思わず涙!国語の教科書に掲載された悲しい物語まとめ【ごんぎつね、ちいちゃんのかげおくりほか】

学校の授業で必ず触れる「国語の教科書」。その中には思わず涙を流してしまうような悲しい話が、沢山ちりばめられている。戦争の悲惨さや、動物と人間の交流の果ての悲劇。当時では理解できなかったことも大人になって改めて振り返ると、心に突き刺さるような悲しみが伝わってくる名作も多いのだ。本記事では国語の教科書に掲載されていた「悲しい話」を、厳選して紹介する。

『ごんぎつね』

『ごんぎつね』(小四)

作・新美南吉

〈あらすじ〉

いたずら好きなきつねのごんは、ある日兵十が病気の母親のために用意したウナギをわざと逃がしてしまいます。ところが、その後母を失って落ち込む兵十を見てごんは反省、償いのために魚や栗を兵十の家に届けはじめます。
しかし、そうとは知らない兵十はごんがまたいたずらをしにきたのだと勘違いし、ごんを火縄銃で撃ってしまいます。そこではじめてごんが食べ物を運んでくれていたことに気付きました。

出典: girlschannel.net

〈感想〉

生命の存在は悲しく、そして、ときに心が伝わる前に取り返しのつかないことが起きてしまうという人間社会の性(さが)を見つめていますが、それでも作者が生命を純粋に見つめている「まなざし」を感じました。

出典: www5b.biglobe.ne.jp

『一つの花』

出典: www.amazon.co.jp

『一つの花』(小四)

作・今西祐行

〈あらすじ〉

ゆみこちゃんは、まだ片言しかお話できない小さい女の子です。
おとうさんとおかあさんと一緒に暮らしていましたが、小さいゆみこちゃんの口癖は、「一つだけ」「一つだけちょうだい」でした。食事やおやつなど、ゆみこちゃんが欲しがっても、おかあさんは十分に与えることができません。
それでも、おかあさんは、「一つだけね」と自分の分をゆみこちゃんに分けてあげるので、いつのまにか、「一つだけ」という言葉がゆみこちゃんの口癖になってしまいました。

出典: blog.goo.ne.jp

敗戦色が強くなっていったある日、とうとう、体の弱いおとうさんにも赤紙がきました。おかあさんとゆみこちゃんも、出征するおとうさんのお見送りに行きました。おかあさんは、貴重品のお米をたいておにぎりを作りましたが駅につくまでに、ゆみこちゃんは、「ひとつだけ」と何度も欲しがって皆食べてしまいました。

出典: himi-e.esnet.ed.jp

いよいよ、おとうさんとのお別れの時間が迫ってきたときに、ゆみこちゃんはまた、「ひとつだけちょうだい。おじぎりひとつだけちょうだい。」とぐずります。おかあさんは、すっかり困り果てていましたが、おとうさんは、ポツンと咲いていたコスモスの花をゆみこちゃんに持たせ、「ひとつだけのお花、大事にするんだよ」という言葉を最後に汽車に乗り込み、そのまま帰らぬ人になりました。

10年後、ゆみこちゃんは、おかあさんと2人で暮しています。
お料理もできるようになりました。
二人の家の小さな庭には、コスモスの花がいっぱいさいています。

〈感想〉

戦争で爆弾が落ちるようなシーンが出てくるわけではないけれど、
戦争のやるせなさ、戦争はいけないというメッセージが
ひしひしと伝わってくるおはなしです。

出典: www.ehonnavi.net

『少年の日の思い出』

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『少年の日の思い出』(中二)

ドイツの作家、ヘルマン・ヘッセ作

1947年に高橋健二訳が、日本の国定教科書に掲載された。それ以来、現在まで60年間以上も検定(国定)教科書に掲載され続けている。このヘッセの作品は、日本で最も多くの人々に読まれた外国の文学作品と言える。

〈あらすじ〉

主人公は少年のころ、蝶の採集に熱中していました。
ある日、珍しい蝶を捕まえます。
いつもは妹にしか見せませんでしたが、あまりにも珍しい蝶だったので、隣に住むあらゆる面で優等生だが嫌な奴であるエーミールに見せました。

エーミールは蝶の価値は認めたが、ダメなところを重箱の隅をつつくように列挙して、結局は二束三文の値打ちしかない事を明かし、主人公のせっかくの気持ちが冷めてしまいます。 またある日のこと。エーミールが、とても珍しい蝶を手に入れたと噂になりました。蝶収集の熱に浮かされていた主人公は、蝶が見たくてエーミールを訪ねますが、彼は留守でした。

どうしても一目みたいと思った主人公は、部屋へ勝手に忍び込んでしまいます。標本の蝶は素晴らしいもので、主人公はつい魔が差して盗み出しました。しかし途中で心変わりをして蝶を元に戻します。けれど雑に扱ったため、蝶はバラバラになってしまいました。
一度は逃げ出しますが、母親に促されてエーミールのところへ行き、正直に話して許してもらおうとします。彼は許しませんでしたが、怒りもしませんでした。ただ冷ややかな侮蔑の目で「そうかそうか。つまり君はそういう奴だったんだな」といいました。
最後に主人公は、自分の蝶の標本を一つ一つ指で潰していきます。

〈感想〉

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