史上最強の弟子ケンイチ(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『史上最強の弟子ケンイチ』とは、松江名俊による漫画。2002年から2014年にかけて『少年サンデー』で連載された、格闘技を題材とした作品である。2006年にはアニメ化するなど高い人気を誇ったが、編集部からの要請で物語終盤の展開をむりやり畳む形で打ち切りになった。
高校生の白浜兼一は、イジメられっ子からの脱却を求めて近所で見つけた梁山泊という道場の戸を叩く。ここには空手や柔術、中国拳法の達人がそろっており、彼らによる徹底的な指導を受けた兼一は格闘家として急成長し、様々な敵と戦っていく。

岬越寺秋雨(こうえつじ あきさめ)

CV:小杉十郎太

梁山泊に集った達人の1人。物事柔らかい書生風の人物で、「哲学する柔術家」の異名を持つ。かつては自身もイジメられっ子だったらしく、「イジメっ子たちを見返したい」というケンイチの当初の目的に共感を示していた。
様々な知識を身に着けており、「この程度なら治せる」を通り越して「この程度なら蘇生させられる」という前提でケンイチを鍛えている。このためケンイチからは特に恐れられているが、毎度のように言葉巧みに彼を誘導して修行させている。

馬剣星(ま けんせい)

CV:二又一成

梁山泊に集った達人の1人。「あらゆる中国拳法の達人」であり、隼人を別にすれば師匠たちの中で唯一の妻帯者。スケベな性格で、たびたび女性相手に鼻の下を伸ばしてはピンチに陥っている。
ケンイチのことはかわいがっており、過酷な修行で意識を失ったところを介抱することも多いため、彼からは感謝されている。しかし修行は修行で他の師匠たちに勝るとも劣らぬ過酷なものを押し付けるため、結局やっぱり怖がられている。

アパチャイ・ホパチャイ

CV:石丸博也

梁山泊に集った達人の1人。「裏ムエタイ界の死神」の異名を持つムエカッチュアーだが、本人は至って平和的で、非常に明るい性格。動物に好かれる気質で、よく小鳥をかわいがっている。
梁山泊の達人たちがケンイチに修行をつける姿を見て、「自分もやってみたい」と後から師匠に名乗り出る。優しくて明るいアパチャイが技を教えてくれることにケンイチは安堵していたが、細かいことを考えるのが苦手なため修行は組手が中心となり、手加減を間違えて彼を失神(もしくは心停止)させることも少なくなかった。その都度慌てて秋雨や剣星を呼んで処置してもらっている。

香坂しぐれ(こうさか しぐれ)

CV:能登麻美子

梁山泊に集った達人の1人。「剣と兵器の申し子」を持ち、剣術から槍術、鎖鎌のような変わり種まで様々な武器術を極めている。師匠たちの中ではもっとも若く、年齢は10代後半から20代前半。ダウナーな性格で、一人称は「ボク」。
武器術の対策が必要になってからケンイチに修行をつけるようになる。ケンイチはあくまで素手での格闘術を己の基本技していたため、指導は「対策を教える」形のものが中心だったが、弟子として彼のことをかなり気に入って目にかけていた。

『戦え!梁山泊 史上最強の弟子』には登場せず、本作で追加されたキャラクターである。

『史上最強の弟子ケンイチ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

修行に励む若き格闘家と、彼らを導く表と裏の達人たち。「格闘技」というものを様々な角度から描き、その中で生まれるドラマを描いた『史上最強の弟子ケンイチ』には、印象的なセリフが数多く存在する。

renote.net

『史上最強の弟子ケンイチ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作者も関わったアニメ版声優決定

本作のアニメ版では、小杉十郎太や石丸博也などのベテラン声優が数多く登場する。これは作者である松江の「師匠たちの声は、それを聞くだけで実力者だと感じられるほどの迫力と演技力のあるベテランに担当してほしい」との要望が作用している。

打ち切り騒動の裏事情

12年もの長きに渡り連載された『史上最強の弟子ケンイチ』は、当時の『少年サンデー』を支えた作品の1つだった。連載終盤でも高い人気を誇っていたが、物語は急展開して完結する形となっている。
これは「作品はまだ十分に人気があるが、さすがに長期連載が続いていて新規のファンが増えにくい。松江という漫画家に長く活躍してもらうためにも、彼の新作が欲しい」という編集部側の思惑があり、松江は熟慮の上でこれを承諾。「2年はかかる」と見ていた終盤の展開を1年で終わらせ、新作の準備に取り掛かった。

この打ち切りの判断は、『史上最強の弟子ケンイチ』という作品そのもののファンの中には「残念だ」とする者も少なくないが、松江という漫画家のその後を考えれば「新しいファンを獲得しやすい新連載に舵を切ったことは英断である」とする意見も存在する。

海外で絶賛された本郷晶とジュナザードの戦い

物語後半で繰り広げられた本郷晶とジュナザードの戦いは、共に主人公から見て敵キャラクター同士の対決であり、「作中最強クラスの力を持つジュナザードが一国を巻き込む謀略を巻き起こす中、“ジュナザードを倒す”ことを決意して修行を重ねた本郷が己の全てを懸けて挑む」という構図で話題となった。
その先の読めないスリリングな展開と壮絶な決着は高く評価され、特に海外のファンの間では語り草になっている。

『史上最強の弟子ケンイチ』の主題歌・挿入歌

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