無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜のネタバレ解説・考察まとめ

『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』とは、理不尽な孫の手によるライトノベル。「小説家になろう」で2012年9月に連載を開始し、2015年4月で完結した。2020年にはアニメ化を果たしている。
現代日本に住む34歳のニート主人公。彼はある日、家族から家を追い出されてしまう。人生を後悔しながら路頭に迷うなか、トラックに轢かれそうになっていた高校生3人を助けようとして死亡するが、その後ルーデウス・グレイラットとして異世界に転生。今度こそ真面目に生きようと第二の人生に取り組んでいく。

龍神オルステッドとの死闘を乗り越え、彼の軍門に下ったルーデウスとエリスはオルステッドの呼び出しに応じて町外れにある小屋へ赴く。オルステッドとの死闘を終えた後、エリスはルーデウスの三人目の妻となっていた。

オルステッドから、人神の脅威から家族を守るアイテムをもらった後、今後の方針について話し合った。
オルステッドは人物がたどるはずの歴史を見ることが可能だった。その代償に魔力の回復速度が著しく遅くなり、彼の枷となっていた。さらにルーデウスとの戦闘により魔力を大幅に失っているため、ルーデウスの協力を必要としていた。

人神は初代龍神である父の仇であった。人神がいる無の世界へ行くための五つの秘宝が必要で、四つは既に持っている。残りの一つは魔神ラプラスが持っているが、魔神ラプラスは話し合いで解決できる相手ではないので、人神を倒すにはその過程でラプラスを倒して秘宝を奪わなければならない。

人神はルーデウスを利用して、歴史を変えようとしていた。これの意味するところは、歴史が変わると人神にとって都合がいいということである。オルステッドとルーデウスは、本来の歴史を守ることを決める。

ある日アスラ王国第二王女アリエルの元に国王が病で倒れたとの急報が届き、次代の国王選びが始まる。それを聞いたアリエルは早速アスラ王国へ出発する準備に取り掛かる。
それにシルフィエット、ルーデウス、エリス、ギレーヌが同行する。ギレーヌの目的は仇討ちだ。フィットア領消滅の際、責任問題としてサウロス・ボレアス・グレイラットを処刑へと陥れた人物がいた。
アリエルは自分の下に付けば実行犯を見つけてみせると、ギレーヌに約束する。

アスラ王国編

アスラ王国へ移動する過程で、ルーデウスたちはダリウスという男の陰謀で没落した元アスラ貴族、トリスティーナと出会う。
ダリウスとは第一王子グラーヴェルに肩を持つ人物だった。アリエルはトリスティーナを仲間にし、ダリウスを失脚させることに成功する。

しかし、第一王子グラーヴェルは既に国王になるため地盤を固めていた。これを覆すために、アリエルは協力者の甲龍王ペルギウスを招く。
ペルギウスの威光で、流れはアリエルのほうに移る。そこへ襲撃者が現れる。襲撃者とダリウスは人神の使徒だった。
龍神オルステッドが現れて襲撃者を始末する。そしてギレーヌとエリス、そしてルーデウスは逃げたサウロスの仇でもあるダリウスを追い、始末する。

後日、無事に国王の座へと着いたアリエルはルーデウスたちに感謝し、困ったことがあれば協力することを約束する。ルーデウスは人神退治の活動で、アスラ国王という強力なバックを得ることとなる。

ザノバ編

ザノバの元に弟のパックスが身内を殺し王位を簒奪した、という報告が届く。内乱の隙をついて、侵略を始めた隣国に対抗するため、パックスはザノバを国へ呼び戻す。
罠の可能性を危惧したルーデウスは、ザノバの身を案じて、シーローンへの帰国を控えるよう言う。しかしザノバは自分のたった一人の家族として助けになりたいと帰国を選ぶ。

オルステッドの知る歴史では、パックスは宗主国の王竜王国の協力を得てクーデターに成功してシーローン王国の王位を簒奪し、その後は王政を廃止してシーローン共和国となる。歴史を変えようとする人神の影を感じ取ったオルステッドは王竜王国へ、ルーデウスはザノバに同行する。パックスの家庭教師を務めたこともあるロキシーも同行する。

シーローン王国へ着くとパックスの近くには、王竜王国・黒竜騎士団に所属している七大列強の一人、序列第五位「死神」ランドルフ・マリーアンがいた。パックスから今までの経緯が語られる。

ルーデウスとザノバに敗れた後のパックスは人質として王竜王国へ送られたが、そこで良い方向に変わる。竜王国の王女との結婚が決まるが、それにはパックスがシーローン王国で要職に就くという条件があった。ところがこの条件をシーローン王国が拒否したため、王竜王国はシーローン王族を皆殺しにした。そして血塗られた玉座がパックスに与えられた。

心強い王竜王国と最愛の妻を手に入れたパックスは、今ではもうルーデウスたちを憎んでいないことを語った後、ザノバたちに北の防衛拠点であるガロン砦の防衛を命じた。

ルーデウスたちはシーローン王国で初めての戦争を経験する。防衛には成功するが、今度はザノバも聞いたことが無い第11王子を旗頭にした蜂起、内乱が勃発する。ザノバはパックスを守るために王城へ帰還する。

王城へ戻ったルーデウスたちはパックスの寝室前で死神ランドルフに会う。入室を妨害され、ランドルフが人神の使徒という疑いもあったため、交戦に入る。しかしその疑いが晴れたため、両者は矛を収める。そしてそのタイミングでパックスが入室の許可を出した。

部屋に通されたルーデウスたちはパックスに会う。パックスは胸の内に抱いていた不満を打ち明けた後、バルコニーから飛び降りた。これにより歴史は変わってしまい、シーローン共和国が成されない状態になった。

