サバイバルファミリー

Yurizzのレビュー・評価・感想

レビューを書く
サバイバルファミリー
9

世界から電気がなくなったら。誰もが考えそうで考えないテーマ。 リアリティー感はあまりないが、エンターテイメントとしてみる分には、とてもスカッとし、楽しい時間が送れるだろう。深津絵里、小日向文世の真剣なまでのコミカルな演技が光る。

都会に暮らすデジタル家族の日常が、一夜にして一転する。その展開が早いのでとても入り込みやすい。
不自由な生活が続くなか、頼りないお父さんが一大決心して、東京を脱出する計画を立てる。
途中、サバイバル生活に手慣れた家族に会い、写真を撮ってもらう。その写真がラストにとてもいい味を出してくれる。
その家族に藤原紀香、時任三郎、志尊淳という豪華メンバーを使用しているところも面白い。
また、豚を必死に追いかけ、大地康夫演じる養豚場のおじさんの家にお世話になり、豚の塩漬けを食べるシーンは、心底美味しそうだった。
極限の贅沢な食事はよだれこそ出ることを知る。
お父さんは川でおぼれ、生死をさまよい、お母さんは凶暴な野犬に襲われ骨折をする。
娘はつけまつげを早々捨てる。本当に必要なものとは何か、家族の絆とは何か、改めて考えさせる映画だと思う。
初めの場面と最後では家族の在り方が大きく変わっている。それを二度見て見比べるのも楽しいだろう。
また、あなたならどうする?と終始問いかけられている映画でもあると感じた。
水が2500円で売られていたり、食べ物の為に土下座をしたり、食べ物を他人に分け与える農家のおじさんがいたり、人の姿は様々で自分ならどうするのか、考えざるを得ない。