すずめの戸締りを鑑賞してのレビュー
九州の静かな町で叔母と暮らす17歳の少女(鈴芽)が高校に通学途中、一人の青年(草太)に出会います。草太のことを気になった鈴芽は、彼の後を追い廃墟にたどり着くのですが、そこにはひとつの扉がありました。手を伸ばしたところ扉の中には…このように映画は始まります。
2016年公開の大ヒット映画『君の名は。』を手掛けた新海誠監督による2022年11月から上映されている作品です。
良かったところは、東日本大震災を経験した震災孤児である鈴芽が旅を通し成長していくことを描いている点です。震災というとシリアスになり過ぎるかと心配していたのですが、キャラクター達が可愛くてコミカルな場面も多くバランスの良い作品でした。
悪かったところは鈴芽が草太を好きになった理由が、劇中でうまく表現されていないように感じたところです。鈴芽の一目ぼれとはいえ、あったばかりの青年を助けるために長い時間協力できるのだろうかと考えてしまいました。
映画を見終わり、実際に東北地方で震災に遭い突然大切な人を亡くした方が多くいると考えると胸が苦しくなったのですが、時が少しでも被災者の心を癒してくれているといいと思いました。
最後に地震という難しいテーマを扱ってはいますが、ファンタジーでわかりやすくて楽しい場面も多いので、若い人たちに観てもらい、いろいろと考察してほしいと思う映画でした。