
Zeebra(ジブラ) は、日本のヒップホップMC、DJ、プロデューサー。優れたライミングやフロウで多くのラッパーに影響を与え、メッセージ性の強いリリックで「日本語ラップの父」と呼ばれる。ヒップホップユニット「KING GIDDRA」(キングギドラ)での活動や、MCバトルのテレビ番組「フリースタイルダンジョン」のオーガナイザーとしての活動などで広く知られている。日本のヒップホップシーンの黎明期から現在に至るまで、常にその中心で活動を続ける最重要人物の一人とされている。
Zeebra(ジブラ)の概要
Zeebra(ジブラ) は、日本のヒップホップMC、DJ、プロデューサー。アーティスト名のZeebra(ジブラ)は、濁音の多い語感が気に入ったことに加え、シマウマの黒と白の体が東洋思想の陰陽マークを思わせることを由来として名付けられた。
このほか、DJ DIRTYKRATES名義でDJとしても活動し、ZEEBRA Tha Ill Skill、鼻息荒いシマウマなどの別名義も存在している。
1980年代後半から六本木や渋谷のクラブでDJとして活動し、幼馴染であるDJ OASISと共にユニット「POSITIVE VIBE」(ポジティブ・ヴァイブ)を結成、英語のみのラップからキャリアをスタートする。1993年にK DUB SHINE、DJ OASISとともにヒップホップユニット「KING GIDDRA」(キングギドラ)を結成し、カルト的な人気を獲得する。1997年からはソロ活動を開始し、シングル「真っ昼間」をリリース。メジャーデビューを果たす。
デビュー以降は優れたライミング(韻の踏み方)やフロウ(リズムへの乗りこなし)、そしてメッセージ性の強いリリックでヒット曲を連発し、ラッパーとしての地位を不動のものとする。
さらに、ヒップホップ専門ラジオ番組「BEATS TO THE RHYME」のパーソナリティを務め、MCバトルのテレビ番組「フリースタイルダンジョン」のオーガナイザーとしても活動するなど、メディアを通じてヒップホップ文化の普及にも大きく貢献する立役者となった。
Zeebra(ジブラ)の活動経歴
日本ヒップホップの黎明期

カルト的な人気を博したヒップホップユニット「KING GIDDRA」(キングギドラ)
小学6年生の頃からブレイクダンスを始め、中学生の頃クラブで遊んでいたときに、友人の兄がヒップホップDJをしているのを見て興味を持ってDJとしての活動を開始する。次第にヒップホップにのめり込んだZeebraは、17歳の頃に単身アメリカに留学。そこで本場のヒップホップに触れたことが契機となり、ラッパーとしても活動を始めることとなった。
1980年代後半から六本木や渋谷のJ-Trip BarでDJやヒップホップMCとしての活動を開始し、幼馴染のDJ OASISとユニット「POSITIVE VIBE」(ポジティブ・ヴァイブ)を結成。
1993年にはDJ OASIS、K DUB SHINEと共にヒップホップユニット「KING GIDDRA」(キングギドラ)としての活動を開始する。ZeebraとK DUB SHINEの繰り出す攻撃的なラップと、DJ OASISのテクニカルなスクラッチが注目されてカルト的な人気を獲得するも、この時期はまだ日本のヒップホップシーンは確立されておらず、アンダーグラウンドでの活動を中心としていた。1995年にリリースした彼らの1stアルバム『空からの力』は、日本のヒップホップシーンに大きな衝撃を与えた。社会への鋭い視点と批判、それまでの日本語ラップにはなかった緻密なライミング、そして独特のフロウは、当時多くの若者に影響を与え、日本語ラップの可能性を大きく広げることとなった。後にこのアルバムは、「日本語ラップのクラシック(古典)」と謳われ、伝説的な作品として語り継がれるようになる。
ソロ活動とブレイク
1996年、KING GIDDRA(キングギドラ)は活動を停止。Zeebraはこれ以降ソロ活動を開始し、1997年にHIPHOPレーベル「FUTURE SHOCK」よりシングル「真っ昼間」をリリースしてメジャーデビューを果たし、翌1998年には1stアルバム『THE RHYME ANIMAL』をリリースして大ヒットを記録する。1999年には人気バンド「Dragon Ash」(ドラゴンアッシュ)のシングル「Grateful Days」に参加したことでも話題となった。その後も「Street Dreams」「MR.DYNAMITE」などのヒット曲を連発したZeebraは、楽曲のみではなくヒップホップ専門のラジオ番組「BEATS TO THE RHYME」のパーソナリティを務めるなど、メディアを利用して人々の心を掴んでいき、日本国内へのヒップホップ文化の浸透に大きく貢献し、やがて「日本語ラップの父」としての地位を確固たるものにする。
「フリースタイルダンジョン」の開始

