サバイバルファミリー

サバイバルファミリーのレビュー・評価・感想

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サバイバルファミリー
10

面白いです。

・あらすじ
原因不明の停電により東京都を脱出する家族を描いたサバイバルコメディーです。
当たり前のように家電製品に囲まれ生活していたある日、電気を使う物は全て使用できなくなり交通機関や電話はもちろん、水道、ガスまでも止まってしまう。
東京は大パニックに陥り困り果てる中、鈴木家は東京を脱出することに。
だが、道中に沢山の試練が待ち受ける。
「ハッピーフライト」「ウォーターボーイズ」を手がけた矢口史靖さんが原案、脚本、監督を務める作品です。

・感想
停電になり電子機器は一切使えない生活。
観ているといつも自然に使いすぎていて家電製品だと言うことを忘れてしまっているような物もあり、
今、自分たちがどれだけ電気製品と共に暮らしどれだけ便利な生活をしているのかを改めて身にしみる作品です。
この作品を通して自分自身の家電製品との生活を少し見直し、節電にもなっていると思います。
そして、シンプルにわかりやすく面白いです。
亭主関白な父(小日向文世)が家族を守ろうと奮闘するも空回り、時折見せる父の哀愁漂う表情がなんとも言えず、面白かったです。
それを家族で乗り越えていくストーリーも温かい気持ちになり面白かったです。
家電製品との共存を考えさせられる作品でした。

サバイバルファミリー
9

世界から電気がなくなったら。誰もが考えそうで考えないテーマ。 リアリティー感はあまりないが、エンターテイメントとしてみる分には、とてもスカッとし、楽しい時間が送れるだろう。深津絵里、小日向文世の真剣なまでのコミカルな演技が光る。

都会に暮らすデジタル家族の日常が、一夜にして一転する。その展開が早いのでとても入り込みやすい。
不自由な生活が続くなか、頼りないお父さんが一大決心して、東京を脱出する計画を立てる。
途中、サバイバル生活に手慣れた家族に会い、写真を撮ってもらう。その写真がラストにとてもいい味を出してくれる。
その家族に藤原紀香、時任三郎、志尊淳という豪華メンバーを使用しているところも面白い。
また、豚を必死に追いかけ、大地康夫演じる養豚場のおじさんの家にお世話になり、豚の塩漬けを食べるシーンは、心底美味しそうだった。
極限の贅沢な食事はよだれこそ出ることを知る。
お父さんは川でおぼれ、生死をさまよい、お母さんは凶暴な野犬に襲われ骨折をする。
娘はつけまつげを早々捨てる。本当に必要なものとは何か、家族の絆とは何か、改めて考えさせる映画だと思う。
初めの場面と最後では家族の在り方が大きく変わっている。それを二度見て見比べるのも楽しいだろう。
また、あなたならどうする?と終始問いかけられている映画でもあると感じた。
水が2500円で売られていたり、食べ物の為に土下座をしたり、食べ物を他人に分け与える農家のおじさんがいたり、人の姿は様々で自分ならどうするのか、考えざるを得ない。

