怪物事変 / Kemono Jihen

怪物事変 / Kemono Jihen

『怪物事変(けものじへん)』とは藍本松による人気のダークファンタジー漫画である。「ジャンプスクエア」にて2017年より連載中。シリーズ累計発行部数は420万部を突破しており、2021年1月から3月までアニメも放映されている。
舞台は東京にある隠神探偵事務所、主人公である夏羽(かばね)が消息不明の両親を探すため、怪物による数々の怪異事件を仲間である隠神(いぬがみ)達と共に解決していく物語である。

thanatosのレビュー・評価・感想

怪物事変 / Kemono Jihen
9

泣けるメインストーリーに、コメディでスパイスを。

現代において妖怪・人外物の作品はたくさんありますが、その中でも「怪物事変」は特に面白い作品だと思います。
まず登場キャラクターに嫌悪感を抱くことがなく、全てのキャラに親しみを感じます。ストーリーは主人公が両親に再会するために、そのきっかけとなるであろう石を全て集める、というものなのですが、その端端でコメディな描写が多々あります。家族に会いたい、愛する人を守りたい、友達や大切な人ために戦う、などといった心が揺さぶられるメインストーリーに、キャラ同士の感情豊かで賑やかなコメディっぷりは、読んでいてとてもバランスがよいです。田舎暮らしで世間を何も知らない主人公 夏羽(かばね)が、いろいろな人たちと出会い触れ合うことで外の世界のことや人の感情などを学び、知っていく様子を読んでいても心がとてもほっこりします。これはおそらく主人公や仲間たちの年齢や見た目が若い子が多いため、親や姉、兄になった感覚で彼らの成長や活動を見守っているような感覚に陥るからなのでしょう。
漫画では作者の画力も高く、ストーリーももちろん面白いですが、イラストを見ているだけでも飽きません。アニメ化もされた作品なため、みなさんの目に触れる機会も多くなったと思います。ぜひ一度、手に取ってみてください。