リョウ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『リョウ』とは上田倫子による少女漫画。1995年から1999年まで集英社『マーガレット』で連載された。
史実に基づいた内容で“源義経”が女性であることを仮想し、複雑な源平合戦を分かりやすく少女漫画視点で描かれた本作品。
主人公が平氏と源氏の渦に巻き込まれながらも弁慶との愛を貫き、逞しく生きていく歴史漫画でもある。
遠山りょうは修学旅行先で訪れた京都で”弁慶”と名乗る謎の男との出会いにより、自身がかつて平安時代に活躍した偉人”源義経”であることを知らされる。
本作の主人公。一見、普通の女子高生だが本当の正体は平安時代に活躍した武将”源義経”。
遠山りょう本人は交通事故で亡くなっている。
3年前、樹海にいたところをりょうの祖父である遠山源一郎に保護された後、本当の”遠山りょう”の記憶を植えつけられ、現代で生活していたが修学旅行先で弁慶と出会い、自身が源義経であることを知り、平安時代へ戻ることを決意する。
平安時代へ戻ると、平家と源氏の渦中に巻き込まれ様々な困難が降りかかるも沢山の仲間に支えられ、弁慶と愛を育み乗り越えていく。
長い時間をかけて弁慶と結ばれ子を授かるも、兄である源頼朝の軍に攻められ、その逃走中に弁慶は命を落とす。
弁慶亡き後に生まれた、子供"葵”と幸せな日々を送っていたが謎の狼に葵をさらわれてしまい、後を追っていくと現代にタイムスリップしてしまう。
タイムスリップした現代では葵は養子として引き取られていた。
葵を取り戻そうと自身が育った遠山家へ向かった義経はそこでかつての祖父源一郎と揉めている本物の"遠山りょう”を見つける。
祖父の手を振り払って道路に出たりょうは車に轢かれそうになるも義経が庇って助ける。
付き人の海尊に「弁慶のところへ連れて行って」と告げ、そのまま命を落とす。
武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)
長髪長身の美男子でりょう(義経)に絶対的な忠誠を誓う家来。
最初は義経を倒すことを目的にりょうに近づき、勝負を挑むも敗北。
青年の頃、恋人を亡くしてから以降は誰も愛さないと決めていたがりょう(義経)のひたむきさと愛情深さに次第に惹かれていく。
命に代えても守ると言い切る程、りょう(義経)の事を大切に想っており、そのせいか度々重傷を負っている。
美男子のため女性によくモテるため度々りょう(義経)はよくヤキモチを妬いている。
源頼朝の軍に攻められ、逃走中に矢を射られ命を落とす。
平賀葵(ひらがあおい)
リョウの幼馴染。
優しい性格とアイドルみたいな可愛い顔立ちで現世では女子の人気が高かった。
リョウが現世の人間でないと分かると自分もリョウの家来になると一緒に平安時代へタイムスリップしてしまう。
リョウの事が好きだったが、行動を共にしていくと同時に弁慶には敵わないと感じ、身を引く。
最後はリョウを守るため、頼朝に立ち向かっていき命を落とす。
常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)
弁慶の幼馴染でウタの兄。
当初は維盛の家来として仕えていたが、平氏が熊野へ攻め入った時に母を殺され、リョウの家来となる。
弁慶亡き後もリョウと葵を支え、リョウが亡くなった後も現世に残り、陰ながら葵の成長を見守る。
源頼朝(みなもとのよりとも)
鎌倉の棟梁でリョウの異母兄。
優しく頼りがいのある兄だったが、正妻の政子が亡くなった後、リョウを女として見るようになり、自分のものにしようと逃げるリョウを追いかけ続ける。
虎子(とらこ)
京都の芸者で弁慶の元恋人。気の強い性格で関西弁を使う。
弁慶を追ってリョウたちと一緒に平安時代へ行き、その後木曾の義仲と夫婦になり息子曙丸を出産。
木曾で悠々自適に暮らしていたが、義仲が都で殺された後は鎌倉へ移住する。
木曾の義仲(きそのよしなか)
頼朝とリョウの従兄で虎子の夫。
木曾を根城にしている武将で現世からやって来た虎子に惚れ、正妻として側に置く。
常盤の仇討ちに協力し、自身の戦にリョウを参加させ勝利。
後に、都へ進軍し暴挙を繰り返し、法皇に命を狙われてしまう。
リョウたちの説得で改心するも、千寿に撃たれて命を落とす。
北条政子(ほうじょうまさこ)
頼朝の正室。
気丈な性格で暴走しそうな頼朝を抑えたりと嫁の鏡のような女性。
平知盛が仕組んだ策略で毒を飲まされ亡くなってしまう。
どんな時も頼朝を信じ、最後の時まで頼朝を愛していた。
平家
平清盛(たいらのきよもり)
平家の棟梁。
源氏に嫁いでいた常盤を自分のものにしたり、維盛と義経を夫婦にしようと考えたりと、何かと汚い手を使って源氏を取り込もうとする。
最後は、今までの横暴なやり方に我慢ならなくなった常盤に殺される。
平維盛(たいらのこれもり)
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目次 - Contents
- 『リョウ』の概要
- 『リョウ』のあらすじ・ストーリー
- 運命の出会い
- 六波羅~奥州平泉編
- 母との再会
- 木曾の義仲
- 平泉到着
- リョウと義経
- 六波羅~熊野編
- 弁慶を探して
- 弁慶の故郷へ
- 弁慶の亡霊とリョウの復讐
- 伊豆編
- 生きていた弁慶
- 常盤の仇討ち
- 維盛の最期
- 義仲の最期
- 源氏と平氏の和平
- 弁慶の復活と政子の死
- いざ、一の谷へ
- 変わっていく心
- 頼朝の奇行
- ずっと一緒に
- 紡がれていく愛
- 『リョウ』の登場人物・キャラクター
- 源氏
- 遠山りょう/源義経(とおやまりょう/みなもとのよしつね)
- 武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)
- 平賀葵(ひらがあおい)
- 常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)
- 源頼朝(みなもとのよりとも)
- 虎子(とらこ)
- 木曾の義仲(きそのよしなか)
- 北条政子(ほうじょうまさこ)
- 平家
- 平清盛(たいらのきよもり)
- 平維盛(たいらのこれもり)
- 平宗盛(たいらのむねもり)
- 平知盛(たいらのとももり)
- 平泉の人々
- 藤原秀衡(ふじわらのひでひら)
- 藤原泰衡(ふじわらのやすひら)
- 吉次(きちじ)
- 弥生(やよい)
- 熊野の人々
- 湛増(たんぞう)
- ウタの母
- ウタ
- その他
- 遠山源一郎(とおやまげんいちろう)
- 鬼一法眼(きいちほうげん)
- 常盤御前(ときわごぜん)
- 静御前(しずかごぜん)
- 三十(さと)
- 弁慶の姉
- 法皇(ほうおう)
- タマ
- 千寿(せんじゅ)
- リョウ(本物)
- 葵(あおい)
- 『リョウ』の用語
- 六波羅(ろくはら)
- 院宣(いんぜん)
- 曲水の宴(ぎょくすいのえん)
- 『リョウ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 武蔵坊弁慶「この弁慶、命をかけてリョウ殿をお守りします」
- 武蔵坊弁慶「私もりょう殿がこの世で一番愛しいお人でございます」
- リョウ「この想いを守り貫くためなら、私は戦う」
- 『リョウ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- リョウの幼馴染の葵とリョウと弁慶の子供の葵は別人
- 維盛の病気はお酒の飲みすぎが原因
- タマの本当の父親は母親の前の夫の漁太