となりの怪物くん(とな怪)のネタバレ解説・考察まとめ
「となりの怪物くん」とは、ろびこ先生原作で講談社デザートに2008年10月号から2013年8月号まで本編が連載され、2013年10月号から2014年1月号まで番外編が連載。2012年よりテレビアニメ化。略称は「とな怪」である。
『となりの怪物くん』のあらすじ・ストーリー
主人公・水谷雫は、幼少期からトップの成績を取ることしか興味が無く、生き物に対しての慈しみも乏しい。周囲から「ドライアイス」とあだ名をつけられるような勉強の虫だった。
雫は高校へ入学して間もなく、担任から席が隣同士だからとの理由で依頼されてプリントを届けたことがきっかけで、入学式当日に流血事件を起こし、停学処分解除後も不登校を続ける問題生徒・吉田春(通称「ハル」)と知り合うことになる。
本当の友達がいないハルの思い込みや勘違いも手伝い、非常に気に入られ、迷惑しながらも雫はハルの世話を焼くようになり、やがてハルは登校を始めて2人の感情に変化が訪れる。
実は頭脳明晰だが、暴力的で奇行が目立つために友人を求めながらも孤立してきたハルと、成績こそ全てと優秀な自分を維持するために他人との関わりを排除してきた雫、不器用な2人が出会ったことにより、取り巻く人間関係もそれまでとは大きく変わっていく。
主要人物
水谷雫(みずたにしずく)
声 - 伊瀬茉莉也 / 戸松遥
主人公。冷静かつ淡白な性格の少女。髪型はいつも二つ結び。2月14日生まれ。B型。身長は158cm。松楊高校在籍。1年B組→2年B組。家族構成は、父、母、弟。第一回人気キャラ投票では、総合1位。
夢は「年収一千万」で母と同じ弁護士になりたいと思っており、目下の興味の対象が微分積分であるなど勉強にしか興味が無かった。学校の成績はハルに次いで学年次席。友達は不要だと思っており、加えて動物が苦手なために冷血人間と言われるものの、実は家族思いでかわいらしい格好が好きだったり意外と家庭的だったりと女の子らしい。節約家でスーパーで服を買っているため、普段の服装は地味でオシャレにも興味が無いが、本人は自分なりに可愛いと思ったものを着ている。出稼ぎ(単身赴任)で家にいない母親の代わりに家事全般をこなしており、料理上手である。家族を何よりも愛しており、弟の隆也を溺愛している。父親(声:子安武人)曰く、雫は母親に顔と声がそっくりで好きな色はピンクや黄色などの淡い色。運動神経は皆無。
不登校だったハルにプリントを届けたことで彼に懐かれる。最初は彼を鬱陶しく思っていたが、次第にその純粋さに惹かれてハルヘ恋心を抱く。また、ハル以外にもあさ子やササヤン、ヤマケンなどとも親しく付き合っていくようになり、人を思いやるようにもなっていく。一旦は勉強との両立を考えて恋心を封印したが、ハルのまっすぐさに触れて再び想いを募らせ、付き合うこととなった。ハルからの強い(強過ぎる)好意には辟易することも多々だが、自分を変えてくれた彼に対してお礼がしたいとも考えている。自分が欲しいものを持っていながらも、それを必要としないハルに多少なりとも嫉妬している部分があるのであった。
吉田 春(よしだ はる)
声 - 鈴木達央、村瀬歩(幼少時代)
雫のとなりの席の超問題児。通称「ハル」。4月2日生まれ。O型。身長は178cm。1年B組→2年A組。家族構成は父、継母、兄。現在は従兄のみっちゃんが保護者となっている。第一回人気キャラ投票では、総合4位(好きな男キャラでは1位)。
