僕と君の大切な話(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『僕と君の大切な話』とは、2015年から2019年までろびこが『デザート』にて連載していた少女漫画である。女子高校生の相沢のぞみは、同じ学年の東司朗に片思いをしていた。ある日、勇気を出して司朗に告白をしたのぞみ。しかし司朗の返事は「そういうのよくないよ」と冷たいものだった。女子に対して偏見が強い司朗と、少し世間知らずで少女漫画に夢見がちなのぞみ。嚙み合わない2人だったが、会話を通じて次第に距離が縮まっていく。キャッチコピーは「新感覚“トーキング“ラブコメティー」。

野呂(のろ)先生

平和台高校の社会科教師。生徒思いの心優しい先生。
鈴が体調不良で倒れた際、親身に家庭の事情に耳を傾けてくれたため、鈴が思いを寄せることとなる。

『僕と君の大切な話』の用語

平和台高校

のぞみたちが通う高校の名前。また、高校の最寄り駅は「へいわ台駅」という名称となっている。

ポケットキングダム

司朗が収集しているカードゲーム。司朗は毎週末ゲームの大会に出場するほど熱中している。ファンからは「ポケキン」の愛称で呼ばれている。

『僕と君の大切な話』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

東司朗「たとえば僕と君が違う星の人間だとしてそれをつなぐのは言葉だろう だったらこちらから閉ざしてしまうのはあまりにもったいない」

司朗の話す「女性観」や、のぞみの思う「男性観」は偏った考え方があり、両者はどうしても意見の食い違いが生まれててしまう。あまりの感覚や感性の違いに司朗は「やっぱり僕と君ら女性とは同じ星の人間とは思えない」とため息をもらす。のぞみは司朗に「ならどうして拒まないの?」と問う。のぞみとは初めてまともに会話をした時から、考え方の違いで議論にもなったが、それでも司朗はのぞみを拒んだり避けたりしないことに疑問を感じていた。司朗は「たとえば僕と君が違う星の人間だとしてそれをつなぐのは言葉だろう だったらこちらから閉ざしてしまうのはあまりにもったいない」と答える。司朗はたとえ意見が嚙み合わない相手でも、いつも話し合って分かり合うことを諦めてはいない。我が強く語気が強いこともあるが、決して相手を言いくるめて思い通りにしようという考えは司朗にはないのである。この作品のテーマである対話を象徴するエピソードである。

のぞみがラスクを司朗の口へ運ぼうとするシーン

昼休みを一緒に過ごすようになったのぞみと司朗。毎日昼食を共にして他愛のない話をする日々を送るが告白はうやむやなまま、何の進展もないことにのぞみはやきもきしていた。
少しでも自分を女の子として意識してほしくて手に持っていたラスクを司朗の口に入れてあげようとするが、司朗は全く動じずに袋に入っているラスクを自分で手に取り頬張る。のぞみは必死に「いい雰囲気」を作ろうとしたが司朗にスルーされたため自分は女の子として全く意識されていないと思い悲しむシーンである。

はまりん「今日誘ってくれてありがとう のぞみんと水族館に来れてすごく嬉しかった」

司朗のクラスメイトがチケットを分けてくれるということで、クラスメイトたちと一緒に水族館に行くことになったのぞみとはまりん。人見知りのはまりんはほとんど話したことがない人たちと一緒に水族館に行くことに不安を抱えていた。しかし、現地に集合すると仲の良い人同士で行動することになり、はまりんはのぞみと一緒に水族館を見て回れたため一安心していた。しかし、司朗のクラスメイトの七島がのぞみに「東と付き合わないの?」と話しかけてくる。七島は悪意はないのだが、恋愛事情にずかずかと踏み入ってくるような話し方にのぞみは困惑してしまう。どう答えたら良いか困っているのぞみの代わりに、はまりんは「失礼じゃないですかいきなり」「そんなのあんたらに言う必要ありますか」と言う。横から邪魔をしてきたはまりんに怒った七島は「なんだあ?このチビ」と喧嘩をふっかける。売り言葉に買い言葉で口論になってしまったはまりんと七島。せっかく皆で来ているのに場の空気を壊してしまったことに罪悪感を抱いたはまりんは、皆から離れて1人になる。
深海魚の水槽の前で、はまりんは「4組の人たちはきっとにぎやかな熱帯の海 そしてあたしは誰もいない深海の底だ」と考える。自分が皆と違う海に生きているからうまく馴染めないのだと落ち込む。そこにカフェインがやってきて、はまりんの様子をうかがう。はまりんは「トラブル起こしてごめん」と謝るが、カフェインは「いや いーんじゃない?」と、七島と喧嘩したことを責めるわけでもなく、むしろ肯定する言葉を掛ける。それからポツポツと会話をしていくうちに、今ならカフェインと落ち着いて話が出来ることに気付くはまりん。普段はカフェインを避けて上手く話せないはまりんだが「今日誘ってくれてありがとう のぞみんと水族館に来れてすごく嬉しかった」と気持ちを伝えることが出来たのだった。

鈴の告白を後押しするのぞみ

鈴が片思いをしている野呂先生が実は結婚していることが判明する。鈴は生徒と教師という間柄だけでも恋が成就する可能性は低いのに、結婚しているとなるともう全く可能性がないのだとショックを受ける。泣きながら「見てるだけで終わっちゃった」という鈴にのぞみは励ましの意味で「その気持ち、先生に伝えるんです」と、一緒に泣きながら鼓舞する。のぞみは自身も1年近く司朗を見ているだけで告白が出来なかったので、「伝えたくても伝えられない」もどかしい思いに共感していた。なぜかのぞみの方が号泣し、その姿に心打たれた鈴は野呂先生に告白することを決意した。

『僕と君の大切な話』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

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