ドベとノラ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ドベとノラ』とは、ヨシモフ郎によるコミックエッセイ本である。インスタグラムやXで投稿されている短編の漫画で構成され、2022年4月に第一巻、2023年10月に第二巻が発売された。病気によりわずか4歳で亡くなったドーベルマンのドベと、シェルターで保護されていた犬、ノラとの暮らしを描いた愛情あふれる作品。
犬と感じる季節の移ろいや犬友との出会いなど、犬と暮らす日常や犬を中心とした人間関係が描かれた本作はSNSを通じて多くの反響を呼び、発売から1ヶ月で重版となった。

ノラに会うためシェルターに通っていたヨシモフ郎は、ドベの存在が大きすぎてノラを迎える決断がなかなかできなかった。そんな中ノラとの散歩を提案され、一緒に過ごす中でノラを迎える決断をする。
様々な手続きを経てヨシモフ郎の元へ譲渡が決まった旨の連絡が入る。
その際、譲渡のための最終審査会でドベを覚えていたトレーナーが「ドベ君の飼い主さんなら大丈夫」と後押ししてくれたことを知る。
ドベとのつながりで広がった世界はまだまだ続いていて、そして今も優しくつながっていることに涙するヨシモフ郎。
ドベに注いだ愛情が巡り巡ってノラとの縁につながる、優しい世界に触れることができる感動的なシーンである。

犬とともに迎える「また来年」

ドベが病気になった時、ヨシモフ郎は動けないドベを車に乗せ桜を見た。
その時「また来年も花見をしよう」と約束をした。叶えられない約束をドベと沢山して、ドベは亡くなった。
そしてノラとの生活の中で、桜が散る時、プールを片付ける時、金木犀が散った時、雪が溶けた時に「また来年」とノラと約束をする。「また季節が巡っても 同じ約束ができますように」と語るヨシモフ郎。
犬と暮らす中でめぐる季節を一緒に楽しみ、そして未来の約束に変わっていく。ノラと暮らすことでヨシモフ郎はまた前を向いて歩み始めていた。

『ドベとノラ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

書籍化のオファー1回目は編集企画会議で落選

書籍化のオファーを受けたヨシモフ郎は、編集者とともに素案を作り編集企画会議へ持ち込んだが落選した。落選の理由はドベが亡くなっていたことであった。
ヨシモフ郎が当時目指していたのは、読んだ人が笑顔になれるほっこり犬漫画のため、ドベの死により笑って読めなくなる人もいると思い小さく虹のマークのような記号を表記していた。大きく公表したら楽しいだけの犬漫画本ではなくなると思い、素案の段階でかなり頭を悩ませた点だと語る。
再度別の出版社からオファーがあった際は、ドベが亡くなっているからこそ描ける話があると背中を押され、書籍化が決まった。

出版記念グッズは書き下ろしイラストで完全受注生産

出版を記念してKADOKAWA公式オンラインショップ、カドカワストアより期間限定グッズが発売された。
・ドベとノラが描かれている、ビックトートバッグ1「パン食うパン屋」
・ドベがスイカに乗っているイラスト、ノラがさつまいもに寄り添っているイラストが描かれたビッグトートバッグ2「おみやげ忘れていませんか?」
・サコッシュS「旅に出よう」
・サコッシュM「遊びに行こうよ!」
以上4点をそれぞれ完全受注生産で予約できるキャンペーンを行っていた。

ノラの誕生日は1月4日

元々野良犬だったノラは誕生日が不明だったが、書類に誕生日を記載する機会が多く、獣医師と相談し2015年1月4日としている。
ノラがヨシモフ郎の家に来たのは9月14日であったが、すでに身体は大きく9月を誕生日に設定するには成長しすぎていた。その当時、身体の大きさから生後半年から1歳が過ぎていると獣医師と判断し、ドベの誕生日であった1月4日になった。

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