イケメンで天才でケンカが強いにも関わらず、非常識な変人で人間関係が極度に苦手。だが本心では友達が欲しくてたまらないらしく、他人と関わろうとすることもある(よく失敗している)。実は頭が非常に良く、雫を抜いて学年トップの成績。一人遊びが得意で、手先は非常に器用。元は名門の海明学院の生徒だったが、問題を起こしてササヤンと同じ中学へ転入。しかし、その中学校でも問題を起こし、不登校のまま卒業してしまう。天才であるため、父親や周りの人間から期待されることも多いが、本人はそれを疎ましく思っているためか、シズクや叔母の京子さんや男鹿先生など、自分に過度な感情を向けないような静かで穏やかな物腰の人に懐いている。兄の優山とは昔は仲が良かったものの、現在は非常に仲が悪い。顔が良くハンサムなため、女子からは目の保養としてモテている。動物好きでニワトリの名古屋(声 - 小野友樹)を校内で飼っている。天然パーマを気にしており、過去にストレートパーマをかけたこともあった。
雫と触れ合ったときに「温もり」を感じ彼女に懐く。その後彼女への恋愛感情を自覚し積極的にアピールしているが、いかんせんろくに人と関わったことが無いので空回りすることが非常に多い。また、雫には強い独占欲も抱いており、彼女に興味を示すヤマケンを強く敵視している。以前は雫に好意をぶつけるばかりだったが、ササヤンや優山の言葉がきっかけで彼女を安心させたいと思うようになり、すれ違いがあったものの、雫と無事に付き合うこととなった。
夏目 あさ子(なつめ あさこ)
声 - 巽悠衣子 / 種﨑敦美
雫達のクラスメイトで彼女たちの友人で口調はくだけた敬語。7月2日生まれ。O型。身長は157cm。1年B組→2年B組。家族構成は母のみ。第一回人気キャラ投票では、総合2位(友達になりたい女キャラで1位)。
美少女で、月に3度は告白されるほど男子からの人気が高いが、本人はそれが大嫌いである。素直で明るくアップダウンの激しい性格だが、泣き虫で男子には冷たく彼女のことを知らない人物からはクールとも言われている。成績は悪く、赤点と補習の常習者。高校には一発芸(AO入試)で入ったらしい。
中学時代に女友達の好きな人にことごとく告白されて孤立した経験があり、それが原因でネットの世界に逃げ込み男子が苦手になった(ハルやササヤンは平気)。コミュニティーサイトのオフ会に行くため、雫達に勉強を教えてもらい仲良くなる。その後退会し、現在は「ゴルベーザあさこ」のハンドルネームでブログをやっている。かなりのファザコンで裕福に育ったらしいが、父の所在は未だ明らかにされていない。可愛いものが大好きでオシャレも好きだが、中学時代は一時期周りの目を気にしてオシャレすることを止めたりなどして、変な方向に振り切れていた。高校デビューするべく中学の同級生がいない松楊高校を受けたため、家は一番遠い。学校にはスクールバックを使っており、パソコンやおもちゃが入っている。あくまでおしゃれは可愛い自分を保つためである。好きな色は青。 雫が大好きで大親友として「ミッティ」と呼んでいる。彼女とハルの恋を応援していて、ゆえにヤマケンが嫌いで敵視している。
大人で優しいみっちゃんに片思いをしており、初めての恋に燃えて猛烈にアピールしていたもののフラれてしまう。その経験により、今まではすっぱり切っていた告白も断ることに罪悪感を持つ。 またササヤンからの告白を受けるが、微妙な距離を取ってしまうことになる。
佐々原 宗平(ささはら そうへい)
声 - 岡本信彦 / 逢坂良太
雫達のクラスメイトで野球部部員。通称「ササヤン」。10月16日生まれ。A型。身長は164cm。1年B組→2年B組。家族構成は、祖母、父、母、兄が3人。第一回人気キャラ投票では、総合3位(友達になりたい男キャラ1位)。
変人ぞろいの作中では貴重な常識人で、誰とでも仲良くなれる明るく爽やかな親しみやすい人柄のため、友達も多く顔も広いが、そこをハルとあさ子には妬まれている。シズクたちの中で唯一空気が読めて自分の意見も言えるため、一見大人に見えるが、みっちゃんに対抗意識を燃やしたり、あさ子に近づく安藤を警戒したりと、負けず嫌いの男の子らしい男の子である。
