思わず涙!国語の教科書に掲載された悲しい物語まとめ【ごんぎつね、ちいちゃんのかげおくりほか】
学校の授業で必ず触れる「国語の教科書」。その中には思わず涙を流してしまうような悲しい話が、沢山ちりばめられている。戦争の悲惨さや、動物と人間の交流の果ての悲劇。当時では理解できなかったことも大人になって改めて振り返ると、心に突き刺さるような悲しみが伝わってくる名作も多いのだ。本記事では国語の教科書に掲載されていた「悲しい話」を、厳選して紹介する。
モンゴルの民話。モンゴルの伝統楽器「モリンホール(馬頭琴)」の由来にまつわる物語。「スーホーの白い馬」とも呼ばれる。
〈あらすじ〉
ある日、遊牧民の少年スーホは帰り道で倒れてもがいていた白い子馬を拾い、その子馬を大切に育てます。それから数年後、領主が自分の娘の結婚相手を探すため競馬大会を開きました。スーホは立派に成長した白い馬に乗り、見事競馬大会で優勝します。
しかし、領主は貧しいスーホを娘とは結婚させず、スーホに銀貨を三枚渡し、さらには白い馬を自分に渡すよう命令しました。スーホはその命令を拒否し、領主の家来達に暴行され白い馬を奪われます。命からがら家へ辿り着くが、白い馬を奪われた悲しみは消えませんでした。
その頃、白い馬は領主が宴会をしている隙を突いて逃げ出しましたが、逃げ出した際に領主の家来達が放った矢に体中を射られていた為、スーホの元に戻った時には瀕死の状態でした。看病むなしく白い馬は次の日に死んでしまいます。
スーホは幾晩も眠れずにいましたが、ある晩ようやく眠りにつき、夢の中で白馬をみます。白馬は自分の死体を使って楽器を作るようにスーホに言い残しました。そうして出来たのがモリンホール(馬頭琴)でした。
〈感想〉
ハッピーエンドではないけれど、これはこれで幸せだと思う。
馬頭琴にまつわるお話を書いた絵本。なんとなく悲しげな馬頭琴の音色の理由がわかった気がします。
4歳の時あまり理解ができていなかった息子が小学校に入り感動して泣いていました。やっと本当の意味で理解ができたんだと思います。心にぐさっとくるものがあるようで、しばらくはこのお話のことばかり頭にあるようでした。それくらい心に残る名作です。
出典: www.ehonnavi.net
『夏の葬列』
〈あらすじ〉
夏の真昼、主人公の少年は友人のヒロ子さんと芋畑を渡る葬列を見つけます。「おまんじゅうがもらえるかもしれない」と葬列を追いかけていたところへ艦載機がやってきました。
狙われるから走ってはいけないという大人の声はヒロ子さんの耳に入らず、彼のそばへ走り寄って防空壕へ逃げようといいますが、彼は「むこうへ行け」と嫌がります。ヒロ子さんは真っ白な服を着ていたからです。白い服は絶好の標的でした。
彼女がそばに居ると自分も銃撃されて死んでしまうと思った彼は、ヒロ子さんを突きとばします。同時に強烈な衝撃を感じ、轟音とともに芋の葉が空に舞いあがりました。白い服を血に染めたヒロ子さんは病院へ運ばれます。
銃撃に晒された彼女のその後を聞くことなく、彼は町を去りました。終戦の前日のことです。
長じて後もあの夏の記憶に囚われていた彼は、全てを忘れるために再びその町に降り立ちました。
そこで彼はまたしても葬列を目撃します。棺の上の写真を見て彼は歓喜しました。それはあの頃の面影も色濃い、30歳近くなったヒロ子さんの写真だったのです。
「おれは人殺しではなかったのだ」
十数年の悪夢から解き放たれ、有頂天になった彼は、葬列の後を追う少年に彼女の死因を問いました。
「一昨日自殺したんだよ」
「戦争でね、一人きりの女の子がこの畑で機銃で撃たれて死んじゃって、それからずっと気が違っちゃってたんだ」
葬列はヒロ子さんの母親のものだったのです。昔の写真しかなく、それを使っていたのでした。
〈感想〉
夏の葬列 これ今まで読んだ本で一番鬱だわ… 爽快に気持ち悪い
— ke (@kemeroppihotmai) 2013.11.30 18:48
短い話なのにがっちりと心を掴んで揺さぶりをかけてくる。文章がつむぎだす情景や心中の陰りを感じ、後味悪く残り続ける。底知れぬ絶望というわけではないが寂寥感、孤独感、物憂さなどで満ちる。
読んだ後、心になんというか嫌なものが残る作品が多い印象。でもそれが魅力なんだろうな