
Battles(バトルス)とは、2002年にニューヨークで元ドン・キャバレロのイアン・ウィリアムスによって結成されたエクスペリメンタル・ロックバンドである。ギターやキーボードなどから作られたループ音源をリアルタイムで変化させながらテクニカルなドラムと合わせて曲を構成していくスタイルで有名。結成時は4人組であったが、タイヨンダイ・ブラクストンらの脱退があり、その後はイアン・ウィリアムスとジョン・ステニアーの2人で活動している。
Battles(バトルス)の概要
Battles(バトルス)とは、2002年に元ドン・キャバレロのイアン・ウィリアムス、フリー・ジャズ界で有名なサックス奏者アンソニー・ブラクストンを父に持つミュージシャン、タイヨンダイ・ブラクストン、元リンクスのデイヴ・コノプカ、元ヘルメットのジョン・ステイナーの4人で結成されたエクスペリメンタル・ロックバンドである。実験的サウンドで注目を浴びるアメリカ出身のバンド。ギターやキーボードなどから作られたループ音源をリアルタイムで変化させながら、テクニカルなドラムと合わせて曲を構成していくスタイルで有名である。
2007年、1stアルバム『Mirrored』をリリース。ここに収録されているシングル「Atlas」が各音楽メディアより高い評価を受ける。2010年には中心的人物であったタイヨンダイが脱退する。2019年にデイヴ・コノプカが脱退しており、その後は残された2人で活動を続けているが、実験的サウンドの追求は衰える事を知らない。
Battles(バトルス)の活動経歴
Battles(バトルス)の結成からタイヨンダイの脱退まで
2004年6月にEP「EP C」、シングル「Tras」、そして9月に「B EP」をリリースした。2005年にスコット・ヘレンのプロジェクト、Prefuse 73の日本ツアーに同行し、2回公演を行う。
2006年2月、一連のEPをリリースした後にバンドは老舗レコード会社ワープ・レコーズから「EP C / B EP」という「EP C」、「B EP」、「Tras」をまとめたコンピレーションアルバムをリリースした。
2007年5月14日にファーストアルバム「Mirrored」がワープレコーズよりリリースされた。アルバムはメディアから高い評価を得て、複数のメディアで2007年の年間ベストアルバムにランクインされた。
今作からの最初のシングル曲「Atlas」はイギリスの音楽誌NMEで「ベスト・シングル・オブ・ザ・ウィーク」を獲得したり、BBCのラジオで2007年のベストソングにも選ばれている。この曲はBBCの有名テレビ番組「ジュールズ倶楽部」でも披露された。
同年の後半には「Mirrored」からのセカンドシングル「Tonto」をリリースした。ミュージックビデオも制作されており、電飾を用いたパフォーマンスを行うイギリスのグループ、ユナイテッド・ヴィジュアル・アーティスツとコラボレートした。
ファーストアルバム収録曲「Race : In」や「Atlas」のリミックスがイギリスでアウディとホンダのコマーシャルに使用されるなど、本国アメリカ以外でも知名度を上げていった。
日本のフジロックフェスティバル、エレクトラグライド含め世界の音楽フェスに多数出演しながら、セカンドアルバムの制作を進めていたが、2010年8月にツアーに参加したくないとのことから、タイヨンダイが脱退することがアナウンスされた。
3人体制から2人体制へ
タイヨンダイと共に途中まで作り上げたセカンドアルバムを振り出しに戻し、残った3人は再び制作を始める。イギリスのニューウェーブのベテラン、ゲイリー・ニューマン、ロックバンドのブロンド・レッドヘッドのカズ・マキノ、ボアダムスの山塚アイなどがゲストボーカルとして参加したセカンドアルバム「Gloss Drop」を2011年7月にリリースした。これに伴うツアーをすることも発表した。
今作も前作同様に批評家から好意的に受け入れられた。タイヨンダイが抜けた穴を多くのゲストボーカルを起用することで乗り越えたと評するメディアも多くあった。反対にBBC Musicはバンドにとってタイヨンダイが抜けたのはかなり痛手だったと評している。
2012年2月から4月にかけて「Dross Glop1〜4」という12インチのレコードEPを4枚リリースした。これはセカンドアルバム「Gloss Drop」収録曲をコード9、ハドソン・モホークなどのミュージシャンがリミックスした曲を収録しているEPである。これら4枚をまとめたコンピレーションアルバム「Dross Glop」2012年8月16日にリリースした。
今作に収録されており、シングルカットもされている曲「Ice Cream」はスクエアのゲーム「スリーピングドッグス」やサッカーゲーム「FIFA12」に使用された。
