引っ越し大名!

引っ越し大名!

『引っ越し大名!』とは、土橋章宏原作小説の『引っ越し大名三千里』をもとにした、2019年に公開された時代劇映画である。監督は犬童一心。姫路藩の書庫番・片桐春之介は、藩の国替えに伴い「引っ越し奉行」に任命されてしまう。しかし春之介には国替えの経験が全く、幼馴染の鷹村源右衛門や前引っ越し奉行の娘・於蘭の力を借りて引っ越しの成功へ向けて奔走する。この作品は、引っ込み思案な春之介が国替えという一大事に直面し、成長していく姿がコメディ調に描かれている。

引っ越し大名!のレビュー・評価・感想

引っ越し大名!
8

引っ越し大名って何かわかる??

星野源主役の時代劇ではなくお笑い時代劇というほうが良いかもしれません。
江戸時代の小さな城下、姫路藩の大人しく人とのコミュニケーションがうまく取れない主人公。
今の時代で言えばオタクっぽい気の小さな人柄。
お金がないのにお引っ越しする事になり、みんながやりたがらないなかで中心人物となり仕切っていく過程を面白く、真面目に描いた映画です。
初めは、どうにかこの役目から逃げる事が出来ないかという事しか考えていなかった。
しかし、逃げる事も出来ない。
城主に対しての服従は、現在では考えられないことです。
自分の知識を使えばどうにかなるのではと思いつくまでの不安な顔と、
それしかないと決心をして行動をする顔は全然違い、次第に周りの信用を勝ち取っていく人物になっていきます。
一人では出来ないことも人に頼っていくことが大切な事だと気が付く場面もあります。
途中で裏切る人も出てきます。そんなに簡単な事ではないのです。
どこまで人を信用して良いのかわからないこともあります。
自分を信じてついてきて来る人を裏切らない。だから人がついて来てくれる。
必ず約束を守ってくれるという保証はないのに、その人を信じて何年も耐え忍んで人生を過ごす事が自分に出来るだろうかと考えさせられる映画でした。

引っ越し大名!
7

映画から学ぶ片付けの術!

実際に史実にあった話を元に描かれた作品。時代劇ではあるが、言葉は難しくなく、堅苦しくない。所々に笑える場面、ほろっとくる場面が散りばめられていて、キャラクター一人一人に個性があり、二時間飽きの無いエンターテイメントムービーになっている。
星野源さんが演じる主人公が本当に情けなくてたよりなく、ハラハラしてしまうが、外見も身なりも成長していく姿が応援したくなる。彼の母親になった気持ちになってしまう。(実際に主人公の母親も出てくる。)
高橋一生さんが演じる、彼の友人である鷹村は主人公とは正反対で、過剰に明るく羽目を外しすぎるが、男の中の男として勇ましく力強い助っ人。御手杵の槍の殺陣シーンは惚れ惚れすること間違いなし。
高畑充希さんが演じるヒロイン於蘭は、バツイチ子持ちで今回の引っ越しの手助けのキーパーソンの1人。ヒロインだが女々しくなく、引っ張っていく存在。馬に乗って現れるシーンはとてもかっこいい。
タイトルである引っ越し大名とは、及川光博さん演じる松平直矩のことで、殿独特のオーラはもちろんあるが、色々と巻き込まれててんやわんや。コミカルな演技も見られるが、みんなの前に立つときはビシッと殿の風格を表す。
肝心のお引越しだが、いろんな策でいかにお金をかけずできるか?がミソ。実際にやっていた策は現代でも使えるものばかり。映画を観た後につい自分もお引越しならぬお片づけしたくなっちゃう映画だ。