金田一少年の事件簿（漫画・アニメ・ドラマ）のネタバレ解説・考察まとめ

CV・小杉十郎太
警視庁刑事部捜査一課の刑事、階級は警部。
身長182cm、体重80kg、血液型O型、星座は乙女座、年齢はアニメ版やドラマ版で変わっているためはっきりしないが40代。

一とは事件を通して仲良くなり、今では良き理解者となっている。
推理の手伝いを頼んだり事件現場では何かと取り計らってくれる。
一におっさんと言われるほど、坊主頭で無精ひげ、くわえタバコ、よれよれのスーツとシャツ姿である。

明智 健悟（あけち けんご）

CV・森川智之
警視庁刑事部捜査一課のキャリア刑事、階級は警視。
身長180cm、体重70kg、血液型AB型、星座は水瓶座、28歳独身。

容姿端麗で知識豊富であり、推理力もある、若くして剣持 勇の上司であるエリート。
だが自意識過剰で嫌味な一面もあるため、一とはしばし衝突している。
しかし、お互いの推理力は認めており、事件では共に協力し犯人を突き止める。
昔、ロサンゼルス市警に居たことがあり「ロスではあの程度の事件は～」が口癖である。

高遠 遙一（たかとお よういち）

CV・小野健一
ある連続殺人事件の犯人、別名「地獄の傀儡師」。
身長不明、体重50kg、血液型不明、23歳。

金田一に犯人と見破られてからは、持ち前の天才マジシャンの能力を発揮し逃走する。
その後は神出鬼没の殺人犯として、人は殺さないものの、事件の犯人に深く関わったり、金田一たちにアドバイスめいた助言をしたりと不可解な行動が多い。
一が金田一耕助（ジッチャン）の名ではなく、自分自身のプライドにかけて捕まえると誓った唯一の人物でもある。

速水 玲香（はやみ れいか）

CV・飯塚雅弓
国民的なアイドルタレント。
身長157cm、体重36kg、血液型O型、星座は乙女座、17歳でスリーサイズは83・55・84。

天真爛漫で一が好きと公言しており、みゆきとはライバル的な関係。
幼い頃に母親が病死し父親に育てられる、しかし「タロット山荘殺人事件」でその父親は玲香と実兄を誘拐し実父を殺した犯人であったことが判明。
さらに自分のマネージャーが実兄で「タロット山荘殺人事件」連続殺人事件の犯人であった。
玲香はその事実を知るとショックで雪山を彷徨い、雪崩に巻き込まれるも実兄が身を挺して救い、身代わりに飲み込まれた実兄は死亡する。

佐木 竜二（さき りゅうじ）

CV・ 難波圭一
不動中学3年生、金田一たちの後輩にあたる。
血液型AB型、星座は双子座、身長や体重は公表されていない。

いつもカメラやビデオで事件現場を撮っているカメラオタク。
お調子者で人懐っこく金田一たちと行動を共にすることが多いため、突発的な事件に遭遇すると現場の撮影役を買って出るなど推理に協力している。
原作初期では彼の兄である佐木 竜太（さき りゅうた）が撮影役だったが、「異人館ホテル殺人事件」にて偶然に犯人のトリックを解明する手掛かりを撮影してしまい殺されている。
その後、兄に代わり金田一の役に立ちたいと「金田一少年の殺人」から弟である彼が登場しているため、「佐木2号」と呼ばれることもある。
なお、兄はマンガ版で白装束を着て金田一の夢枕に立ったり、背景に小さく描かれていたりと意外と出番が多い。

代表的な事件

学園七不思議殺人事件

コミックス第4巻、第5巻に収録、全10話。

旧校舎が取り壊されることになった不動高校。
そこに「放課後の魔術師」を名乗る人物から旧校舎を取り壊すなと脅迫状が送られて来る。
学園側は何通も送られて来る脅迫状を無視したが、一部の生徒の間では「放課後の魔術師」という名前や旧校舎は学園の七不思議が昔から噂されている点から不安になっていた。

そんな中、真実を確かめようと金田一の幼馴染、美雪が所属するミステリー研究会の部長である桜樹るい子が金田一に協力を求める。
協力を求められたその夜、桜樹から「面白いものを見せる」との電話で旧校舎に呼び出された金田一と美雪。
しかし、桜樹の姿が見当たらず、用務員と旧校舎を見回った際、学園の七不思議に登場する「あかずの生物室」で奇妙な仮面を被った人物に桜樹が殺されている場面を目撃してしまう。

その後、「あかずの生物室」に乗り込んだ金田一たちだったがそこに桜樹の死体は無く、事件が起こった形跡も無い。
腑に落ちないまま金田一と美雪は家に帰り、翌日再び旧校舎を訪れると「あかずの生物室」とは違った場所で昨日見た光景と同じように殺されていた桜樹が発見される。
その後も桜樹が何故殺されたのか調べていたミステリー研究会のメンバーが次々と「放課後の魔術師」に襲われ、連続殺人事件が起こってしまう。