若手アンダーグラウンドMCたちの登竜門となったテレビ番組「フリースタイルダンジョン」
日本にもヒップホップやクラブ文化が浸透し、高い技術を持ったMCがしのぎを削り始めるようになると、Zeebraはテレビ局からのオファーを受け、MCバトルのテレビ番組「フリースタイルダンジョン」のオーガナイザーとして活動を開始した。2015年から放送が開始された同番組において、彼は番組のコンセプト立案からバトルのルール設定、出演者の選定や広報など、番組の根幹に深く関わることになる。同番組は、大人気ユニット「Creepy Nuts」(クリーピーナッツ)のR-指定など多くのMCにとってブレイクへの足掛かりとなる一大ムーブメントを引き起こし、オーガナイザーとしても優れた手腕を発揮したZeebraにも賞賛の声が集まった。
2025年には神田明神で開催された尾上菊之助、尾上丑之助の襲名披露のお練りで、音羽屋の歴史をラップに乗せて語り、伝統文化とヒップホップの融合という、異色ながらも美しいパフォーマンスを披露して絶賛されている。
さらにZeebraはヒップホップ文化の向上と社会貢献を目指す団体「HIPHOP協会」の会長を務めており、日本のヒップホップが現在の地位を確立する上で、最も重要な役割を果たしたアーティストの一人とされている。
Zeebra(ジブラ)のプロフィール

1971年4月2日生まれ。東京都渋谷区出身。本名は横井英之(よこい ひでゆき)。
アーティスト名のZeebra(ジブラ)は、濁音の多い語感が気に入ったことに加え、シマウマの黒と白の体が東洋思想の陰陽マークを思わせることを由来として名付けられた。
「戦争成金」と言われた実業家で、1982年のホテルニュージャパン火災事故で実刑判決を受けた横井英樹の孫として知られる。当時は慶應義塾幼稚舎(小学校)に在学中だったZeebraはその件で激しいいじめに遭い、最終的に転学せざるを得なかったと語っている。
小学6年生の頃からブレイクダンスを始め、中学生の頃クラブで遊んでいたときに、友人の兄がヒップホップDJをしているのを見て興味を持ったことから、DJとしての活動を開始する。次第にヒップホップにのめり込み、17歳の頃に単身アメリカに留学。そこで本場のヒップホップに触れたことが契機となり、ラッパーとしても活動を始めることとなった。
私生活では1991年に結婚し、2人の息子をもうけるも離婚。息子2人はZeebraが引き取る。2002年にモデルの中林美和と自身2度目の結婚をし、中林との間には「NiziU」(ニジュー)のRIMAら2人の娘をもうける。2020年に自身の長男に男児が誕生し、49歳で祖父となったことと、中林との離婚を報告している。
Zeebra(ジブラ)のディスコグラフィー
スタジオアルバム
THE RHYME ANIMAL

1999年にリリースした1stアルバム。研ぎ澄まされたライミングとフロウ、そして社会を切り裂く鋭いメッセージ性が一体となり、日本のヒップホップシーンに強烈なインパクトを与えた一枚。まさしく「金字塔」といえる傑作だ。
1. THE RHYME ANIMAL
2. 未来への鍵 (The Key)
3. Original Rhyme Animal
4. 強風波浪注意報
5. MR.DYNAMITE
6. 真っ昼間
7. Smokin' At The Lounge
8. 城南ハスラー
9. Parteechecka (Brighta!)
10. Lyrical Pimp
11. HARDCORE
12. 未来への鍵 (The Key) ~ DJ HASEBE REMIX ~
BASED ON A TRUE STORY

2000年リリースの2ndアルバム。社会へのメッセージから家族への愛情まで、Zeebraの多面的な人間性とラッパーとしての深みが凝縮された1枚。洗練されたサウンドに乗せられた彼のリアルな人生観を、余すことなく堪能することができる。
1. Intro
2. Street Dreams
3. Perfect World
4. CHILDREN'S STORY
5. 城南ハスラー2
6. 結婚 (Skit)
7. 結婚
8. Neva Enuff (feat. AKTION)
9. 未来への鍵 (The Key) (Retake)
10. Daddy's Little Girl
11. Fallin'
12. 真っ昼間 (Remix) (feat. HI-D)
13. Outro
TOKYO'S FINEST

目次 - Contents
- Zeebra(ジブラ)の概要
- Zeebra(ジブラ)の活動経歴
- 日本ヒップホップの黎明期
- ソロ活動とブレイク
- 「フリースタイルダンジョン」の開始
- Zeebra(ジブラ)のプロフィール
- Zeebra(ジブラ)のディスコグラフィー
- スタジオアルバム
- THE RHYME ANIMAL
- BASED ON A TRUE STORY
- TOKYO'S FINEST
- The New Beginning
- World Of Music
- Black World
- White Heat
- 25 To Life
- Zeebra(ジブラ)の代表曲とミュージックビデオ(MV/PV)
- 真っ昼間
- Mr.DYNAMITE
- MASTER MIND
- 男の条件
- CHILDREN'S STORY
- Zeebra(ジブラ)の名言・発言
- 「コンプレックスから何かが生まれるというのは、ヒップホップのあり方として正しいと思う」
- Zeebra(ジブラ)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ヒップホップへの愛が詰まった別名義「DJ DIRTYKRATES」(DJ・ダーティークレイツ)