後日、ザノバはパックスの忘れ形見の子を目にした。亡くなったパックスに涙するザノバはルーデウスに人神を倒す協力をさせてもらうよう要求した。

組織編

今までルーデウスたちをサポートしてくれていたギースが実は人神の使徒であったことがわかる。ルーデウスは彼を始末するために動く。

一方、元の世界へ帰るために研究を続けていたナナホシはついに世界転移魔法装置を完成させるが、転移は失敗する。ナナホシはその理由を自分にはこの世界でやるべきことが残っているからだと推測する。
ナナホシたちをこの異世界そしてこの時代へ転移させた人物は、未来にいる人物であった。その人物は未来で起こる悲劇を回避するためにルーデウスたちをこの異世界へ導いたのだ。
ルーデウス、ナナホシ、そしてナナホシの友人が導かれ、それぞれが必要な時代に転移した。フィットア領の転移が起きたのはその余波であった。

ルーデウスの役割は彼自身が今の時代で活躍し、子孫が龍神と共に人神と戦うこと。一方、ナナホシの場合は異世界に帰る転移装置の開発をすること。そしてナナホシの友人は80年後の時代に転移される。
その人物がオルステッドとルーデウスの子孫と共に人神を倒した後、ナナホシが作った転移装置で元の世界へ帰る、というのがナナホシの仮説だった。

このまま待っているのは大変なので、彼女はペルギウスに頼み、時間停止の魔術をかけてもらう。

決戦編

ギースが北方大地のビヘイリル王国にいるという情報を得たルーデウス。ビヘイリル王国へ旅立ったルーデウスは、そこでルイジェルドと再会する。
ルイジェルドは、仲間のスペルド族と出会うことができていた。彼は安寧の地を得られたが、謎の疫病がその地で起こる。薬を手に入れ、現在村の人たちは回復傾向にあった。

ルーデウスはルイジェルドに、人神の野望阻止と魔神ラプラスを退治する協力を要請する。しかしルイジェルドはそれを断る。理由は彼自身も疫病に侵されているからだった。しかも薬の正体は液体状の生物「冥王ビタ」と言う生物で、疫病の進行を遅らせるだけでは治癒はしないと言う。薬を渡したのはギースで、人神の使徒でもある「冥王ビタ」が死ぬと、村はまた侵攻を抑えていた病に飲まれてしまうのだった。

恩人でもあるルイジェルドと敵対したくないルーデウス。もし自分が疫病の根本的な部分を治したら、自分の陣営についてほしい、と頼み込む。そこでルイジェルドの体内に居た冥王ビタがルーデウスの体内へと侵入した。
しかしルーデウスはランドルフからビタの天敵である「ラクサスの骨指輪」を貰っていたため、難を逃れる。

冥王ビタが死亡したことによって、スペルド族の病が進行してしまう。ルーデウスは病気の正体が「ドライン病」であることを突き止め、無事彼等を治療することに成功する。病気の原因はこの土地が魔力が充満した環境であったためだった。

ルイジェルドを仲間に加え、攻め寄せてくる人神の使徒たちと最終決戦を行った。

完結編

ビヘイリル王国の戦いから約10年の歳月が流れた。ビヘイリル王国での戦いに勝利して以降、ルーデウスに対し、人神からの音沙汰はなかった。もう普通の人生を謳歌してもいいかもしれないと考えるルーデウス。

パウロの墓の横には彼の仲間であったギースの墓があった。

ビヘイリル王国の戦いを最後に、ルーデウス・グレイラットはその後歴史の表舞台に出てこなくなる、と伝えられる。そして享年74歳、老衰でこの世を去った。

死後の世界でルーデウスは人神と久しぶりに出会う。人神はルーデウスの子孫たちとの戦いに敗れて体をバラバラにされ、封印されて外の世界を見ることが出来なくなっていた。人神はルーデウスのことを嫌悪しているが、ルーデウスは彼のことは嫌いではなかった。人神という明確な敵は、ルーデウスの人生に張り合いを与えてくれたのだ。

ルーデウスは人神の横を通り過ぎて真っ直ぐ歩き始めた。

『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』の主要登場人物・キャラクター

ルーデウス・グレイラット

本編の主人公。無職34歳でトラックに撥ねられて死亡し、異世界のアスラ王国フィットア領ブエナ村で転生する。愛称はルディ。
前世で人生を後悔したため、転生先の世界では真面目に生きようと決意する。
三歳で中級魔術を使い、五歳で水聖級魔術師になる。しかも難関とされる無詠唱を得意とし、魔術を使うとき普段は無詠唱で行っていると言って師のロキシーを驚かせた。その後、七歳で貴族の家庭教師になるという経歴を持つ。
魔力総量が異常に多く、得意技は、魔力で作った石を整形し回転を加えて超高速で射出する「岩砲弾(ストーンキャノン)」と水系統と土系統の混合魔術「泥沼」。

パウロ・グレイラット

ルーデウス・グレイラットの父。
アスラ王国の上流貴族の出ですが、厳格な家庭を嫌い、十二歳で家を飛び出した。その後冒険者として生きていたが、後に妻となるゼニスとの間に子供が出来たため現役を引退。
その後、従兄弟のフィリップに頼みこんでフィットア領ブエナ村駐在騎士の職に就く。
剣術を得意とし、剣術の三大流派と呼ばれる北神流、水神流、剣神流をすべて上級を習得している。

ゼニス・グレイラット

ルーデウス・グレイラットの母。ミリス貴族のラトレイア家出身。
治療魔術と解毒魔術を中級まで使える治癒術師。
冒険者時代にパウロと出会い、お腹に子供が出来た後、冒険者を引退した。

ロキシー・ミグルディア

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