サバイバルファミリー
10

父のあり方

パニック映画が好きでよく見るのですが、ハリウッド物だとムキムキで知性的なお父さんが家族や街を守るために体を張って活躍する、というものが多いです。
そういうのも好きでなのですが、この作品にはそんなカッコいいお父さんは登場しません!(作品のジャンルとしてはコメディですが)
プライドが高くて家族や同僚の前で威張っている、よくいる中年のおっさんです。
世界中で電気が使えなくなる、という大変な事態を前に「俺に任せておけ!!」と豪語するも、何もできず不甲斐ないところばかり。
もっとも、お父さんはだけではなく、お母さんは魚も捌けないし野菜についた虫で大騒ぎだし、息子と娘はスマホ大好きな今どきの子達。
サバイバル能力ゼロの家族が、東京に残っているよりは、と熊本まで自転車で旅をしますが、順調に行くはずもなく…
最後には息子と娘から「少しは父親らしいことをしてみせろよ!」となじられ、妻からは「しょうがないでしょ。お父さんはそんな人なんだから」と本音を吐露されてしまい、父のプライドは地に落ちます。
物凄くリアルな家族が、物凄く非現実的な状況で悪戦苦闘する、という物凄く斬新で面白い映画でした。
普段威張っているだけのお父さんが家族からどう見られているのか、そしてそのハリボテの威厳が失墜した時にどう行動するのか?
スーパーヒーローのようなお父さんじゃなくても家族を守れるのか?
リアルでちょっと切なくて、笑える良質の娯楽映画です
役者の小日向文世さんがこのお父さん役にぴったりで最後まで楽しく観れました

サバイバルファミリー
9

笑えるけど危機感もくれるコメディー

サバイバルファミリーは近い将来起こりうるかもしれない災害をテーマにしたストーリーで、この災害を通して一つの家族が成長する話です。
ある日突然電気関係のものが原因不明に全て使用できなくなってしまい、車もスマホもテレビも使えない中で、家族が東京から母方の実家である鹿児島へと自転車で向かおうとします。
この家族はザ・日本の平均的な家族という感じで、危機感もそこまであるというわけではなく、娘はつけまつげを、父はカツラをかぶって家を出発するのです。
特に小日向文世演じる父親はプライドや面目が一番という典型的なお父さんで、家族みんなから呆れられていますが、食料が尽きていく中で、常に自分から先頭切って道を切り開く姿勢や、せめて子供たちだけには食料をと土下座したり、段々と勇姿ある父親へと成長していきます。
この映画はコメディですが、こういった災害が起きたときに、買い占めや価格高騰が起こったり、人のものを盗んだり、水族館の魚を食べてしまうなど、すごくリアルに描いているので、笑える一方で、この映画を観終わった後に震災用のパックごはん買いに行こうと思ってしまいます。
映画自体はテンポも良いし、笑えるポイントが盛り沢山なので、どんな状況になっても家族がいて些細なことで笑えるのは最高に幸せなんだと感じさせてくれるし、観終わった後は本当に泣けました。
特に、コロナという未曾有の事態が起こっているこの今、観て欲しい作品です。

サバイバルファミリー
6

電気がなくても元気があれば何でもできる『サバイバルファミリー』

現代日本において、ある日突然電気がなくなったらどうなるでしょうか。電気がないということは電化製品や電車、自動車はもちろんのこと、水道やガスを供給する施設も機能不全に陥ります。そんな状況でサバイバルしていくファミリーを描いた作品です。
ただの停電ならばそれほど大きな混乱には至らないでしょう。しかしこの映画の中では電気が「ない」のです。災害時には頼りになるラジオすら使えないのでは、一般人では何が原因なのかいつ復旧するかを知る術がありません。遠方の情報を得るためにはそこに赴く必要があるのです。そこで、ファミリーの大黒柱である父親が電気がない東京から母親の実家のある鹿児島へ行くことを決めます。
それまではバラバラだったファミリーがまとまっていくこの旅路が見所となります。ファミリーはアウトドアに強い人には役立つ豆知識を教わり、養豚業を営む人には豚を御馳走され、蒸気機関車には乗せてもらうなど、道中出会う人々が皆親切でした。ほのぼのしてるなぁと思う一方で、突如電気がなくなった世界がこんなに平和だろうかという疑問もありました。悲しいことに大きな災害があれば大きく秩序が乱れるものです。監督からしてコメディに定評のある方なので殺伐とはしないと予想はしていましたが、もう少し人間の醜い部分を見せてもらっても良かったかなと。少々リアリティに欠けるきらいはありつつも、設定の面白さや俳優陣の好演、人のいない観光地や高速道路の風景もあり、観ても損はない映画であると思います。