登場人物が全員魅力的!
鹿の子村に住んでいる泥田坊と呼ばれていた主人公・夏羽がさまざまな人(怪物)と関わっていくことで、人間らしい心の成長を成し遂げていくところが見どころです。また、人間の姿をした怪物たちがたくさん出てきますが、どの登場人物も設定や人物背景が魅力的です。
メインで出てくるのは、主人公の夏羽と蜘蛛(アラクネ)と呼ばれる怪物の半妖であるシキ、雪男子の怪物のアキラ。はじめて出会った頃はギクシャクしている場面もありますが、一緒に時間を過ごしていくうちに信頼関係が生まれていくところが心が温まります。それぞれの登場人物の背景も内容が詰まっており、みんなで解決していこうとするところに胸を打たれるシーンも多いです。また、敵である狐の一味の人物背景も濃く、読んでいてなかなか憎むことができません。敵の仲間の中にもきちんと友情や愛情があるんだなぁと考えさせられる内容です。主人公は屍鬼(クーラー)と呼ばれる怪物と人間の半妖なので死ぬこともなければ痛みも感じませんが、他人の痛みを理解しようとする優しい男の子です。それがとても魅力的だし、どこかぼんやりしているようですが、自分の考えもしっかり持っているなぁと感じます。
登場人物全員がとても魅力的なので、誰にもいなくなってほしくない…!どのように話がまとまっていくのか、とても楽しみな作品です。