海外のエレクトロシューゲイザーのユニット10選
2000年前半、My Bloody Valentine(マイブラ)のホワイトノイズを待ちわびたファン達が追いかけていたのは、ポストロックやエレクトロニカのアーティスト達だった。シューゲイザーファンには救いの神に見えた、エレクトロニカ系のシューゲイザーともいえるアーティストを10ユニット紹介する。
2002年、ドイツはベルリンのエレクトロニカレーベル「Morr Music」から、シューゲイザーバンドとしてMy Bloody Valentineと2大巨頭とも言われるSlowdiveのカバーコンピ「Blue Skied An´ Clear Slowdive Cover Compilation」がリリースされた。それまではどちらかというと、過剰にメランコリックでギターのエフェクトだけに頼った音楽スタイルであるかのように揶揄した表現であったシューゲイザーを肯定的にとらえた転換点としての作品だ。これを機に北欧アーティストたちが一斉にシューゲイザーを見直し始め、エレクトロニカシーンは一気にホワイトノイズで溢れかえった。
M83(エム・エイティースリー)
フランスのミュージシャン、アンソニー・ゴンザレスによるソロプロジェクト。 チリチリとしたグリッチノイズを混ぜつつもシンセ音+空間系を多用した音楽はエレクトロニカやシューゲイザーに分類される。スミスなどニューウェイブのメランコリックさを持ち合わせたフランスらしいバンドだ。
The Radio Dept.(ザ・レディオ・デプト)
スウェーデンのインディーズバンド。 スウェーディッシュポップでお馴染みラブラドールレコード(ACID HOUSE KINGSや、Club8が所属するレーベル)所属。しかしそのメランコリックなシンセ使いとエフェクトからエレクトロニカ系シューゲイザーとして呼び声高い。こちらもM83と同じくニューウェイブっぽさがある。
Ulrich Schnauss(ウルリッヒ・シュナウス)
ドイツ出身ロンドン在住のクリエイター、ウルッリッヒ・シュナウス。リバーブをかけまくり高音域のホワイトノイズで奏でるサウンドスケープはまさにシューゲイザーのギターの音を真似たシンセ使い。メロディーづくりはいまいちながら、音作りはかっこよく、シューゲイザーアーティストのリミックスをしたり、シンガーソングライターのプロデュースをした時にその音作りセンスが遺憾なく発揮されている。
Guitar(ギター)
Guitar(ギター)という検索エンジンに全く引っかからないユニット名…。ミハエル・ルックナーによるエレクトロシューゲイザーユニット。ヴォーカリストは日本人アヤコ・コバヤシ。Morr MusicのコンピBlue Skied An' Clearにも参加していた。アルバム『Sunkissed』のギターとアヤコ・アカシバのウィスパーボイスはマイブラ再来との声が高かった。マンチェスタームーブメントを想起させる躍れるビートが最高。
Caribou(カリブー)/旧アーティスト名:Manitoba(マニトバ)
カナダ出身の数学博士&ミュージシャン。ダンスナイスこと、Caribouは2015年グラミー賞最優秀ダンス / エレクトロニックアルバム部門にノミネートされた。2ndアルバムUp In Flames(Manitoba名義)からのサイケ路線は、シューゲイザーファンには垂涎の一枚だった。ポップでファズアウトしたギターとカラッとしたボーカルにも関わらずメランコリックな香りがするところはシューゲイザーに通じるものがある。YouTubeのリンクは2005年のアルバムThe Milk Of Human Kindnessから。
Styrofoam(スタイロフォーム)
1999年から活動。アーネ・ヴァン・ペテヘムによる1人エレクトロ・ユニット。ベルギー。エモやギタポのようなキャッチーなメロディーラインとギターの用に使われているシンセの音は、インディーポップファンにも響き高い評価を得た。
Slowdiveのカバーコンピ「Blue Skied An' Clear Slowdive Cover Compilation」からの一曲。
Pluramon(プルーラモン)
テレビシリーズTwin Peaks(ツイン・ピークス)の挿入歌を歌ったJulee Cruise(ジュリー・クルーズ)をフィーチャリング。ファズがかかったアコギをリバーブがバラードソングながらホワイトアウトしそうにぶっ飛ばしている。JAGA JAZZIST、スウェーデンのTAPE、Matmosなどのプロデュースする、Marcus Schmicklerのユニット。