夢を追いかける素晴らしさと大変さ
子どもの頃から宇宙飛行士になりたかった南波六太が主人公。自身は宇宙飛行士になれず、弟は宇宙飛行士になり月に行こうとしていて、沸々としていたころ、会社をクビになり、弟から宇宙飛行士採用試験の申し込みを促されて…という話。子供の頃からの夢を追いかける男の根性、兄弟愛、夢の叶わなかった人の悲哀などが描かれていて読み応えがあります。
主人公の六太は明るくてお茶目で、人間観察が得意ですごくいい人です。宇宙飛行士採用試験編では、宇宙飛行士になりたい多くの人の思いや、ライバル同士なのに芽生える友情がよかったし、弟の日々人は、六太と違って、順風満帆かなと思いきや、PTSDになったり人生て山あり谷ありだなと思えます。
今は宇宙での実験の話などに入ってきているので、ちょっと話が専門的になっててわかりにくいところもあるけど、仕事にせいを出す人達が素敵だし、宇宙飛行士採用試験編のころは、こういう試験をするんだと興味深いし、受験者にもいろんな人がいておもしろいです。
落ちた人は悲しんでいるけど、受かった仲間を祝福していて、ああ仲間っていいなと思います。人の夢に向かう姿に涙が溢れるところもあり、前述のとおり、主役がおちやめで、おもしろい人なので笑えるところもあり、楽しい作品です。