左利きのベースプレイヤー ポールマッカートニーの「仕事」

今やサーの称号を持つ Paul McCartney。2015年にはビートルズ時代から約50年ぶりに武道館ライブを実現させました。
その長い音楽人生の間に数多くのことを成し遂げてきたポール。彼の仕事を振り返ってみます。

ビートルズ時代 1962年〜1970年

1957年夏、まだ学生だったジョン・レノン(JOHN LENNON)とポール・マッカートニーが出会った時に、伝説は始まりました。
1962年に「THE BEATLES」として正式デビュー。
メンバーはジョンとポールとジョージ・ハリソン(GEORGE HARRISON)、リンゴ・スター(RINGO STARR)の4人。
ほどなくして「ビートルマニア」と呼ばれる熱狂的なファンに日々追いかけられる超売れっ子バンドになった彼らは、1970年の解散までの約8年間を炎のように駆け抜けました。

(画像左からポール、リンゴ、ジョン、ジョージ)

ビートルズが歌い演奏した作品は、その全てがメンバー自身によって作られていました。(※カバー曲を除く)
ジョン&ポールのコンビで作詞作曲されたものが大部分になります。
そしてビートルズ時代のポールがメインで担当していた楽器はベースギターとキーボード。
中〜後期には当時としては大変革新的なベースプレイを聞かせています。

代表的な作品がこれ。「TAXMAN」

「GETTING BETTER」のベースプレイも素晴らしい。

通称「ホワイトアルバム」と呼ばれる2枚組アルバム「THE BEATLES」の中には、ほぼ一曲を一人で仕上げた「MOTHER NATURE'S SON」という曲もあります。これはソロになってからの音楽性の方向をそれとなく指し示しているように思われます。

ビートルズ解散直後

1970年の解散後、すぐに発売したオリジナル・アルバム『マッカートニー』は、賛否両論を呼びましたが、シンプルで美しい作品群はポールならではのもので、ヒットチャート(ビルボード、キャッシュボックス)でトップになりました。

中でも秀逸なのはこの曲「恋することのもどかしさ」(Maybe I'm Amazed)

WINGS 時代 1971年〜1981年

1971年、ポールはウイングスを結成します。
メンバーは妻のリンダ(音楽の経験が乏しかったが、キーボードや歌で参加)の他、メンバーの入れ替わりは激しかったようです。
それでもウイングスでは数々のヒット曲が生まれました。

「ジェット」多分これはかなり有名なヒット曲でしょう。

邦題「しあわせの予感」。
メロディメーカー、ポールの本領発揮。ロマンティックです。

1980年にはビートルズ解散後初めての来日をしますが、この時はマリファナの不法所持で入国してすぐに当局に逮捕され、コンサートは中止に。
ウイングスも翌年には解散となりました。

そして1980年12月、ジョン・レノンが射殺されるという事件が起こりました。
ポールは大変なショックを受けてしばらくは引きこもり状態になったそうです。

1980年代

その後1980年代は、マイケル・ジャクソン、スティービー・ワンダーら大物ミュージシャンとデュエットをしたり、1984年には自らが脚本・音楽を手がけ、主演した初の映画作品「ヤァ!ブロードストリート」を制作。
しかし興行的にはあまり成功しませんでした

1990年代

初めての単独日本公演

1990年3月に、ようやく日本公演が実現。筆者も数日間行われたコンサートの中1日を、東京ドームに足を運んで、ポールとリンダが一緒にステージに立って歌うのをこの目でみることができました。

1990年代に入ると、ポールの活動はロックという範疇を超えていきます。

ロイヤル・リバプール・フィルハーモニー管弦楽団創立150周年を記念したポール初のクラシック作品「リバプール・オラトリオ」が90年代前半に上演されました。

アンソロジー・プロジェクト

更に1994年、ビートルズの歴史を振り返る大掛かりなプロジェクトが始動。
これは「アンソロジー・プロジェクト」と呼ばれ、何と「新曲」が発表されました。
これは生前ジョンが残したデモ・テープに手を加え、それにポール、ジョージ、リンゴそれぞれの歌と演奏を重ねて完成させるという、前代未聞の試みでした。

それがこの曲「FREE AS A BIRD」です。

まさか解散から25年もたって、再び「新曲」が聞けるとは思いませんでした。

1998年リンダ死去。ポールはかけがえのない人を失いました。
リンダとの間に生まれた次女ステラは現在「ステラ・マッカートニー」ブランドのトップとして有名になっています。

2000年代以降〜

2000年10月には『THE BEATLES アンソロジー(豪華大型本)』発売。

ビートルズのメンバー一人一人の生い立ちから、解散までありとあらゆる情報、画像を駆使して一冊の中にぎっしり閉じ込めた、バイブル的な本です。
ちなみに当時相当無理をして筆者もこれを購入しました。とにかく情報量が多いです。

matsurika
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