やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(俺ガイル)のネタバレ解説・考察まとめ
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』とは『ガガガ文庫』より刊行されている渡航によるライトノベル(2011年~)、及びそれを原作としたアニメ(第一期2013年4月~6月 第二期2015年4月~6月)。自身の書いたひねくれた作文をきっかけに「奉仕部」なる部活に入部させられたぼっちな男子高校生比企谷八幡。彼と、そこで出会った雪ノ下雪乃、由比ヶ浜結衣たちがともに数々の経験を積み重ね、三者三様に変化していく様子がシニカルにコミカルに描かれている。
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
比企谷八幡「青春とは嘘であり、悪である」
物語の冒頭、八幡が平塚に奉仕部に入部されられるきっかけとなった作文の一節。
ぼっち学生が吐き出す屁理屈ではあるものの、フィクションによくある「若者」に憧れ近付こうとして作り上げられる「青春」は往々にして、演技、押し付け、欺瞞に満ちているという指摘は案外的を射ている。シニカルな理屈屋だけどそれなりに本質を突いてくる本作を通じての八幡のキャラクターをほのめかすつかみの一言になっている。
比企谷八幡「みんなで仲良くという言葉自体が元凶なのに。あれは呪いじみたお題目なのに」
小学生グループで孤立する留美をめぐり、仲間に溶け込ませようとする葉山の意見を聞いたときの八幡のモノローグ。
何かを一人ですることが好きな者もいるし、性格の合わない者も当然いる。それなのに「みんな仲良く」といった強制されたお題目を遵守しようとするから無理が生じる。軋轢を表面化させないために無視が、あるいはその原因を一方に押し付けることで、いじめやより大きな諍いに発展するかもしれない。集団心理の一つの本質を突いた八幡の言葉。
平塚静「誰かを助けることは、君自身が傷ついていい理由にはならないよ」
文化祭終盤、相模とのやり取りの事情を知った平塚が八幡にかけた言葉。
責任を放棄して逃避した相模に対し、優しくフォローするのではなく罵倒し相模を完全なる被害者にすることで場を丸く収めようとした八幡。八幡自身は悪役になることよって生じる痛みにはすでに馴れてしまっているかもしれないけれど、彼に対し少なからず好意を寄せる者にとってはそうした姿を見るのは痛ましい。雪乃や結衣たち、自身の行動で間接的に傷ついてしまう人がいることにも気付くべきだ、とする平塚の優しさがあらわれている台詞。
比企谷八幡「(完全に理解したいだなんて、ひどく独善的で、独裁的で、傲慢な願いだ。)それでも、それでも、俺は…俺は、本物が欲しい」
合同クリスマスイベントの運営に行き詰まった八幡が奉仕部に仕事の依頼をする際に雪乃と結衣に投げかけた言葉。
相手の領域を侵犯するような理解の押し付けは自らの倫理観に反する、けれど表層的な当たり障りのなさを維持することはどこか空虚。そうした葛藤を重ねた結果、雪乃と結衣とはたとえ醜かったとしても相手のことを理解しようとする「本物」の関係でありたいと願った八幡が不恰好に本音を吐露するシーン。本作を貫くテーマを前面に出したクライマックスのシーンの一つになっている。
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目次 - Contents
- 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の概要
- 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』のあらすじ・ストーリー
- 第一期
- はじまり
- キャンプ
- 文化祭
- 第二期
- 修学旅行
- 生徒会長選挙
- クリスマスイベント
- 三人の関係
- 主な登場人物・キャラクター
- 比企谷 八幡(ひきがや はちまん)
- 雪ノ下 雪乃(ゆきのした ゆきの)
- 由比ヶ浜 結衣(ゆいがはま ゆい)
- 平塚 静(ひらつか しずか)
- 葉山 隼人(はやま はやと)
- 戸部 翔(とべ かける)
- 三浦 優美子(みうら ゆみこ)
- 海老名 姫菜(えびな ひな)
- 一色 いろは(いっしき いろは)
- 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 比企谷八幡「青春とは嘘であり、悪である」
- 比企谷八幡「みんなで仲良くという言葉自体が元凶なのに。あれは呪いじみたお題目なのに」
- 平塚静「誰かを助けることは、君自身が傷ついていい理由にはならないよ」
- 比企谷八幡「(完全に理解したいだなんて、ひどく独善的で、独裁的で、傲慢な願いだ。)それでも、それでも、俺は…俺は、本物が欲しい」