7つの顔をもつ男 トッド・ラングレンの全貌にせまる(90年代編)
トッド・ラングレンとは、アメリカ出身のミュージシャン。グループやソロ名義だけでなく、他ミュージシャンのプロデュースなどを行う。2015年に開催されたフジロックでは、当時67歳という年齢で2人の萌えダンサーを従えて踊り狂った。ここでは彼の90年代に発表したアルバムをまとめている。リスナーが音楽家に近い感覚で音楽を楽しむことを目的としたCD-iという新しいメディアを制作したこと、90年代ですでにインターネットを駆使した楽曲配信を行うなど、時代の先駆者としての一面にも触れつつ、彼の作品を紹介していく。
90年代にリリースされたアルバム
『ノー・ワールド・オーダー』
1993年に発表されたアルバム。この頃のトッドはTR-iと名乗り、リスナーが楽曲やシークエンスを自分の思い通りに変更できるCD-iというメディアを発表した。しかし、ハードウェアが高価だったため、全く普及しなかった。
『インディヴィデュアリスト』
TR-iプロジェクト第2弾として、1995年にリリースされたアルバム。歌詞はより政治的になり、ヒップホップ色が強まったものとなった。
『ウィズ・ア・トゥイスト』
1995年に「もうCDは出さない。これからはネットで作品を発表する」と宣言したにもかかわらず、1997年にボサノバ・アレンジのセルフ・カバー集をリリースした。マーティン・デニー風のフェイク・トロピカル感あふれるアルバムとなっている。
まとめ
90年代前半はCD-iやインターネットを駆使した楽曲配信など、IT分野に力を入れていたトッド・ラングレン。制作する音楽の多彩さはもちろん、時代の先駆者としての一面にも驚かされる。