『日常』とは、2006年より『月刊少年エース』にて連載されているあらゐけいいちによる漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。時定高校を中心に、個性的な登場人物たちがシュールで奇想天外な出来事に翻弄される姿を描く。本作は非日常的なドタバタ劇でありながら、独特のテンポや何気ないやり取りから多くの名言や名シーンが誕生した。2011年には京都アニメーション制作でテレビアニメ化され、劇中の数々の名場面が表現されたことで、その人気を確固たるものとした。
神社での災難
ゆっこ、みお、麻衣の3人が神社(お寺)の前に集まった際、突如発生した豪雨とそれに連鎖して巻き起こる不条理な災難を描いた名シーンである。
お寺の前で待ち合わせをしていたゆっことみおと麻衣。ゆっこは宿題の粘土の像を持っており、みおはその宿題が今日までであった事を忘れていた。みおが「麻衣ちゃんやってきた?」と聞くと、優等生の麻衣が珍しく宿題を忘れていた。麻衣ちゃんが忘れるなんて一雨くるかもねというゆっこに、一雨どころじゃないよ天変地異だよと言うみお。その瞬間、突然引くほどの土砂降りの雨が降り出す。三人とも体も持ち物も全てずぶ濡れになり真顔になる。
真顔のままの三人は、神社(お寺)の境内で雨宿りをする。ゆっこ(真顔)は賽銭箱に五円玉を入れようと投げるが、賽銭箱に干してあった麻衣のずぶ濡れになった本に当たって弾かれ、五円玉は床の隙間に挟まる。ゆっこが鈴の緒を鳴らすと鈴が外れて頭に直撃、その衝撃でゆっこの足元の床が抜け落ち、ゆっこの上半身が埋まる。
鈴はゆっこの後ろに居たみお(真顔)の頭にも辺り、やはりその衝撃でみおの座っていた床も抜け落ちる。みおの足が横にあったゆっこの宿題の粘土像に当たり、粘土像は地面に落ち、みおはお尻が床に埋まる。みおに当たった鈴が方向を変えて麻衣(真顔)のほうに飛んでいき、麻衣はそれを避けるも、鈴は麻衣の横にあった柱に当たりその衝撃で置くにあった襖が倒れて麻衣の頭に直撃。流れるような惨事に三人は真顔のノーリアクション。
そこに帰ってきた住職がその惨状に驚き、「お前ら、うちの寺に何するつもりじゃ!賽銭泥棒!」と近づいてくるが、足元に落ちていたゆっこの宿題の粘土像を踏みつけ転倒。その衝撃で住職の頭ギリギリの所に鳥居が倒れてくる。「祟りじゃ!」と震える住職は頭ごなしに「寺から出て行け!」と叫ぶと、寺の屋根が飛んで行く。それでもゆっこたちは真顔のノーリアクションで、「らしく行こう」と思うのだった。
ゆっこ、みお、麻衣のキャンプ(カレーライス事件)
ゆっこ、みお、麻衣の三人が川辺でキャンプをする話。そこでカレーライス作りに挑戦するのだが、事件が発生する。
みおが飯ごうで米を炊き、ゆっこがカレーを担当して調理が進められたが、完成したカレーの鍋を持ち運ぼうとしたゆっこが誤ってすべて地面にこぼしてしまう。さらに、動転したゆっこが炊き上がったばかりの飯ごうに激突し、中のご飯までもが川原の砂利の上にぶちまけられてしまう。
アニメでは、取り返しのつかない大惨事を前にした絶望とパニックが声優陣によるハイテンションな演技によって表現されている。
偽札疑惑
ゆっことみおは、自販機の前で警察官に話しかけられる。
警察官は、自販機で偽札を使う事件が多発しているため、不審人物を見たりしていないかという。警察官の言った犯人の特徴(赤いライン入りのトートバッグ)は、みおが持つベージュのトートバッグと一致していた。
ゆっこが「まさかそんなわけ」と笑いながらみおを見ると、みおは顔を真っ青にして汗だくになり、尋常ではない反応を見せていた。ゆっこが驚きながら笑って「冗談は止して」と言おうとするも、みおは両手首を差し出して自らお縄に突こうとする。警官が念のため2人に鞄の中を見せるよう言うと、ゆっこは笑顔で応対したが、みおは千円札を地面に置いて土下座をし「これで許してください!」と懇願。ゆっこはみおが本当に偽札を出したと慌てて「終わった!」と泣き崩れた。警官が「偽札はこれだけか?」と尋ねると、みおは「偽札じゃないです、リアルなワイロです!」と反論する。
警官はみおの言うことが分からず、みおのトートバッグを引っ張り、無理やり鞄の中を改めようとした。みおは「この鞄親戚のだから!」とわけが分からない言い訳をして反発したが、警官が鞄を取り上げて中身を改めると、鞄の中からはみおの描いたBL漫画の原稿が出現。これを見た警官とゆっこは呆然とし、みおは叫び声を上げた。
ここでBGMが突然重苦しいものに変わり、みおは警官に近づきその胸目掛けて重い一撃を入れ、警官を気絶させた。警官の持っていた原稿が舞い散り、みおはジャンプして原稿を一枚一枚回収するが、最後の一枚はゆっこが持っており、その原稿の絵を見てしまう。描いてある内容に心神喪失になるゆっこに、みおはゆっくりと近づき、残りの原稿と鞄を足元に置いてゆっこに足技を仕掛け、ゆっこも気絶させた。
