サバイバルファミリー

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サバイバルファミリー
9

笑えるけど危機感もくれるコメディー

サバイバルファミリーは近い将来起こりうるかもしれない災害をテーマにしたストーリーで、この災害を通して一つの家族が成長する話です。
ある日突然電気関係のものが原因不明に全て使用できなくなってしまい、車もスマホもテレビも使えない中で、家族が東京から母方の実家である鹿児島へと自転車で向かおうとします。
この家族はザ・日本の平均的な家族という感じで、危機感もそこまであるというわけではなく、娘はつけまつげを、父はカツラをかぶって家を出発するのです。
特に小日向文世演じる父親はプライドや面目が一番という典型的なお父さんで、家族みんなから呆れられていますが、食料が尽きていく中で、常に自分から先頭切って道を切り開く姿勢や、せめて子供たちだけには食料をと土下座したり、段々と勇姿ある父親へと成長していきます。
この映画はコメディですが、こういった災害が起きたときに、買い占めや価格高騰が起こったり、人のものを盗んだり、水族館の魚を食べてしまうなど、すごくリアルに描いているので、笑える一方で、この映画を観終わった後に震災用のパックごはん買いに行こうと思ってしまいます。
映画自体はテンポも良いし、笑えるポイントが盛り沢山なので、どんな状況になっても家族がいて些細なことで笑えるのは最高に幸せなんだと感じさせてくれるし、観終わった後は本当に泣けました。
特に、コロナという未曾有の事態が起こっているこの今、観て欲しい作品です。