めしぬま。(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『めしぬま。』とは、日本の漫画家・あみだむくが2016年から『月間コミックゼノン』にて連載しているグルメ漫画。日常生活の中で日々の疲れを感じる主人公の飯沼が、食事を行う中で美味しさや喜びを全身で表現していく。繊細なキャラクターの描写と、細部まで描き込まれた料理と食事のシーン、そして飯沼の食事をするときの恍惚な表情が話題を呼ぶ人気作品だ。

第一話:そうだ、カツ丼をたべよう…。より。

大きな口を開け迷うことなく大ぶりのトンカツを口に運んでいく。ご飯は大盛だ。
衣の質感やタレや肉の脂身の潤いなど、しっかりとグルメ漫画として成立している作画には喉が鳴る。
繰り返しにはなるが、同人作品からの始まりとのこともあり絵の質感も荒々しくありながらどこか柔らかな印象が残る。

カツ丼を食べてるときに飯沼が初めてみせる恍惚な表情

第一話:そうだ、カツ丼を食べよう…。より。

食事をした際に見せる恍惚とした表情。空腹と疲れを忘れさせてくれるような食事の美味しさが表情に現れる。
この表情がこの漫画の大部分を占める部分であり、この表情に魅了されていく各キャラクターとのやり取りが非常に読者を引き込む要素となっている。

飯沼の食べっぷりに見惚れる周りのキャラクター

第一話:そうだ、カツ丼を食べよう…。より。

見た目からは想像できないような食べる様子に見とれる食堂のお母さん。
ギャップ萌えなどという言葉があるが、このワンシーンもそれをよく体現しており入店間際こそカツ丼を注文した際に心配されるシーンすらある。
しかしながら食に関しては他の追随を許さないような飯沼の食に対する沼りにはこのお母さん同様目を見張る部分でもある。
最終的には全て平らげた、飯沼が退店した後このお母さんが「あの子…また来ないかしら。」と言葉を零すほどの見惚れようであった。

『めしぬま。』のパターンとして、注文→料理を見て少し感想→食べ始め→恍惚な表情と感情の表現→周りのキャラクターの反応→食べ終わるまで無言。
といったパターンが最初の一話からも定着しているがそれの繰り返しになっても飽きさせないのは作者の画力としか言いようがない。

このお店のお母さんが見とれるシーンでも注視するとわかるが、腕の曲線や食べ方等しっかりと「男性」としての骨格などの良さが詰まっておりしっかりキャラクターとしても作りこまれている飯沼に、そこに合わさる形で先の画像にもあるような蕩けたような表情が混ざり合うことで、次にどんな反応をもってくるのかと読者を離さない仕掛けが詰まっている。

※因みに連載の元になった同人誌の本当の初版においては、描写や構図は同様であるものの食べているものがカツ丼ではなく親子丼で描かれていた。
特徴的な口元の描写などが多かった為、流石にそのまま転用は出来なかったものと思われる。

『めしぬま。』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作者は同人作家

作者であるあみだむくは、日本の漫画家であり特にグルメ漫画『めしぬま。』で知られている。性別は男性。同人作家であったが『月刊コミックゼノン』(ノース・スターズ・ピクチャーズ→コアミックス)にて、2016年3月号より連載を開始。原型は著者による同タイトルの同人誌である。『めしぬま。』の制作背景やインスピレーションに関してはインタビューの中で語っており、ゼノン編集部の公式サイトから読むことができる。

『めしぬま。』で伝えたいことは食べることの喜び

インタビューの中で、あみだむくは「食べることの喜びを読者に伝えたい」と語っており、その思いが作品全体に反映されている。また、食事を通じて食事の楽しさや食文化の多様性を伝えることに重点を置いており、作品に登場する料理や食材について詳細な取材を自身で行っている。特定の料理を描く際には、実際にレストランやその食材の産地まで自身で赴くことが多く、その料理を食べ、料理人に話を聞いている。これによりリアルで美味しそうな食事シーンを描くことができている。

グルメ漫画以外にはボクシング漫画も

ダダダ

あみだむくは、『めしぬま。』での印象が非常に強く、あまり他の作品を知られていない漫画家だがあみだむくは他にも多数の漫画を輩出しており、その形容は多岐にわたる。
『めしぬま。』では基本的に日常のほのぼのとした描写が多く、そのほのぼのした場面の中に、人間誰しも必ず行う食事の風景を中核にストーリーが構成されている。食事のシーンや料理の描き方を含め、登場人物の表情や、その表情からにじみ出る幸せな感情などを体の全体で表現している。そんな日常のありきたりな場面を詰め込んでいる『めしぬま。』ではあるが、意外にもバトル漫画なども描いており、その中でも描写の激しさやわかりやすりストーリーで構成されている作品が『ダダダ』だ。内容は、ボクシングを題材にしたヒューマンドラマを絡めた格闘漫画にはなるが、『めしぬま。』同様人物の描き方が独特であり、食事や基本的な感情表現が多い『めしぬま。』とは一風変わってバトルの大きな描写や、着衣をしていないキャラクターの描写などが繊細に書き込まれている。ほのぼのとした『めしぬま。』の飯沼とは違い、感情の起伏による表情の変化や独特な世界観も魅力的な作品だ。他にも何作か作品があり、その中には同人誌ならではのBL要素が含まれている作品もある。

Kazuhira165
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@Kazuhira165

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