ゲーマーズ(GAMERS!)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゲーマーズ!』(GAMERS!)とは、2014年から2015年にかけて連載された葵せきな作のライトノベル、およびそれを原作としたメディアミックス作品群。ゲームを愛する高校生たちの、友情や恋愛模様といった人間関係と彼らの送る日常を、繊細かつコミカルな筆致で描き、多くのファンからの支持を得ている。本作は『生徒会の一存』など、著者の葵せきなの過去作品と同一世界観上にあり、一部の登場人物や設定を引き継いでいることが示唆されている点も話題となった。

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『DLC』『DLC2』に登場する大学生で、基本的な「語り手」となる人物。男っぽい口調で話し、化粧気もないが普通の女性。現守高校出身で、「とらばさみ」の名を持っているゲーム実況の動画配信者。
堅実なプレースタイルでそこそこの人気を獲得しているが、今一つヒットせず中堅どころ止まりであることに悩んでいた。ゲームショップの店頭でゲームを試していた景太を偶然見かけて、動画配信者としての自分に欠けている要素を見出し、実況配信をするとは知らせずに自分の部屋に連れ込んで一緒にゲームをプレイすることで、実況配信の相方に仕立て上げた。
景太には男だと思われているためバレないように振舞っていたが、亜玖璃からはすぐに女だと見抜かれていた。亜玖璃が言うところでは、景太と可憐、佑の良いところを併せ持った「裏ボス」のような人物。

彩家 碧(さいけ あお)

『DLC』『DLC2』の登場人物。歩と同じ大学に通う19歳の女子大生。霧夜のアパートの隣に住む友人で、同性ながら歩に恋愛感情を持っている。お嬢様育ちで口調も丁寧。碧陽学園の卒業生で、会長ではないが生徒会に所属していた。
異性である景太を自室に連れ込んだことについて歩をとがめるが、景太から歩の彼女として扱われたり、ゲームのことは全く知らないのに一緒にゲームをすることになったりする。

『ゲーマーズ!』(GAMERS!)の用語

音吹高校

景太達が通う高校で、本作の舞台。モデルとなったのは、2007年に廃校になった栃木県の足利西高等学校といわれている。

ゲーム同好会

景太が所属する、ゲームを楽しむための集まり。祐が「人間関係を円滑に進めるため」として設立し、和気あいあいとゲームに勤しんでいる。

ゲーム部

花憐が部長を務める音吹高校の部活。ゲームで勝つことに心血を注ぎ、大会でも常連賞金獲得者として名を連ねる歴戦の猛者が集まっている。
花憐とゲームショップで出会ったことに端を発して景太も勧誘されたが、ただゲームを楽しむことを第一とする景太の方針とは合わず、入部は断った。

『ゲーマーズ!』(GAMERS!)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

雨野景太「でもすいません。やっぱり僕が好きなのは”楽しくゲームすること”であって……互いに切磋琢磨しあう”ゲーム部”では、なかったみたいなんですよね」

花憐からゲーム部への勧誘を受けた景太が、ゲーム部に体験入部してはみたものの、部員たちのハイレベルぶりに圧倒された末に出した結論は「でもすいません。やっぱり僕が好きなのは”楽しくゲームすること”であって……互いに切磋琢磨しあう”ゲーム部”では、なかったみたいなんですよね」であった。景太が「ヌルゲーマー」として、ただ単にゲームを楽しみたいだけだ、という意思を表明して花憐に断った際のセリフだが、作品のおおよその方向性を端的に表すものとしても重要な一言になっている。

すべての発端となった景太の告白シーン

ゲームショップで出会った花憐が部長を務めるゲーム部に勧誘されたものの、自身とは方針が合わないとして断ってしまった景太。そこで彼の友人である祐は一計を案じ、景太がクラスメイト達が見守る前で花憐に「友達になってほしい」と申し出るというイベントを企てるという様子がテレビアニメ第6話で放送された。
呼び出した花憐を前に、満を持して友人になりたいと申し出ようとする景太だが、どういうわけか前日の夜中までやっていた美少女ゲームの告白シーンを思い出してしまった彼は「僕と付き合ってください」と告げてしまう。景太を異性として意識していた節がある花憐もその勢いに乗せられる形で「喜んで!」と返事をしたことから、周囲のクラスメートが見守る中、図らずも一組のカップルが誕生した。物語のすべての始まりとなった、ちょっとコミカルな作中屈指の名シーンである。

『ゲーマーズ!』(GAMERS!)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

本作に自身の経験を反映させた葵せきな

原作者の葵せきなは本作『ゲーマーズ!』について「極めて私的な作品」と述べており、自身の経験が作品にも反映されていることを明かしている。特に主人公である景太の生活環境はほとんどが葵自身の高校時代がモデルになっているとして、葵は「人それぞれのゲームに対するスタンスの違いが本作のテーマ」と語った。
、その上で「極めて普通のゲーム感」を持つ主人公をしっかり描いていくために、自身が一番よく知る普通の人(ここでは作者の葵せきな自身)を参考にするのが一番効率が良い、と述べ、多くのファンを驚かせた。

本作と同じ時間軸を共有している葵せきな作品『生徒会の一存』

葵せきな作のライトノベル『生徒会の一存』シリーズ

作者の葵せきなが過去に手掛けた2008年のライトノベル『生徒会の一存』と本作『ゲーマーズ!』は、実は同じ世界観を共有していることで知られている。本作のメインヒロインである花憐のゲームの師匠が『生徒会の一存』に登場するヒロインの一人、椎名真冬であることが明かされている。また、同じく『生徒会の一存』に登場する桜野くりむが、亜玖璃の従姉であることも明らかになった。

『生徒会の一存』4巻の表紙のオマージュとされる『ゲーマーズ!』3巻の表紙

また、『生徒会の一存』の表紙のオマージュのようなポーズや制服の表紙イラストが使われたこともあり、こうした作者の他作品とのリンクも、大いにファンを楽しませる要素のひとつとなっている。

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