糸

『糸』とは、2020年に公開された日本の恋愛映画で、中島みゆきの楽曲『糸』にプロデューサーの平野隆が着想を得て制作された。監督は瀬々敬久。平成元年生まれの高橋漣(たかはしれん)と園田葵(そのだあおい)は、美瑛で出会い恋に落ちる。しかし大人たちの都合で引き裂かれ別々の人生を歩む。出会ってから18年経って平成という時代も終わりを迎えるとき、互いを忘れられなかった漣と葵は再び手を取り合うために動き出していた。この物語は、漣と葵、その周辺の人々の軌跡を「平成」という時代にのせて描く作品となっている。

0zyorozuya39のレビュー・評価・感想

9

中島さんの世界観が

中島みゆきさんの糸をテーマにした話です。
人と人が出会って、それぞれに影響を与えてってところが、すごく歌のイメージに近いなと思いました。ずっと同じ人を想っていると言っても、彼、彼女に固執するのではなく、それぞれはそれぞれで大切な人を作ってるところがリアルでいいです。そんなもんだと思います。
榮倉奈々さんが子どもを残して亡くなる役で、そのところは全て泣けます。最初、主人公と出会った時は気のいい先輩という感じだったのに、主人公と結婚するというのも運命だし、短命だったのも運命だったのか。でも、子どもと一緒にいたかっただろうと思うと涙が止まりません。そのときの主人公は、ほんとに奥さんのことを想っていたと思います。そこがいいです。不倫純愛ものとかとはぜんぜん違います。ほんと、人と人の出会いは不思議なもので、結局は2人が付き合うのだとしても、他の人と付き合ったことにも、意味があったのだというのがわかりました。
それに、やっぱり主題歌の糸がいいです。ほんといい曲で、この歌が流れ出すと、グッときます。歌発信の映画ってたまにありますが、そのなかでも最高級にいいはなしだったのではないでしょうか。ただの恋愛ではない、人と人とのつながりを感じられました。