乙ゲーにトリップした俺♂(乙俺♂)のネタバレ解説・考察まとめ
『乙ゲーにトリップした俺♂』とは、漫画家・花乃軍(かのいくさ)による全3巻のファンタジー漫画である。略称は『乙俺♂』。ジーンピクシブにて連載を開始し、後にニコニコ静画での公開もされた。乙女ゲームの世界に男がヒロインとしてトリップするという斬新なアイデアと魅力的なイケメンキャラ、そして乙女ゲームあるあるが詰め込まれた内容が多くの女性の心を掴んだ。乙女ゲーム「シロガネクルワ」にトリップしてしまった男主人公・乙谷乙成(おとやおとなり)が、元の世界に帰る為に奮闘するさまと攻略キャラ達との交流を描く。
花簪(はなかんざし)
異形から市民を守る部隊・かぐや狩り部隊に所属している攻略キャラの1人。第伍分隊の副隊長でもある。軟派な性格をした女好きの青年。作中でも町中のさまざまな女性キャラに言い寄られたり、彼女達とデートをしたりと女性にモテモテな様子が多く描写されていた。なお、そんな設定に反して作者の花乃軍自身は「読者には受け入れられなさそうなキャラ」と思っていたという。しかし作者の意に反して、『乙俺♂』1周年を記念した人気投票では壱葛と一緒に3位にランクインする人気キャラクターとなった。
攻略キャラの中では、攻略キャラとしてのプロ意識は低め。そのため、男である乙成に対しての扱いも雑で、その度合いは彼の事を「コバエ」と呼ぶほどだ。また実はSっ気があり、ヒロインの泣き顔が大好きという設定が存在。乙成の泣き顔も好みの顔だったらしく、作中では彼をわざと泣かせたり、逆にその泣き顔に振り回されたりするさまも描かれていた。
梦(ゆめ)
異形から市民を守る部隊・かぐや狩り部隊に所属している攻略キャラの1人。第伍分隊の隊員。隠密を生業とする一族の出で、作中でも天井裏に隠れたりくないで戦ったりと忍らしい行動をよく見せていた。しかし本人いわく一族の中では落ちこぼれだったそうで、昔からその事を身内から強く責められていた模様。それが原因で己に対する劣等感が強く、第伍分隊所属になった今も他の攻略キャラ達と自分を比べては己を卑下する事がある。なお、作者の花乃軍いわく「最初は元気な子」として作ったキャラだったそう。
攻略キャラとしての意識は高めで、乙成からも「演技派」としてそのプロ意識を認められている。
現來(うつら)
異形から市民を守る部隊・かぐや狩り部隊に所属している攻略キャラの1人。本隊の薬師を勤めており、第伍分隊の薬を補充しに来たタイミングで乙成と出会う。実は梦の兄で、元々は梦同様に隠密の出としてかぐや狩り部隊の前線で戦っていた模様。弟を異形から守った際に負った大怪我が原因で前線を撤退し、薬師になった。
攻略キャラとして乙成が男であっても容赦なく口説いていくが、実は非常に面倒くさがりな男で、定時を超えたら攻略キャラとしての仕事はしないという決まりを設けている。公式の設定いわく「乙ゲーを舐めている」とのこと。
年齢が30歳とおじさんキャラを意識した設定にされているため、乙成からは「おっさん」と呼ばれている。
翅月(しづく)
異形側に属する攻略キャラ。人間のような見た目をしているが、人ではなくあくまでも異形である。その証拠に耳や爪が尖っていたり、黒目が細長かったりと人間とは少し違う外見的特徴を持つ。作中では、一部のキャラから「人型異形」と呼ばれていた。
乙成の事を自分の母親である異形「かかさま」と同じにおいがするという理由で気に入る。出会って早々に乙成を自分の住処に軟禁しようとしたり、他の攻略キャラの話をすると激しい嫉妬心を見せたりと、他のキャラよりも乙成への愛情表現が重たい。だがそこを抜かせば穏やかな人物で、実は寂しがり屋という一面も隠し持つ。
作中では年齢等の詳しいプロフィールは不詳という設定であったが、後に発売されたコミック最終巻にて「胎児の時に死んだかぐや(人間であった頃のかかさま)の子ども」であった事が明かされた。かぐやが異形として蘇った際に、彼も一緒に蘇ったという。
