ゾディアック

ゾディアックのレビュー・評価・感想

ゾディアック
8

長いけどおもしろい

長い映画でした。ゾディアック事件に振り回された3人の男の話ですし、ゾディアック事件は解決してないので、そりゃあ長くなるでしょうが、それにしても長かったです。この映画は時間のある時にしか難しいなあという感じです。でも、事件というものが被害者、遺族だけでなく、他の人々の人生も壊すんだなというのがわかって面白かったです。花形記者はゾディアックに脅されたりその事件を追いすぎて壊れていくし、刑事は大きな事件なのに間が空いたりゾディアックが勝手に事件をでっち上げてると思われているのか最後には1人で捜査させられるし、漫画家はやっと再婚したのに事件を解決しないとと取り憑かれて離婚しちゃうし、ほんと人生が狂わされています。事件自体も、女を執拗に撃ったり刺したり猟奇的です。そんなに表現が怖いわけではないのですが、それでも全体的に不気味な雰囲気が流れていて、なんとなく怖いなという感じです。犯人探しの面は犯人だか模倣犯だかわからない人がテレビに出てきたり、犯人と思われた人の筆跡鑑定が違ったり、へんな男が接触してきたりとなかなか進みません。でも、もともと解決していないし、犯人見つけの映画ではなあと思います。一応の解決はしますがそれで私は納得です。細かいところも作り込まれている作品なので、また時間がある時にじっくり見たいです。

ゾディアック
7

フィンチャーらしい

ゾディアック事件はあまり知らなかったのですが、デヴィッド・フィンチャー監督が好きだし、ジェイクも好きなので見ました。
ジェイクは、ゾディアック事件にのめり込む漫画家の役ですが、花形記者になついたり、のちの妻とのデートもゾディアックのことで頭がいっぱいで、そんなとこが可愛いと思われてたり、なんか可愛らしい役でした。
ゾディアックの犯人は実際にも明らかにはなっていないのですが、一応の犯人候補はいて、その人はなんか不気味です。
別に静かだし、不気味というのはかわいそうだけど、雰囲気がやばいです。
証拠はないし、事件はいろんなとこで起きてたし、ほんとにゾディアックがしたのか、虚栄心で他の人がした犯罪も告白したのかわからないし、警察は大変だったろうなと思います。
記者も追いかけててボロボロだし、漫画家は諦められず家庭が崩壊するし、犯罪被害者だけでなく、関わった人の人生を狂わせた事件だったんだなと思いました。
監督さんもこの事件が起きた時、アメリカにいたし、私らよりもゾディアックというものに思い入れがあったのだと思います。
ゾディアックの手紙の演出とか、時間経過の演出とかおしゃれだし、こだわってて、フィンチャーらしい映画だと思いました。

ゾディアック
7

長いが、いい作品です。

アメリカで起きた未解決事件の話です。犯人というより、犯人が誰なのか突き止めようとした男たちの話でした。
1人は刑事、1人は記者、もう1人は漫画家です。犯罪によって、もちろん被害者、遺族の人生はめちゃくちゃになりますが、それだけでなく、事件を追った者たちの人生も狂うのだなと思いました。事件は未解決ですので、映画でも犯人が誰なのか、はっきりしないまま終わっていますが、漫画家(本件事件について、本を書いている)がいろんな地域の警察や関係者のところを歩き回り、たどり着いた結論は示されます。たしかに、彼が犯人なのではと納得できる結論でした。
演じている役者は主役3人はもちろん、周りの人もなかなか渋い人ばかりでかっこいいなと思います。わたしは、バレーホ署の刑事役の人が好きです。ハゲてるのですが、なんか男臭くてかっこいいです。そして、主役3人は全員すばらしいです。3人とも個性的でうまい役者なので、安心して物語に入っていけます。また、ゾディアック事件がなかなか悲劇的なものだったので、襲撃場面とか、ゾディアック?がテレビに電話してきた場面とか怖いところもあり、ホラーとしても良いです。
ただ、時間は長いです。それに、結局解決しないので、モヤモヤはするかもしれません。

ゾディアック
7

キャスト陣!

ゾディアック事件に振り回された男たちの話です。デヴィッド・フィンチャー監督はいろいろと凝る監督なのですが、そのころがよくわかる作品です。キャスト陣にしても、みんなちょっと古い顔というか、ゾディアック事件の起きた頃の人らしさが出ています。メイクや服装のおかげもあると思いますが、みなさん、味がある人ばかりでした。私は、主役の一人の漫画家を演じたジェイク・ギレンホールが好きなのですが、彼もとてもいい演技でした。真面目で、ちょっと浮いている役だったのですが、はまり役でした。ジェイクは、なんか下の役というか、誰かに傾倒したり、慕ったりするときの憧れてますっていう表情が可愛らしいですし、何かに夢中になるときの顔はなんか怖かったりするので、最初、記者に憧れて、彼にいろいろ事件のこと聞いたりしてたのに、どんどんハマって、一人になっても事件を追うという役がぴったりだと思いました。また、事件が結構長い期間にわたって起こったことをビルの建設映像とかを差し込んで表現とか、犯人の手紙を主役3人の朗読で流すとかオシャレだなて演出もあっていいです。ただ、長い作品なので、時間がある時にしか見られません。そこがちょっと難ありです。

ゾディアック
7

未解決事件

昔、アメリカで起きた未解決事件の話です。犯人側の話ではなく、彼を追ったために人生が狂った男たちの話でした。主役は3人で、「記者:ロバート・ダウニー・Jr」、「漫画家:ジェイク・ギレンホール」、「刑事:マーク・ラファロ」です。全員渋い役者さんで、演技も素晴らしいので、シーン一つ一つが面白かったです。ロバートは不良記者で最初のイケイケのときの演技もかっこいいし、薬か酒かよくわからないけど落ちぶれているところも素敵でした。ジェイクは、かわいらしく、真面目な感じがよく出ていて、似合ってる役でした。暗号を図書館通いで解いたり、刑事でもないのに犯人探しに躍起になったりして面白い人だなと思いました。あと、愛嬌があって刑事さんにも協力してもらったりしていて、いい役だなと思いました。マークは渋いけど、だからこそ可愛い刑事でした。相棒のランチのポテトを奪ったり、奥さんが強そうだったり魅力的でした。ゾディアック事件の概要が興味深いのはもちろんのこと、犯人を追いかける刑事の捜査も大変そうだし(いろんな情報、眉唾物も聞かないといけなかったり)、新聞社に犯人から暗号が送られてきてそれを解いたり、いろんなことがあったんだなと興味深く見ました。事件は被害者、その遺族はもちろん、担当刑事やそれ以外の人の人生も変えてしまうんだなと思いました。ちょっと長い映画ですが、見応えのある作品だったと思います。