哲也~雀聖と呼ばれた男~のネタバレ解説・考察まとめ

『哲也~雀聖と呼ばれた男~』(てつや じゃんせいとよばれたおとこ)とは、 原作:さいふうめい、作画:星野泰視による漫画。戦後間もない頃の日本を舞台にした賭け麻雀の世界と、その中で生きる玄人たちの姿を描いている。主人公と同じ名前で麻雀の修行と取材をしていた小説家の色川武大をモデルとしている。
戦時中に博奕を覚えた阿佐田哲也は、戦後仕事も無い中で賭け麻雀を生業とする玄人の世界に魅せられ、そこに飛び込む。天性の豪運と流れを読む力に長けた哲也は、やがて「雀聖」として玄人たちの間で恐れられていく。

CV:大塚周夫

新宿で活動していた玄人。賭け麻雀の世界に入って間もない頃の哲也に玄人の凄みを見せつけ、その力量に感服した彼の師匠となる。哲也の素質とセンスを認めて自分の技を教え込み、引退を決意するまでは彼とのコンビで大いに活躍した。
玄人として独り立ちした哲也も感嘆するほどの技量の持ち主。「握り込み系の技は邪道」とする場面があるが、哲也がこの手の技を使う際は特に咎めておらず、あくまで個人的な主義のようである。

印南善一(いんなみ ぜんいち)

CV:戸谷公次

玄人になる前の哲也が出会った博奕打ち。イカサマ技を駆使して哲也を苦戦させるも、印南自身も哲也の豪運に驚き、互いに博奕打ちとしての力量を認め合う。再会を約して別れる際、哲也に「もっとも儲かる博奕は賭け麻雀だ」と教え、それが新宿で盛んに行われていることを教える。
結核に侵されていて体力が無いため自分では賭け麻雀には手を出していなかったが、哲也への対抗心などから自身も玄人となる。苦痛を紛らわせるためにヒロポンという安価な覚醒剤に手を出すようになり、その瘦せ衰えた鬼気迫る姿から「死神」の異名で恐れられるようになった。

死の淵にいることで集中力が研ぎ澄まされ、麻雀牌の裏側の模様で“どの牌がどこにあるか”を判別する「ガン牌」という技術を獲得する。玄人として哲也に敗れた後、故郷の函館に戻るも、その地で対局中に絶命するという壮絶な最期を遂げた。

ドサ健(ドサけん)

CV:大塚明夫(ゲーム版)

上野を中心に活動する玄人。物語中盤から登場し、上野の玄人たちの戦力拡大のために暗躍。新宿の玄人を代表する存在である哲也と幾度となく衝突する。
ロマンチストな一方で徹底したリアリスト。最終学歴は小学校中退で、「自分の人生にとって一切無駄な知識をつけず、自然から抜け出してきたかのように純粋な知性と直観力の塊」と哲也を警戒させた。

『哲也~雀聖と呼ばれた男~』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

賭け麻雀の世界に身を置く人々の日常と、彼らによるヒリつくような対局を描いた『哲也~雀聖と呼ばれた男~』には、数々の名セリフが登場する。
知略の限りを尽くす哲也たちの戦いは、時に命懸けのものともなり、見る者の心を鋭く貫くインパクトを備えている。

renote.net

『哲也~雀聖と呼ばれた男~』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

哲也の黒シャツの変遷

物語当初は白シャツを着ていた哲也だが、玄人として独り立ちした頃から黒シャツを着るようになっている。これは「哲也が玄人になったことをビジュアルでも分かりやすい変化で表してほしい」との編集部の意見を作者サイドが組み入れたもので、モデルとなった色川武大の小説の中にある「風呂に入らず服も洗わないのでシャツが黒くなる」という描写を参考にしている。
黒シャツだけでは寒そうに見えることから、物語内部の季節に合わせてジャケットを着せることもあったが、「カッコ良くない」との理由から結局哲也は黒シャツのみを着るようになった。

担当声優たちの麻雀歴

アニメ版で哲也の声を担当した置鮎龍太郎は、当時は麻雀の経験がまったくなく、「麻雀の役や用語は意味が分からないまま演技していた」と当時を振り返っている。
一方、房州役の大塚周夫は「若い頃は麻雀にハマり、徹夜するのも当たり前なほど夢中になっていた」と語り、“くわえタバコしながらしゃべる”様子を再現するために火をつけていないタバコをくわえて収録に臨むなど役作りに励んだという。

『哲也~雀聖と呼ばれた男~』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):和田アキ子「REACH OUT」

作詞:森若香織
作曲、編曲:朝本浩文

ED(エンディング):磯野テルオ「果実」

作詞:タカミサトル
作曲、編曲:磯野テツオ

挿入歌:松崎しげる「ALL LAST」

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