金田一は鏡を使ったトリックを見破り犯人を見つけ出す。
この事件の犯人「放課後の魔術師」は不動高校の教師である的場勇一郎。
実は不動高校の旧校舎はかつて「高畑製薬」が治験を行っていた場所であり、その事故で死んだ6人の死体が秘密裏に埋められていた。
その時「高畑製薬」の社員であった的場勇一郎は不動高校の教師となり旧校舎の六不思議の噂（死んだ6人になぞらえて）を自ら流し、監視と共に人が近寄らないようにしていた。
しかし、現在の事件から10年前にその事実をひとりの生徒に知られてしまい、もみ合いの内に事故死させてしまう。
6人の死体同様、的場は旧校舎の壁にその死体を隠し怖い噂を足し、七不思議として広めますます人払いをしようとした。
桜樹は偶然にもその10年前に死んだ生徒の死体を見つけ、金田一に連絡したことから殺されてしまい連続殺人事件となってしまった。

金田一たちが通う不動高校が舞台のお話であり、学校の怪談、七不思議をテーマにした内容、事件の完成度は多くの読者にトラウマを与えた。
また、この回に登場する怪人の外見が怖いこと、彼の決め「ジッチャンの名にかけて」 初使用であることもあり人気は高い。
犯人である的場勇一郎は利己的に殺人を犯し、今後出てくる怪人、犯人の仲でも同情要素の少ない人物。
ドラマ版でも第一話が「学園七不思議殺人事件」であったことから覚えている視聴者も多い。

異人館村殺人事件

コミックス第2巻と第3巻に収録、全11話。

金田一のクラスメイト時田若葉が教師の小田切進とラブホテルから出てくる写真が何者かに撮られ、時田は生まれ故郷に連れ戻され許婚と結婚することになった。
金田一は結婚式に招待され美雪と行こうとするが、時田を忘れられない小田切が連れて行って欲しいと懇願し、三人で時田の故郷である青森県・六角村に訪れる。
その村は通称・異人館村と呼ばれており教会を中心にダビデの星の形をしており、六つの洋館が立ち並ぶ不気味な村であった。

村の掟「花嫁は結婚前夜、村の教会で一夜を過ごす」に従い、時田は協会へ一人入っていく。
その数時間後、突如葬式の時にしか鳴らないはずの教会の鐘が鳴り響き金田一たちは教会の扉を開ける。
そこにはウエディングドレスを着た首なし死体が横たわっていた。

この日をきっかけに村の住人が次々と殺されていく。
同時に村の洋館ひとつひとつに身体の一部が欠けたミイラが保管してあることを金田一たちは知ってしまう。
そして、村で見つけた大きな畑が大麻畑だと気付いた金田一は、この村で過去に起こったと言う事件を聞かされる。

村の住人、時田十三の話によると教会に住んでいた牧師が大麻の生産に反対しその他の住民と対立した事があったらしい。
そして住民達は業を煮やし牧師の家族、妻子を含め7人を閉じ込め教会に火をつけ殺してしまった。
しかし、焼け跡から見つかった七人の死体はそれぞれ身体の一部が欠けており、恐怖を感じた住民達はそれぞれその遺体を持ち帰り各々の屋敷に隠した。
7つ目のミイラを見た金田一は、6人の死体でもパーツを並べ替えることで身体の一部が欠損したように見える7つのミイラを作れると推理した。
つまり、教会から生き延びた人間が居ることがわかり、それが真犯人であることを暴いた。

犯人は高校教師であった小田切進。
実は教会から生き延びた六星詩織の息子・六星竜一であり、自分の家族を殺した村の住人に復習するよう小田切を殺人マシーンとして幼い頃から教育していた。
その後、六星竜一は本物の小田切進を殺し、時田が居る不動高校へ教師として侵入した。
時田が故郷に返される原因となったラブホテルから出てくる写真も六星竜一の自作自演であった。
六星は金田一を銃で撃ち逃げようとしたが、村の住人である風祭淳也が六星詩織を逃がした人物であり自分の父親であることを知り動揺、風祭は六星を射殺し自らも命を絶った。

金田一の事件の中でも屈指の不気味さと死人を出した恐怖の事件。
なお、本作では名言されていないが六星は本当に時田を愛していたと取れる描写がある。

金田一少年の殺人

コミックス12～14巻に収録、全14話。

金田一は知り合いのフリーライターいつきの頼みで人気作家・橘五柳の誕生日パーティーに出席する。
橘は次回作の出版権をかけて暗号ゲームを企画しており、その原稿を回収するために金田一を連れてきたのであった。
橘はノンフィクション作家であり、次回作はある犯罪とそれに関わった人物が実名で登場すると言うショッキングな内容だと言う。
金田一は橘の出した暗号をいともたやすく解決するが、一緒に来た美雪にちょっかいを出す橘が気に入らずパーティの席でズラであることを露見させ怒らせてしまった。
橘は腹を立て、暗号を解いてもいつきには原稿を渡さないと言い放つ。
ライターでありなんとしても次回作の原稿が欲しいいつきは、パーティ後金田一に橘へ謝る様うながし、部屋に行かせた。
帰りの遅い金田一を心配し、みんなが橘の部屋へ様子を見に行くと、そこには後頭部を殴られ死亡している橘と凶器を手にした金田一が立っていた。

