ハッピーボイス・キラー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ハッピーボイス・キラー』(原題:The Voices)は、2014年公開のアメリカ映画。自分以外の誰にも聞こえない「声」に翻弄され、次々と殺人を犯してしまう青年の運命を、ポップでブラックなタッチで描いたホラーサスペンスコメディ。精神疾患を抱える男という難しい役どころをライアン・レイノルズが演じ、アナ・ケンドリックら豪華キャストが脇を固める。幻聴や遺体損壊といった重いテーマを、美しい映像と緻密なセットで、コミカルに昇華する手腕が高く評価された作品。

目次 - Contents

デイヴ(演:サム・スプルエル)

画像奥の男性がデイヴ

ジェリーたちの同僚。同時期に発生した女性従業員の失踪とジェリーの関与を疑い、アリーやジョンと協力して調査していた。

『ハッピーボイス・キラー』の用語

ミルトン水周り設備社

ジェリーたちの職場で、バスタブなどの水回り設備を製造、出荷している会社。ジェリーは出荷部、フィオナやリサ、アリーらは経理部に配属されている。

生首

ジェリーの自宅の冷蔵庫に保管されていた、女性たちの頭部。第一の被害者であるフィオナの生首の声を聞いたと思い込んだジェリーは、さらなる犯行を重ねることになってしまう。

『ハッピーボイス・キラー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

首だけのフィオナと会話するシーン

殺害したフィオナを自宅で解体し、頭部だけは冷蔵庫に収納したジェリー。ここまででも存分に異常性にあふれているが、これだけでは終わらない。彼はフィオナの首が話しかける声を聞き、彼女としっかり会話までして、更には食事を与えることまでしてしまうのである。「やってくれたわね」という恨み節から始まったフィオナの話だが、あろうことか彼女は「友達が欲しい」という要求までしてくる。結局、すべてはジェリーの妄想だった、ということで収束していくのだが、冷蔵庫という日常的な家電の中に、喋る生首という異常なアイテムが入っているという絵面は、美しい映像も相俟って相当に恐ろしい。

『ハッピーボイス・キラー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

犬やネコなどすべての声を担当した主演のライアン・レイノルズ

この画像に集まった登場人物(と動物)すべて、ライアン・レイノルズが一人で演じている

本作で主人公のジェリー・ヒックファンを演じていたライアン・レイノルズは、作中に登場する犬やネコ、シカといった動物たちや、バニー・モンキーといったキャラクター、さらに被害にあった女性の生首まで、すべて一人で声を担当した。
レイノルズは、きちんと登場する生き物ごとに特色もつけて演じ分けており、特にペットの猫のMr.ウィスカーズに関しては、現地出身の友人を参考にして、スコットランド訛りで演じていたという。
さらに、英語版でこの映画を観ていると、ジェリーがフィオナを殺害し、彼女の頭を冷蔵庫に保管しているシーンでは、フィオナのセリフが上流階級風のイギリス英語に変わっていることがわかるのだという。これは、ジェリーが彼女を理想化し、幻想的な存在として扱っていることを示している。
細かな部分にまで気を配り、こだわりをちりばめて作られた本作は、優れたホラー・コメディ作品としてファンに愛され続けている。

keeper
keeper
@keeper

目次 - Contents