思い描いていた夢と現実のギャップ
人にはそれぞれ、子供の頃に思い描いていた夢があります。しかし多くの人は夢のまま大人になり、夢を過去のものとして生きています。
この漫画の主人公、南波ムッタもそのひとりで、小さい頃から「宇宙飛行士になる」という夢を、弟・ヒビトと一緒に夢見ていました。ヒビトはその夢を現実にしたものの、ムッタは叶えることができず、会社員として生活をしています。そんなときに、運とタイミングと頭突きが上手いことハマり、宇宙飛行士選抜試験への道が開かれ、諦めかけていた夢に挑戦していくのです。
この漫画の主人公はムッタですが、私としては登場人物一人ひとりが宇宙飛行士という夢を叶えるべく努力して、競いあい協力しあうので、登場人物みんなが主人公と言えるほど、どの人物も印象が強いです。
それぞれの個性が交わりあい、あるいは反発しあい、それぞれがもっとも大切にしているものを尊重し、あるいは犠牲にする。このように夢を叶えることは美しいことばかりではないことがわかる作品ではありますが、この漫画を読むと、自ずと忘れかけていた夢をまた叶えたくなるようなパワーが湧いてきます。
今叶えたい夢がある方、または昔叶えたかった夢があった方。『宇宙兄弟』を読んでパワーをもらってみてはいかがですか。