金田一は警察に連行されるが、このままでは犯人の思うツボだと悟り脱走し、真犯人を自分で捕まえる決意をする。
警察に追われながらもいつき、美雪、佐木兄弟の力を借り橘の残した暗号を頼りに関係者に話を聞きに行っていた。
しかし金田一が話を聞いた関係者は次々と殺害され、金田一への疑いはますます強まっていく。

何とかトリック、真犯人、次回作の場所まで突き止めた金田一だったが明智警視の登場によりピンチに立たされてしまう。
そして明智警視に左胸を拳銃で撃たれた金田一は救急車で運ばれてしまう。

誰もが容疑者死亡で終わったと思った事件だったが、金田一は直前に明智へ「空砲で撃て」と暗号を残しており真犯人をおびき寄せるための演技を行った。
そして真犯人は次回作が隠してある「大時計」に手をかけたところ、既に来ていた金田一に正体を暴かれる。

真犯人はテレビディレクターの都築哲雄。
犯行の動機は重度の腎障害を患った幼い娘、瑞穂のためだった。
都築は娘の為にドナーとして肝臓を提供したが病院側のミスで手術は失敗してしまい、1万人に1人といわれる肝臓のドナーを待つこととなってしまう。
その間も瑞穂は幼いながら苦しい治療を重ねており、妻もなくした都築は仕方なく臓器密輸に手を出してしまった、それを橘が次回作のネタにしてしまう。
都築は娘の為に仕方なく、と橘を説得しに言ったが事情も知らず自分を社会悪と決め付ける橘を衝動的に殺してしまう、そこに金田一が現れ罪をきせたのだった。
トリックも見破られた都築は残った肝臓を娘に移植して欲しいと自らをナイフで刺し自害してしまった。
その後、娘・瑞穂は肝臓移植が成功し、いつきにひきとられ幸せに暮らしている。

普段、探偵役である主人公が犯人にされるというショッキングな内容と、今まで味方だった警察にも追われるという逃走劇な展開が読者に衝撃を与えた。

魔犬の森の殺人

金田一少年の事件簿 CASE1 魔犬の森の殺人に収録、全10話。

金田一と友達は山でキノコ狩りをしていたが、アクシデントにより泊まる場所がなくなってしまい彷徨い歩いていたが偶然にも廃墟を見つける。
そこは廃棄された研究所であり、大学生サークルが合宿を行っていた。
事情を話し、金田一たちもその研究所に泊まることになったが、翌朝大学生のひとりが喉を食い破られた姿で発見され、研究所も狂犬病と思われる野犬たちに囲まれてしまっていた。
その研究所に大きな爪あとと「ケルベロス」と書かれたプレートがひしゃげた檻にぶら下がっている場所を見つけたが、金田一はこれが殺人事件だと見抜き捜査を始める。

その後も大学生サークルの面々が「ケルベロス」らしき人物に殺害されていく。金田一の友達も狂犬病と思われる野犬に噛まれたりと徐々にパニック状態に陥ってしまう。
しかし3人目が死体で見つかったとき、果物を使ったダイイングメッセージにより金田一は犯人を導き出した。

真犯人は金田一の友達で、キノコ狩りにも一緒に来ていた千家貴司。
千家は犬笛でたくみに犬達を操り、狂犬病に見せかける演技（狂犬病の犬は水を怖がる、など）をさせ犯行を重ねていた。
動機は被害者となった大学生達に恋人を殺されたため。
千家はある日、傷付いた犬を助けたドックトレーナー水沢利緒に出会い心優しい彼女に一目惚れをする。
そして2人は仲良くなり千家は水沢に告白をしたが、利緒はあと半年しか生きられない病にかかっており悲しみながら千家を拒絶する。
しかし、その半年でも彼女を愛するという千家の熱意に押され、利緒は前向きに告白を受け取った。
だが、半年を待たず利緒は突然死んでしまう。
彼女の死に納得がいかなかった千家は病院を調べ、四人の大学生が関わっていることを知った。
なんと当時医師免許を持っていなかった大学生の医療行為で利緒は様態が急変し、亡くなってしまったのだ。そしてその大学生の一人が病院の院長であり彼女の死は病死になっていた。
最後は金田一の説得と犬達の気持ちに動かされ敗北を認めた。

金田一の友達が被害者になる物語はいくらでもあったが、初期から登場していたキャラクターが犯人だったという衝撃的な話。
さすがの金田一も事件後のエピローグではやりきれない表情になっていた。