思わず涙!国語の教科書に掲載された悲しい物語まとめ【ごんぎつね、ちいちゃんのかげおくりほか】
学校の授業で必ず触れる「国語の教科書」。その中には思わず涙を流してしまうような悲しい話が、沢山ちりばめられている。戦争の悲惨さや、動物と人間の交流の果ての悲劇。当時では理解できなかったことも大人になって改めて振り返ると、心に突き刺さるような悲しみが伝わってくる名作も多いのだ。本記事では国語の教科書に掲載されていた「悲しい話」を、厳選して紹介する。
小学生向けの道徳ものなら謝ったら許してもらえて「これからもずっと友達だ」みたいな感じになるんでしょうけど、「少年の日の思い出」はそんなに生易しくない。
謝っても許してもらえない。怒鳴られるよりも殴られるよりも、冷めた目で軽蔑されることにダメージを受ける。
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『ちいちゃんのかげおくり』
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影おくりというのは、よく晴れた日に自分の影をじっと見つめて(10秒ぐらい)空を見上げると、空に自分の形が白い影として映って見える現象です。
〈あらすじ〉
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お父さんがお墓参りの帰り道に「かげおくり」という遊びを教えてくれました。「かげおくり」をためしてみると、手をつないだお父さんとお母さん、お兄ちゃん、そしてちいちゃんの4人の白い影が、青空にうかびました。
次の日、お父さんは戦争へ出征しました。それから戦はどんどん激しくなりました。ある夏の初めの夜、空襲警報のサイレンが鳴り、お母さんはお兄ちゃんとちいちゃんをつれて家を飛び出しました。でもちいちゃんは、途中で人ごみの中、お母さん達とはぐれてしまいます…。
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ちいちゃんは、爆撃がやんだ後、家だった場所に戻りますがお母さんとお兄ちゃんは現れません。そこでちいちゃんは幾日も幾日もお父さんお母さんお兄ちゃんを待ちます。待ち続けたある日、空高く太陽が上がった青い空にちいちゃんは一人影おくりをしようとします。すると、「みんなでやってみましょうよ」という、お父さんお母さんお兄ちゃんの声がどこからともなく聞こえてきて、一緒に数を数えます。そしてちいちゃんが空を見上げると4人分の白い影が空に映り、ちいちゃんの体はそらっへと吸い込まれていきました。
〈感想〉
空襲で離ればなれになった後ちいちゃんは家の有った場所に帰って来て、知り合いのおばさん?に『みんなここに帰ってくるの』『じゃあ大丈夫ね』って行ってしまう‥
空にのぼったちいちゃん、『私お腹空きすぎて飛んでるのね』→『みんなここにいたのね!』
今読みなおすと辛い。・゚・(ノД`)・゚・。
あの時代、何千何万もの、こんな悲しい話が有ったんだと思うと胸が詰まって言葉にならない。これからの未来を生きて行く幼い子供達には、どんなことがあっても、こんな辛い思いをさせてはならないと強く思う。
話の締めくくりとして、「それから何十年もたって、町には家がいっぱい建って、子供たちがわらいごえをあげてあそんでいます。」とあります。人々は幸せになったのでしょうか。幸せになって欲しいという願いがここにはあるのでしょうね。
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『おとなになれなかった弟たちに……』
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〈あらすじ〉
太平洋戦争末期、主人公「僕」の家族は母・祖母・妹・弟の五人暮らし。戦場に借り出された父に代わって一家を切り盛りする懸命な母の姿を見て、「僕」は防空壕を掘るのも必死に手伝い、生まれたばかりの弟・ヒロユキを可愛がり面倒もよく見ます。
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しかし、自分が食べるのも我慢して子ども達に食べさせていた母のお乳が出なくなりました。配給されたたった一缶のミルクはヒロユキの大切な食べ物でしたが、アメもお菓子も何もなかった戦時中のこと、どんなに悪いことか分かっていながらも「僕」は甘い甘いミルクを何度も盗み飲みしてしまいます。
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空襲がひどくなって疎開した先でも、食べ物に困った母は自分の着物を近所の農家でお米に交換してもらってきましたが、とうとう母の着物もなくなってしまいます。そんな中、ヒロユキは栄養失調で死んでしまいました。それでも泣かなかった気丈な母でしたが、用意してもらっていた棺が小さすぎて棺に入らなかったことでヒロユキの成長を知り、母は、「大きくなっていたんだね」と言いながらヒロユキの膝を曲げて棺に収め、その時初めて泣きました。
〈感想〉
つらいね。今の生活がどんなに幸せなことか。少しのことで人と比べたり、妬んだり。本当に戦争って今の私たちには現実味がなさすぎて架空のことのようにさえ感じてしまう。もっと勉強しないといけないな。
この本を読む時、いつも胸がキリキリする。大声で泣き叫びたい衝動に駆られる。作者の心を表すような無彩色の悲しい絵も、このお話の悲惨さを一層際立たせている…。痩せてガリガリの身体の少年が、弟をおんぶして、泣きながら配給のミルクを飲む絵は、悲しくて見ていられない。