目指すは世界一の独裁者!? 『トロピコ』シリーズ作品まとめ
大統領(プレジデンテ)として南の島を統治するシミュレーションゲーム、『トロピコ』のシリーズ作品まとめ。シミュレーターとして使えそうなほど作りこまれた初代トロピコから、最新作『トロピコ5』まで、各タイトルの特徴や特色をまとめています。
『トロピコ』シリーズ作品まとめ
『トロピコ 完全日本語版』
「南の島で独裁者になろう!」という、トロピコシリーズの記念すべき第一作。プレイヤーはカリブ海に浮かぶ島のプレジデンテ(大統領)となり、島内の人口や収入・支出を始め、島民幸福度、犯罪率、政治勢力を操作して島を統治する、都市育成ゲームです。
特筆すべきはシステム面がかなり精巧に作られているという所です。収入・支出など上記に挙げたような要素がすべてグラフ化されており、西暦何年に島内の環境がどう変化したかがハッキリと分かります。島民1人1人の動きもリアルな上、1人1人に政治的思想や重視する欲求が設定されています。
そして、どんな政治体制も1から作り出せるほど自由度が高い!
軍事施設を増設して軍事独裁を行ったり、経済力を強化して資本主義国家を作ったり、育った経済力を下地にして社会主義国家を作ったり……。提示された選択肢から選ぶのではなく、すべて自分の行動で政治体制を作り出せます。「選挙での票の不正」、「対立候補を投獄、暗殺」、「自分の個人口座に国庫金を移動して私腹を肥やす」といった選択も可能です。支持率の低い派閥のリーダーにワイロを送るといった裏の手も使えるなど、とにかく自由度の高さが凄い。もはやゲームというより政治・内政シミュレーターといって良いほどです。
もちろんゲームとしても面白いです。作りこまれたシステムによるゲーム性はもちろんですが、ゲーム内のテキストもブラックジョーク混じりなので、単なる情報ではなく読み物としての楽しさすらあります。住民はリアルタイムで島内を歩き回り、朝は住居から仕事場に向かい、お腹が減ったらレストランへ行き、祈りたくなったら教会に行き、疲れたら住居に帰る……こうした動きが島中で描かれるため、本当に現実世界で島内統治をしている気分になります。
後にXbox版が発売されるまで知名度が低かったのですが、その作りこまれたゲーム性から熱狂的なファンを獲得しました。
『トロピコ2 〜海賊の島〜』(原題:Tropico 2:Pirate Cove)
トロピコシリーズ2作目は海賊島経営ゲームです。一応シリーズの1つですが、ゲーム性は前作とは全く異なります。
本作はプレジデンテ(大統領)ではなく"海賊王"になり、カリブの海賊達のトップとして略奪の限りを尽くすというものです。悪名高いカリブの海賊どもを略奪に送り出し、さらってきた捕虜達をこきつかい、自らの地位を不動のものにすることがゲームの目的。
本作の特徴は「欲しいモノはとにかく奪え!」という点です。島の労働力は”捕虜”が担うのですが、これは他の島の住民を誘拐して手に入れます。島内の規模が大きくなって多くの労働力が必要になったら、より多くの捕虜をさらうのみ。人口は放っておいても増えないので、人手が足りなきゃ奪ってくるしかありません。ゲームが進むと特殊な建物を作れますが、そこを動かすには熟練した労働者が必要です。かといって『トロピコ2』に労働者の育成はありません。ならばどうするか? その答えはもちろん、「誘拐してくる」のみです。島の経済にしても、自活できるまでは他の商船を襲って略奪しなければなりません。
このように、「欲しいものは海賊を使って奪う」が『トロピコ2』の基本スタイルです。前作の「島の統治をしつつダーティな手を使う背徳感」から一転、本作は「人も金も奪って手に入れるどストレートな悪徳感」を追求したゲーム性となっています。
『トロピコ3』(原題:Tropico3)
Xbox360で発売された3作目。『2』は意欲作(異色作)でしたが、本作『トロピコ3』は初代トロピコのゲーム性に戻りました。
当時の最新ハードであったXbox360の性能を生かし、グラフィックが最高に綺麗になりました。建物の書き込みはよりリアルになり、窓ガラスに反射した景色が見えるほどです。植物の葉が風に揺らぐ様子もリアルでさらに細かいグラフィックになっています。
キャンペーンモードでは15のミッションがある他、フリーモードでは資源や島内環境、プレジデンテのカスタマイズの広さなど、何度でもやりたくなるほど中毒性が高いです。
さらにラジオでは政府に好意的だったフアニートに加え、プレジデンテに対する反政府運動を指導しているベティ・ブーム(Betty Boom)なる女性の放送も加わった。
出典: ja.wikipedia.org
『トロピコ4』(原題:Tropico4)
前作のトロピコ3に改良や追加要素を加えた作品です。『4』と銘打っているものの、システムや攻略法は3と同様なのでパワーアップキットやアペンドディスクに近いといえます。
本作では島が発展したあたりじゃないと立てられない高価な建築物が追加されています。兵器工場、科学アカデミー、会議所、ジェットコースター(娯楽)など。これによりある程度島が育った後もさらに島内を充実させる事が出来ます。資源の『輸入』も可能になり、食料や枯渇した鉱物資源などを再び手に入れられるようになりました。
一番大きな改良点が、『タスクシステムの追加』です。前作では島に何を建てるか、どんな事をするかを自分で判断しなければなりませんでしたが、『4』ではミッションのような形式で課題が提示されます。このタスクをクリアすることにより、島内にいる派閥や諸外国から賞賛を得られるなど、ゲームプレイに有利な報酬が手に入ります。さらに、タスクは「現在の島に足りないもの」が課題として出てくるので、タスクをこなしていけば初心者でも問題なくプレイ出来ます。トロピコは慣れないうちは難しく、幸福度を挙げるための道筋が見えないという問題点もあります。遊べばすぐに慣れるのですが、タスク追加のおかげでトロピコ初心者がよりゲームに慣れやすくなったでしょう。
英語版の画面ですが、画面右下がタスクです。