自分自身を救う物語
この作品は主人公の鈴芽が自分自身を救う物語だと感じました。
過去の新海監督作品と同じようにボーイミーツガール要素ももちろんあるのですが、こちらはもう少し深掘りして欲しかったなと思った為、評価は9にしています。
映画の短い尺の中では仕方ない部分もあるとは思いますが。
しかし、それ以外は地震大国日本に住んでいる私たちからすると心に訴えかけられる内容になっているのではないでしょうか。
どんなに辛く苦しい出来事があっても必ず乗り越えていくことが出来る、笑顔でいられる未来があるという前向きなメッセージ性を感じました。
東日本大震災の際、私の住んでいた地域は街が崩壊してしまうほどではありませんでしたが、生きてきた中で1番大きな揺れだったのを覚えています。
それでもかなり印象的な出来事ではあったので、東北に住んでいた方々は震災に対してもっと大きな感情を持っていることでしょう。
そんな方々がこの映画を見てどのように感じるのかは分かりませんが、少しでも勇気付けられる人がいて欲しいという思いがこの映画には込められていると思います。
どうしようもない悲しみの中にいる子供の頃の鈴芽が、未来の鈴芽によって救われるという展開には心を打たれ劇場で涙を流しました。
それが出来たのも人々との出会いのおかげだということが映画を通して描かれているようにも感じたので、人と人の繋がりは絶望にも打ち勝つことができるのだなと思わされました。