インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜(Imprint)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

2006年に公開されたホラー映画。原作は岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』。アメリカ人新聞記者のクリスが、全体が遊郭となった島へ結婚の約束をしていた女性を探しに訪れ、そこで女性の死を知る。その死の真相を、女郎から語られる。「日本だけど日本じゃない」異国を思わせる色彩と演出、そして登場人物全員が英語を話しているのが特徴。三池崇史監督のアメリカ資本での映画制作デビュー作品。

寄生する姉の造形

そしてラストの「寄生している姉」の存在が分かるシーンでは、ただのゴシック・ホラーではなく、近年の異形モノホラーのテイストも感じることができる。
手のひら状の寄生部分に目と口だけの姉は、造形的にキモかわいいという部類に入るのだろうが、その愛らしさがまた恐怖をそそる。

原作との違い

大きな違い

原作では外国人は登場せず、女郎と一晩を共にした日本人の男性が寝物語を求める設定になっている。
また、原作は地の文以外全て岡山弁で語られているため、より土着的なホラー要素が強い。

拷問シーン

折檻(拷問)シーンも、原作では数行でおさまるごく短い描写なのに対し、画面映えを優先してかかなりの長時間続いており、内容もより酷いものになっている。

結末部分の違い

小説では最初に「目に見えない何かが私の顔を左側から吊り上げているようだ」という女郎自身の語りが入るがそれがなく、映画では伏線のない状態でラストへ進む。
映画の方は「聞き手(クリストファー)」と「語り手(女郎)」の関係が「怯えて女郎を殺すもの」と「クリスの愛した女を殺したもの」とよりわかりやすい結末になっている。
原作ではそういった描写はなく、女郎が寝物語に話して居た過去の話を聞いた旦那さんに、寄生している姉が惚れてしまうという「ぞっとする」ホラーとなっているが、映画はて聞き手の存在(クリス)をフィーチャーしたことにより、ラストにクリストファーが牢獄に収監されるのがメインとなっていて、よりダイレクトな「人間だけれど人間ではないものに遭遇した」「愛するものを殺された」「理不尽な存在をみた」という恐怖となっている。

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