ミギとダリ(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ミギとダリ』とは、佐野菜見による日本の漫画作品、およびそれを原作としたテレビアニメ作品である。『ハルタ』にて2017年から2021年まで連載され、単行本は全7巻刊行されている。アニメは2023年に全13話で放送された。神戸市にある架空の村「オリゴン村」を舞台に、双子の主人公・ミギとダリが母親を殺した犯人を突き止め、復讐を果たすまでの物語を描く。サスペンスの中にギャグ要素が織り込まれており、独特の世界観を楽しむことができるのが作品の魅力となっている。

目次 - Contents

子どもたちを肉体的、精神的に健全な人材へ育成するための教育運動。
主に野外で実施され、キャンプやハイキングなどが行われる。
日本ではあまり馴染みがない活動だが、アメリカの街をモデルに造られたオリゴン村では、子供たちは当たり前のように参加している。
ミギとダリも友達を作るために参加した。

ミジンコ模様の壁紙

ミギとダリが母親を殺した犯人を見つけ出すために唯一持っていた手がかり。
昔母親と暮らしていた部屋の壁紙がこの柄であった。
本当はペイズリー柄だが、正式名称を知らない2人が、ペイズリーがミジンコに似ていることから、ミジンコ模様と名付けた。

『ミギとダリ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

秘鳥「ぼくらに上も下もないよ あるとした右と左 それだけさ」

秘鳥は、ボーイスカウトで知り合った丸太から家に招待される。ミギが秘鳥として丸太の相手をしてゲームをするが、自分勝手で自己中心的な丸太に理不尽なルールでいじめられていた。それを目撃したダリが、隙を見てミギと入れ替わり、丸太を懲らしめる。
そうして秘鳥に怯えた丸太は子分のようにへりくだった態度に変わるが、帰り際に秘鳥は「ぼくらに上も下もないよ あるとした右と左 それだけさ」と告げる。
甘やかされて育ち、人をおもちゃにすることしか考えていなかった丸太が、人の優しさに感動し、秘鳥と友達になりたいと思わせた言葉であった。

ダリ「瑛二 お前はこれからぼくらと家に帰ってチェリーパイを食べるんだ」

自分の出生の秘密や一条家の闇を知った瑛二は、怜子を殺して共に死ぬ気で家に火をつけた。
瑛二が実の兄弟であったことを知ったミギとダリは、瑛二が復讐の相手だとわかっていても放っておけず、助けるために火の中へ飛び込んで行った。
このまま殺せと頼む瑛二に対し、ダリは「瑛二 お前はこれからぼくらと家に帰ってチェリーパイを食べるんだ」と伝えた。
ダリは互いに敵対していた相手であり、母親を殺された相手だとしても、同じ血が流れた兄弟であることを知った。そして怜子と共に死のうとしている瑛二が、かつてミギを失った自分のような空っぽな状態になっているのだと気づく。
母親を殺した相手だとしても、実の兄弟なのだからと瑛二を受け入れ、共に生きていこうという気持ちがこもった言葉である。
そしてダリの言葉を聞いた瑛二は、一緒にチェリーパイを食べるところを想像して笑い、生きる気力が沸いたのだった。

改めて園山夫婦の家族となったミギとダリ

夫婦の前に現れたミギ(右)とダリ(左)

火の中へ瑛二を助けに行ったことで、ダリは顔に火傷を負ってしまった。
2人で1人の秘鳥として演じてきたため、ダリはもうミギと入れ替わることができず、一生ミギの影として生きていくのだと決心していた。
そんな中でクリスマスの朝を迎えると、プレゼントが2つ用意されていた。実は園山夫婦は、秘鳥が2人であることに気づいていて、2人の性格に合わせたプレゼントを用意してくれていたのだ。
夫婦は温かく受け入れてくれたが、ダリはすぐに出ていく勇気がなかった。そんなダリに対して、ミギは「ぼくの幸せがダリの幸せであるように ダリの幸せがぼくの幸せだ」と伝えた。顔は同じでも好きなものも感じ方も全然違う2人だが、唯一変わらないのは、2人とも幸せであることが1番だということだった。
ミギの言葉を聞いたダリは、共に夫婦の前に姿を現して受け入れてもらい、その後も変わらず家族として楽しく暮らしていくことができたのである。

『ミギとダリ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

1度は断られたアニメ化

テレビアニメの企画プロデュースを担当した加藤貴大(かとう たかひろ)が、『ミギとダリ』のアニメ化に関して、インタビューに答えている。
漫画喫茶で原作漫画を読み、面白さに衝撃を受けてぜひアニメ化したいと思い、編集部に打診したところ、断られてしまったという。
理由は、漫画の先の展開がまだ決まっていない状況でアニメ化してしまうと、作者が思う存分描けなくなってしまうかもしれないからだった。

1度は断られてしまったが、どうしても『ミギとダリ』のアニメを作りたいと、もう少しストーリーが進んでから声をかけてみたところ、許諾をもらえたのだった。

最終回で贈られた作者・佐野菜見へのメッセージ

『ミギとダリ』作者の佐野菜見は、アニメ放送開始の2ヶ月前に病気により亡くなってしまった。
最終回のラストシーンは、原作漫画では園山家の棚の下に溜まったホコリで、幽霊のような存在となったみっちゃんが「Fin」と書いて終わる。
アニメ制作スタッフは、そのラストシーンを変更し、亡くなった佐野菜見に向けて「À la mémoire de Sano Nami Fin」=「佐野菜見さんを偲んで 終わり」とメッセージを贈ったのである。

作中で描かれたゲームが実際に登場

丸太の家に秘鳥が遊びに来た際、一緒にテレビゲームで遊んでいた。そのゲームが公式サイトにて実際にプレイすることができる。
青のビーバーを操作して、ピンクのビーバーよりも早くにゴールすることを目指すタイムトライアルゲームとなっており、サウンドも流れる本格的なゲームである。
上位の成績を残したプレイヤーは公式サイトのランキングに発表されている。

『ミギとダリ』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):そらるとりぶ『ユウマガドキ』

作詞・作曲・編曲:煮ル果実

ネットで活躍する人気の歌い手のそらるとりぶがタッグを組み、『ミギとダリ』のオープニングテーマを担当した。2人はニコニコ動画やYouTubeで活動する10年来の盟友であり、タッグは初となる。

avec-toi7
avec-toi7
@avec-toi7

目次 - Contents