密かに人間関係に鋭いところがあり、あさ子のみっちゃんへの恋心やハルが雫に過剰にこだわりすぎていることを看破した。彼の言葉がハルを成長させたこともある。中学はハルと同校(会ったことはなかった)。成績は良くないようだが何だかんだで難(赤点や補習)を逃れるタイプ。修平(24)恭平(22)翔平(19)という3人の兄を持つ4人兄弟の末っ子で、野球部や他の友達といる時はやんちゃな面が目立っているらしい。父の影響で野球好きであり、小学校からずっと野球をしており、部活のポジションはショート。
ハルには借りがあるらしく、彼が学校で上手くやっていくことを望んでいる。彼と下柳が気が合うと踏んでハルに自分の男友達を紹介した。シズクとハルの関係を見守っており、ハルに助言などもたびたび行っている。
あさ子と普通に話せる数少ない男子で、性格の違いからケンカしたこともあるが仲は良い。あさ子のみっちゃんへの恋を本人よりも先に気づき、応援すると言ったものの、そんなあさ子の真っ直ぐさに惹かれていった。あさ子に告白したものの彼女の男嫌いを気遣って、普段通りに接しているが諦めてはいない様子。
友人・周囲の人々
山口 賢二(やまぐち けんじ)
声 - 寺島拓篤、喜多村英梨(幼少時代)
海明学院の生徒でハルのライバル(主に雫関係)。通称「ヤマケン」。5月9日生まれ。A型。身長は177cm。家族関係は祖父、祖母、父、母、妹。好きなタイプは連れて歩ける女で迷子系男子である。
山口総合病院の息子で金持ちであり、見た目もよく成績優秀なエリート学生。極度の自信家で非常にプライドが高いが、一人で出歩くと迷子になってしまう程の方向音痴でもある。幼等部から初等部までハルと同校で、その頃はハルをいじめていたが、その際にハルをかばった学生時代の優山にトラウマレベルの報復を受けたらしく、優山がすごく苦手である。ニンジンと白菜が嫌い。
ハルをたかっていたのを雫に注意されたことがきっかけで彼女と知り合う。雫とは同じ予備校で冬期講習は(ハルへの対抗心もあって)同じ講習に参加しており、最初こそ「ガリ勉」「地味」だとまるで女性として見ていなかったが、文化祭や冬期講習で彼女に惹かれていく。雫が「ハルを好きな女」だと知りつつも何とかアピールしようとしているが、プライドが邪魔して素直に自分の気持ちを本人に表せていなかった。結局、高2の雫に告白して玉砕することになる。1歳年下の妹がいる。
第1巻から3バカと一緒に登場しているが、主要人物として昇格したのは“当て馬”要員になった第3巻から。第4巻ではヤマケンのターンといっていいほど見せ場がある。
大島 千づる(おおしま ちづる)
声 - 早見沙織 / 花澤香菜
雫達の隣のクラスの委員長。数少ない常識人。1月19日生まれ。A型。身長は165cm。1年A組→2年A組。家族構成は、父、母、姉。
背が高く顔も可愛いため男子に人気があるが、真面目で控えめな性格。入学直前に風邪をこじらせ入院しており、1週間後登校してきた時にはすでに教室内の人間関係が出来上がっていたため、友達がいなかった。家は呉服屋で、「それでもキンタマついてんのか」は父の口癖だった。以来父を少し恨んでいる。口の悪い父と姉を見ながら絶対にこうはなりたくないと思いつつも、真面目な自分が面白味の無い人間に思えて悩んだりもしている。背が高いことを気にしており、あまり可愛い服を着たがらない。ハルのことが好きだがハルと雫が好き合っていることにも当然気付いており、自分の気持ちをひた隠しにしていた。結局、バレンタインにチョコを渡し、その後告白して玉砕したが、改めて友達になった。
宮間 有(みやま ゆう)
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