いい意味で「コレジャナイ感」が出ていたアニメ化作品
好きな漫画が待望のアニメ化!と思ったら、原作はまだまだ核心にすら触れていない段階、もしくは制作側の意向により「コレジャナイ」的な展開になったものも。しかし、そこはスタッフの力量でどうとでも料理できるものなのです。個人的に「違うけど、いいんでない?」と思ったものをいくつか。
独特の「独特」感…。
則安の、諦観ともとれる呟きや、妹玉ちゃんの大人びたセリフ、「勉強しちゃいけない」という畠山家の珍ルール…尺が余ったからとはれぶたが踊るだけのシーンもありました。
監督は「ナベシン」ことワタナベシンイチ氏。彼のファンなら「なるほどね」とうなずくでしょう…このアニメのはっちゃけぶりには。「ミュージカル調の回」なんてのもありました。
『鋼の錬金術師』
原作準拠の『フルメタル・アルケミスト』ではなくそれ以前に放送されたものです。一部では「公式の同人」とか言われてますが、そうは思いません。そんなこと言ったら、アニメ化作品の「オリジナルエピソード」みんな「公式同人」な気が…するのは早計でしょうか。
原作者荒川弘先生が「根っこがそのままなら」と「好きなように」させた結果、「別もの」に。評価は真っ二つに分かれてるようですが、個人的にはいいと思います。ホムンクルスが原作とは違う解釈で「七つの大罪」を表していたという解釈を聞いたこともあって。
だからって原作否定派じゃありません。どんな解釈をするか、どう料理するかは創作者の腕にかかっています。監督水島氏は、荒川先生と違う解釈をした、ただそれだけです。「コレジャナイ」とされるアニメも、アニメ制作側の「解釈」の結果なのです。もっとも、ちゃんと然るべき評価を得られる水準にはなっていてほしいものですが。