異形/かぐや
かかさま
攻略キャラの1人である翅月の母親にあたる異形。異形達の親玉でもある。外見は、美しい黒髪の巨大な女性形の骸骨。手の部分は鎌になっており、それを使って相手に攻撃をする。人間に対して激しい憎悪を持つ。
しかしその正体は、かつて乙成同様に『シロガネクロワ』にトリップしてきた人間の女性。名前と記憶を無くした状態でトリップしたところを夜環の国の人々に拾われ、「かぐや」と名付けられた。以降夜環の国で暮らすものの、身寄りがなかった事から、50年ほど前に不治の病にかかった天皇の治療薬を作る為の贄にされてしまう。その後、詳細は不明だが異形・かぐやとなって人々を襲うようになる。
なお作者の花乃軍いわく、彼女は「主人公の他にもトリップした者がいる」という事実だけの為に存在しており、乙成のようなヒロインではなかったとのこと。
『乙ゲーにトリップした俺♂』の用語
乙ゲー
ゲームジャンルの1つ「乙女ゲーム」の略称。
女性主人公と攻略対象となる男性キャラクターの恋愛模様を楽しむシュミレーションゲームである。女性向けではあるが、男性プレイヤーも少なくはない。
家庭用ゲーム機から携帯ゲーム機、スマホアプリまで、さまざまな媒体で存在する。
シロガネクルワ
『乙俺♂』に登場するスマホ向けの乙ゲー。乙成のトリップ先でもある。
「かぐや」と呼ばれる異形と人が争う和風世界を舞台にした、和風ファンタジーもの。本来のゲームでは、異世界から投じられた主人公の少女と攻略対象の男性達による恋愛&異形との戦いを巡るストーリーが展開される。
攻略キャラ
乙ゲーで主人公(プレイヤー)が攻略すべき対象。彼らの主人公に対する好感度をあげ、それぞれに用意されたルートをクリアする事でゲームクリアとなる。
『乙俺♂』内では、攻略キャラ自身に「ヒロインに攻略される対象」である自覚が存在。攻略キャラとして、異世界からやってきたヒロインを己に惚れさせようと奮闘する傾向にある。また、モブキャラが乙成を女(ヒロイン)と認識しているのに対し、乙成の正しい性別を認識できるといった特徴も持つ。
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『乙ゲーにトリップした俺♂』の概要
- 『乙ゲーにトリップした俺♂』のあらすじ・ストーリー
- LV:1~LV:5 乙女ゲームにトリップした主人公
- LV:6 ~LV:10 次々登場する新攻略キャラ達
- LV:11 ~LV:13 明かされる攻略キャラ達の過去
- LV:14 ~LV:15 異形・かぐやとの闘い
- 『乙ゲーにトリップした俺♂』の登場人物・キャラクター
- 主人公サイドの人達
- 乙谷乙成(おとやおとなり)
- SHURI(しゅり)
- 攻略キャラ
- 壱葛(さねかずら)
- 花簪(はなかんざし)
- 梦(ゆめ)
- 現來(うつら)
- 翅月(しづく)
- 異形/かぐや
- かかさま
- 『乙ゲーにトリップした俺♂』の用語
- 乙ゲー
- シロガネクルワ
- 攻略キャラ
- 大団円エンド
- ラブイベント
- 夜環の国(よわのくに)
- 異形/かぐや
- かぐや狩り部隊
- 『乙ゲーにトリップした俺♂』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ラブイベントでモブ男と戦う事になった壱葛を守る為に暖簾を携えて戻ってきた乙成
- 乙谷乙成「人間をシェアするのなんか無理だってのに もっと自分を大事にしろよな」
- 乙谷乙成「頼むよ 同じにおいの人間同士じゃん!」
- 『乙ゲーにトリップした俺♂』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- pixivに存在する『乙俺♂』の初期原稿
- 子どもの日に公開された『乙俺♂』の特別な番外編
- Xにて公開されている第13話の没ページ