2014年、バトルスはフェイスブックのグループのページにてサードアルバムをレコーディングしていることを公表した。
2015年7月15日、サードアルバムは同年9月18日にリリース予定でタイトルは「La Di Da Di」になることがアナウンスされた。
そして、2015年8月4日ワープレコーズを通じて、ニューヨークで行われたセッションをインターネットで配信した。そのセッションでは新曲である「Summer Simmer」、「Tyne Wear」、「Dot Com」「The Yabba」の4曲を披露した。これらは24時間限定の配信だった。バンドは2015年9月2日に別の新曲「FF Bada」をサウンドクラウドにアップした。
2015年9月18日サードアルバム「La Di Da Di」をワープレコーズよりリリースした。これまでと異なりヴォーカルトラックを廃した楽曲はファンからは原点回帰したサウンドだと評された。批評家やメディアからの評価はまずまずのものであり、売上は前作に比べ芳しいものではなかった。11月には東京、大阪の2箇所で来日公演を行なった。
2019年にデイヴ・コノプカが脱退。2人体制になった同年10月18日、アルバム『ジュース・B・クリプツ』をリリースした。
Battles(バトルス)のメンバー
現メンバー
イアン・ウィリアムス(Ian Williams)
1970年アメリカ、ペンシルヴァニア州生まれのミュージシャンである。
バトルスでは主にギターとキーボードを担当している。
バトルス結成前のドン・キャバレロ、ストーム&ストレス在籍中からギターをタッピングしながら演奏するスタイルで知られている。
学生時代はピッツバーグ大学にて歴史学や政治学を専攻していた。
ジョン・ステニアー(John Stanier)
1968年メリーランドボルチモア州出身のミュージシャン。バトルスではドラムを担当している。
1989年にハードコア・バンド、ヘルメットのドラマーとして脚光を浴び始める。
ドラムの演奏スタイルはジョン・ボーナム、ビリー・コブハム、ビル・ブルーフォードなどから影響を受けている。
バトルスではライドシンバルを高い場所に設置している。
バトルスの他にトマホーク、マーク・オブ・ケインの計3バンドを掛け持ちしている。
旧メンバー
デイヴ・コノプカ(Dave Konopka)
1976年アメリカ生まれのミュージシャンでバトルスではギターとベースを担当している。
バトルスに入る前はボストンのマスロックバンドのリンクスのメンバーとして活動していた。
マサチューセッツ芸術大学にてグラフィックデザインを専攻していたことから、バトルスのアートワークやツアーポスターの制作を担当することもある。
タイヨンダイ・ブラクストン(Tyondai Braxton)

出典: www.cmj.com
1978年アメリカ生まれのミュージシャンである。
フリージャズの巨匠であるアンソニー・ブラクストンを父に持っている。
バトルスには2002年のバンド発足から2010年までギタリスト及びヴォーカリストとして在籍していた。
スティーヴ・ライヒやフィリップ・グラスなど現代音楽家との共演も多く、自身のソロ作品も実験的、前衛的な傾向にある。
Battles(バトルス)のディスコグラフィー
オリジナルアルバム
目次 - Contents
- Battles(バトルス)の概要
- Battles(バトルス)の活動経歴
- Battles(バトルス)の結成からタイヨンダイの脱退まで
- 3人体制から2人体制へ
- Battles(バトルス)のメンバー
- 現メンバー
- イアン・ウィリアムス(Ian Williams)
- ジョン・ステニアー(John Stanier)
- 旧メンバー
- デイヴ・コノプカ(Dave Konopka)
- タイヨンダイ・ブラクストン(Tyondai Braxton)
- Battles(バトルス)のディスコグラフィー
- オリジナルアルバム
- 『Mirrored』
- 『Gloss Drop』
- 『La Di Da Di』
- 『Juice B Crypts』
- Battles(バトルス)の代表曲とミュージックビデオ(MV/PV)
- SZ2
- Hi-Lo
- Race : In
- Atlas
- Tonto
- Ice Cream Feat. Matias Aguayo
- My Machines Feat. Gary Numan
- Sundome Feat. Yamantaka Eye
- The Yabba
- FF Bada
- Battles(バトルス)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 初めての日本ツアーで人気のあまり追加公演も完売