それじゃあ吉田くん!(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『それじゃあ吉田くん!』とは『月刊コミックブレイド』にて2002年5月号から連載が開始された、よしむらなつきによるコメディー漫画作品。現代の日本を舞台に、魔界の住人や個性豊かなキャラが繰り広げるドタバタなギャグが魅力の作品である。ごく平凡に暮らしていたマイペースな男子高校生・吉田カオルは、ある日突然魔界の王から魔王として任命される。その日を境に、カオルの下には魔王の座を狙う魔界の住人達が襲来するようになり、幼馴染みの和泉あげはを巻き込んだ非日常的な生活が始まってしまう。

魔界反乱軍

イシマがボスを務める組織。
イシマを支持する魔物達で構成されていて、イシマを魔王にするべく活動している。
作中に登場するのはイシマとその秘書、スパイ活動を行うイデアと魔界反乱軍四天王のみ。

魔界反乱軍四天王

イシマがカオルを倒す為に用意した集団。
断崖にそびえ立つ5階建ての塔の1階ずつに配置され、あげは救出に向かうカオル達を足止めした。
構成員は、破壊力抜群の人造人間・フラン。ソニアの幼馴染みのコウモリ女・トリニティー。女好きの魔剣士・リュカ。「暗黒の覇者」を名乗る巨大な魔獣・ガルム。

勇者

魔王を倒す存在。
商店街で鮮魚店を営む魚住家は代々この勇者の家系である。しかし、勇者が実際に魔王を倒したのは数百年程前のことで長らく平和な時代であった為、その使命はほとんど失われていた。
千尋の代で人間であるカオルが魔王になった為、魔王が人間界に攻め込んできたと勘違いして戦いを挑むがあっさり敗北する。

魔女の心臓

魔女一族に伝わる魔王への生贄の印。
魔女の一族では3000年に一度とてつもない魔力を持って生まれた魔女は、時の魔王に身を捧げるという掟があった。空に9つの月が揃う年に魔女の心臓は完成するとされ、魔王への貢ぎ物として献上される。
オルフェは生まれながらにしてこの魔女の心臓を持っていて、魔界にある森の一角に軟禁されて生活していた。魔女の心臓には、魔族には強大な魔力を与え、人間には不老不死の力を与えるという力がある。

『それじゃあ吉田くん!』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ダークフリート「それじゃあ吉田くん!」

第1話の冒頭で魔王ダークフリートが発したセリフ。
強大な魔力で魔界を制圧したダークフリートは、魔王として君臨していた。しかし、王になったものの面白いことは特になく飽きてしまったダークフリートは、部下達に向かって「もう王様やめるね!」と言い出す。
凶暴な魔物も多い魔界では、力ある者が魔王として治めていなければ均衡が崩れてしまうので、魔王の存在は絶対であった。そこで、ダークフリートは適当に「それじゃあ吉田くん!」と宣言する。
この発言により、知らないところでカオルは魔王に任命され、本作の物語が始まるのである。

魔女の心臓を奪ってイグニスが魔物になるシーン

魔女の心臓を持つ者は、一族に伝わる呪いにより時が満ちれば時の魔王の生贄として献上される存在である。魔王が魔女の心臓を取り込むと強力な魔力を得ることとなり、これにより魔界は長らく均衡を保ってきていた。
心臓を取り込まれた魔女はその場で死亡し、3000年後に再び呪いによって再び生を受けることになる。しかし、魔力を全く持たない人間が魔女の心臓を得た場合、不老不死の体を手に入れると同時に呪いも人間に引き継がれる。魔王親衛隊長・メイベルからその事実を聞いたイグニスは、オルフェを助けたい一心で一芝居うってオルフェの体から魔女の心臓を抜き取り自分の体と融合させた。
オルフェが受け継いできた魔女の呪いはこれにより解かれ普通の魔女となったが、呪いを受け継いだイグニスは理性を失い醜い魔物の姿に変わり果ててしまう。心臓の力で辛うじて生きている状態であった瀕死のイグニスを、メイベルは厚意で人間の姿に戻して人間界へ帰したのだった。

あげは「いい加減にしないと私本気で怒っちゃうよ?」

最終話で調子に乗るカオルに対して、怒りを露わにしたあげはが発したセリフ。
魔王として人間界を支配し始めたカオル。あっという間に人間界を征服して魔界と繋げてしまう。
勢いに乗じてやりたい放題のカオルを大人しくさせる為に立ち上がったのが、カオルの幼馴染みであるあげはだった。
あげははカオルに勝負を挑み、なんとか勝利する。しかし、往生際の悪いカオルはトレードマークの半纏を着るとパワーアップして、なおも人間界を恐怖に陥れようとするのだった。
あまりにもしつこいカオルの魔王ごっこに怒りを露わにしたあげはは、本気で腹を立て「いい加減にしないと私本気で怒っちゃうよ?」と静かに言い放つ。あげはの怒りに迫力負けしてしまったカオルは、「ごめんなさい」と素直に謝罪して魔王の座をあげはに譲り渡すのだった。

『それじゃあ吉田くん!』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

魔界キャラの名前の多くは化粧品ブランドが元ネタ

本作に登場する魔界キャラの名前は、その多くが化粧品ブランドや商品名が元ネタとなっている。
魔王親衛隊の隊長として登場するランスは「クラランス」、ソニアは2015年まで化粧品を展開していた「ソニアリキエル」が元ネタである。ソニアの部下であるエクラタンはソニアリキエルから出ていたファンデーションの商品名であったり、魔女オルフェも「カネボウ化粧品」から発売されている化粧水の名前となっている。
この裏話は、単行本4巻のあとがきの中で作者であるよしむらなつき本人が明かしている。

吉田モモコは官能BL小説家

小説家として登場するカオルの母・モモコ。
作中では小説家であること以外の情報は特に書かれていないが、単行本3巻の表紙裏に書かれたおまけ漫画の中で成人向けのBL小説を書いていることが明かされている。その界隈では人気の作家らしく、結構な売れっ子小説家として稼いでいる。

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