共感が多い作品
ファンタジーものや、ヒーローものなどの鉄板は、主人公が常人離れしていたりするものが多いが、この作品の主人公の南波六太は凡人ぽい所に共感が持てる。少しネガティブな一面があるが、弟の南波日々人に引っ張られて、宇宙飛行士を目指して、不器用ながらも夢の実現に近づいていくのが、すごく引き込まれる。
登場人物もみんなそれぞれ魅力があり、全員が宇宙を目指しているのに、目指す目的はそれぞれが違い、いろいろ考えさせてくれる。
特に主人公の六太の夢が、シャロンの夢である、月面望遠鏡を自分が月に行って設置するという、普通に考えたら途方もない夢のはずなのに、何故かリアリティーがあり、その夢の実現に応援したくなるのがこの漫画の凄いところだと思う。とにかく、たくさんの困難がある中で不器用なりにも乗り越えていくところは読んでいて、勇気をもらう。
最後にこの漫画の最大の魅力はやはり南波六太と南波日々人の兄弟愛にあると思う。日々人は六太より先に宇宙飛行士になったけど、そんな兄貴を誰よりもリスペクトしているのがわかるし、兄の六太も先を行く弟に多少嫉妬はしているものの、弟がピンチの時には魔法の様な言葉で後押しをしたりする。本当にお互いリスペクトし合っている理想の兄弟だと思うし、この作品の最後は是非兄弟で月面にあってほしいと思える作品。