ゆっこの持っていた原稿がヒラヒラ舞い、みおがそれを掴んだ瞬間、通りかかったジェントルマン(モブキャラ)が、何故か地面に置いてあった原稿に興味を示して読もうとしたため、みおは瞬時に反応してジェントルマンのお腹に蹴りを入れ、気絶させた。みおが原稿の枚数を数えるとまたも足りず、後ろを見ると山羊が原稿をモシャモシャ食べていたため、例に漏れずみおは山羊にも容赦なく足技を仕掛けた。
みおの周りは、ゆっこ、警官、ジェントルマン、山羊が気絶する地獄絵図のようになり、絶句したみおはその場から立ち去った。みおは運動音痴だが、剣道をやっており、ポテンシャルはかなり高いのだ。
みおと入れ違いでやってきた田中はその惨状を見て驚く。さらに通りかかった笹原によって、この山羊は笹原コジロウだった事が発覚した。コジロウはダメージが癒えないのかプルプル震えながら笹原と一緒に帰り、田中は現状が理解できないまま呆然と立ち尽くした。その夜、みおは自室に引き篭もり頭を抱えることとなった。
ゆっこの財布紛失(4016円事件)
日常の51
遊園地に遊びに来たゆっことみおのエピソード。ゆっこは「自分が持っていると失くす恐れがある」という理由で財布をみおに預けていたが、みおは「ゆっこの財布だけ落とした」と告白する。中身の金額を問われたゆっこは「4016円」とやけに細かい数字を答えてみおに突っ込まれるが、その顔は財布を落とされたショックで完全な無表情となってしまった。
その後、みおの提案で向かった落し物センターに財布は届けられており、一時は喜ぶものの、中身を確認すると入っているはずのお札がすべて紛失していた。これにより、ゆっこの世界は完全にセピア色になり、完全に心神喪失状態となる。
その後、軽快なBGMが流れる中、まったく表情を微動だにしないゆっこはそのまま飛行機遊具で空を舞い、ジェットコースターでループし、遊園地のキャラクターと記念写真を撮影するなど、シュールな描写が連続した。この特徴的なゆっこの顔は、ネット上では「4016円」や「ユッコさん」などの俗称で親しまれている。
ユッコさん
グリコ
ゆっこ、みお、麻衣の3人が、階段でじゃんけんをして勝った手に応じて進む遊び(通称「グリコ」)を行う話。
ゲームが終盤に差し掛かった際、麻衣は突然「復活の呪文」と称する独自のルールを持ち出す。この「復活の呪文」とは、ファミリーコンピュータ用『ドラゴンクエスト』でゲームの進行状況を保存・再開するために用いられていたパスワードシステムが元ネタとなっている。
なお、漫画版では後日、麻衣が唱えていた「復活の呪文」の文字列自体が間違っていたというオチが描かれている。
許してヒヤシンス
日常 ヒヤシンス
みおの漫画の手伝いをしているときに、指定された箇所のスミベタ(黒く塗りつぶす作業)に失敗し、原稿を汚してしまったゆっこ。激しい説教を受ける中、祐子はその場の緊迫した空気を和らげるためのジョークとして、「許してヒヤシンス」という言葉を切り出した。しかし、真摯さを欠いた態度と捉えられたことで、かえってみおの怒りに火を注ぐ結果となった。
さらに、追いつめられたゆっこが重ねて「みおちゃん頭をヒヤシンス」と言い放ったことでみおの逆鱗に触れ、最終的にゆっこはジャーマンスープレックスなどのプロレス技による制裁を受けることとなった。
なお、植物のヒヤシンス(特に紫色)には実際に「悲哀」「許してください(Please forgive me)」という花言葉が存在するが、作中のゆっこがそれを意図して発言したのか、単なる語呂合わせ(ダジャレ)であったのかは明かされていない。
校長と鹿
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『日常』とは、あらゐけいいちのギャグ漫画、及び2011年に京都アニメーションで製作されたアニメーション作品。2012年にはNHKで再放送された。原作漫画は2015年に完結。時定高校に通う「相生祐子」「長野原みお」「水上麻衣」「東雲なの」などのキャラクターを中心に日常を描いた作品。日常と言うタイトルでありながら日常では起こらないような、シュールで疾走感のあるギャグが描かれる。
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目次 - Contents
- 『日常』の概要
- 『日常』の主要人物
- 『日常』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 長野原みお「命を燃やせ!!!!」
- 長野原みお「焼きそばだよ!!」
- 長野原みお「やる気なんてやれば自然と出てくるもんだよ」
- 長野原みお「瞬間だよ 瞬間に生きるんだよ!!! 私たちはそういう生き物なんだよ!!!」
- 相生祐子「正面突破で玉砕ったほうがかっこいいじゃない!」
- 相生祐子「悶絶アチアチホットなシェフの気まぐれホットチキンバー」
- 笹原幸治郎「日々私たちが過ごしている日常というのは、じつは奇跡の連続かもしれない。」
- 神社での災難
- ゆっこ、みお、麻衣のキャンプ(カレーライス事件)
- 偽札疑惑
- ゆっこの財布紛失(4016円事件)
- グリコ
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