネイバー)と呼ばれる異世界の人々ですが、そのネイバーに対するスタンスも各々異なります。ネイバーに家族を殺され「ネイバーをぶっ殺す」と徹底的に殲滅しようという考え方の人もいる一方で、「ネイバーにも良い奴がいるから仲良くしようぜ」と考えている人もいます。その考え方の差は、各々が経験した事や知識の違いからくるものです。そのため、時には同じ組織にいるのにも関わらず対立をしたり、戦い方が異なったりします。さらに、ただ敵を倒したらお仕舞いと言う訳ではなくいという点もリアルに近く感じます。
その先についてもしっかりと描かれており、その戦い方を次にどう生かすのか、どう勝利に繋げていくのかなどについて良く練られています。
ひたすら戦うのではなく、組織の人それぞれが地形を活かしたり陣形を考えたりと、とにかく頭脳戦も楽しむことができます。常にネイバーと戦うだけではなく、味方同士で練習として戦うこともあります。そのため練習で戦っていた人達が、ネイバーを相手にすると一丸となる姿も感慨深いものがあります。

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10

この漫画を読むべき

この漫画では、大きく分けて地球と異世界の2つの世界があります。地球は異世界からの攻撃や侵略に、ボーダーという組織の力で耐えている状況です。そんな世界で、ボーダーに所属する三雲修、地球と違う異世界からやってきた空閑遊真、異世界のどこかに姿を消した兄を探したい雨取千佳の3人がチームを組み成長していく物語です。

この漫画の大きな魅力は「主人公が強くない」こと、「空閑遊真の秘密」です!主人公が何らかの特殊能力を持っていて、あるいは潜在的な力に目覚めて、土壇場で覚醒して…などという展開が一切無いのです。修の戦闘員としての能力は低いのですが、自分の弱さを理解したうえで戦術や頭脳で立ち回ることによって強い相手に立ち向かっていくところに見どころがあります。空閑遊真の秘密についてはネタバレになりますが、彼は肉体的に死にかかった状態であり、その体は今も死に向かっているということです。修たちのチームは遠征部隊に選ばれるために努力を重ねますが、当然急に強くなることはできないわけで壁にぶつかります。特に修は、上のレベルにいる隊員から「自分たちと互角に渡り合うにはあと2年は必要」といったことを言われ、最速最短で遠征部隊に選ばれようとすることは現実的ではないと言われます。しかし、遊真の体があとどれほど保つのかは分からない。だからこそ諦めるわけにはいかない。この展開が本当に読み応えがあります。

ワールドトリガー / ワートリ / World Trigger
10

”遅効性SF”というキャッチコピーに恥じないじわじわと効く面白さ

週刊少年ジャンプにて連載の少年漫画なのですが、読者公募のキャッチコピー大賞に選ばれた”遅効性SF”というキャッチにぴったりな、読み込めば読み込むほどに”効いてくる”SFを題材としたバトル漫画です。
近界民(ネイバー)という名の侵略者に襲われる街、三門市を舞台に繰り広げられる、界境防衛機関ボーダーと、そのボーダーに所属する少年少女を中心に物語が描かれます。
SFと言っても未来を描いた話ではなく、近界民が襲来してくること、その近界民に対抗するための武器「トリガー」をボーダーが所持していること、目につくSF要素はこれくらいのものですので、SFにあまり馴染みのない人でもとっつきやすいかと思われます。
この漫画で戦う少年少女は中学校や高校に通っている学生が多く、時に部活感覚で仲間同士との鍛錬としての戦う姿を、時に街を守る明確な意思を持って戦う姿が描かれます。そういった、現代社会に生きる私達に比較的近しい”感覚を持つ者たちが戦いの様子が描かれる漫画です。
またそのキャラクターの数が多く、一度読んだだけでは把握が難しい場合もあるのですが、しかしキャラクターの掘り下げと設定の練り込みが深い。そういったところも含めて、何度読み返しても楽しめる”遅効性SF”として完成されている漫画であると思います。