漢なら絶対にアツくなれる漫画
主人公の南波 六太(なんば むった)が宇宙飛行士を目指す物語です。作者の小山宙哉さんは、この作品を作るにあたって、宇宙飛行士に関する様々な調査を行っているため、かなり宇宙飛行士について深堀りされた作品となっております。例えば、宇宙飛行士になるための試験や訓練などは実際のそれに沿ったものとなっており、高いリアリティを有しています。また、この作品の良さは上記のような背景や設定だけには留まりません。
私がこの作品に強く惹かれた理由は、各キャラクターが本当に生きているのではないかと錯覚するほどの情緒の表現力の高さにあります。この作品は、主人公のみならず、全ての主要キャラクターにフォーカスされる瞬間があり、その度に「ああ、あの行動はこういった背景があったからこそだったのか」と納得することができ、どのキャラクターに対しても好意的な感情を抱くことができます。また、全ての主要キャラクターには、それぞれの正義や信念があり、その感情から生じるそれぞれの言動には強く心を揺さぶられます。私もその言葉・行動に幾度となく涙しました。様々な漫画を読む中で、涙する機会は多々ありましたが、何度読んでも涙することができる作品は多くなく、その中でも涙するポイントの多さは『宇宙兄弟』がピカイチです。アクション漫画の持つアツさとはまた異なるアツさを持つ作品が『宇宙兄弟』です。もしこのレビューを読んで興味を持った方がいらっしゃったら、是非一度お読み下さい。