悪役令嬢レベル99(ラノベ・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『悪役令嬢レベル99 〜私は裏ボスですが魔王ではありません〜』とは、七夕さとりによるライトノベル。WEB小説として「小説家になろう」で公開され好評を博し、2024年にはテレビアニメ化を果たす。
乙女RPG「光の魔法と勇者様」の世界に、裏ボスの立場の悪役令嬢として転生したことに気付いたユミエラ・ドルクネスは、「このままでは主人公たちに殺される」と考え、平穏な人生を送ることを目的に暗躍を開始。しかし保険として己を鍛え抜いた結果レベル99に達してしまい、かえって周囲の人々を警戒させてしまう。

『悪役令嬢レベル99 〜私は裏ボスですが魔王ではありません〜』の概要

『悪役令嬢レベル99 〜私は裏ボスですが魔王ではありません〜』とは、七夕さとりによるライトノベル。
WEB小説サイト「小説家になろう」で公開されて好評を博し、2020年にはコミック版、2021年にはボイスコミック版が制作され、2024年にはテレビアニメ化を果たした。

ユミエラ・ドルクネスが前世の記憶を取り戻し、“乙女RPG「光の魔法と勇者様」の世界に、裏ボスの立場の悪役令嬢として転生した”ことに気付いたのは5歳の時のことだった。このままゲームの通りに物語が進んでいけば、成長した自分が主人公であるアリシア・エンライトに倒される運命にあることを知ったユミエラは、そうならないよう慎重に立ち回ることを決意する。
しかし、「もしもの時の保険に」と魔物相手の戦闘とレベルアップを繰り返した結果、ユミエラは15歳にして人間の強さの上限であるレベル99に到達。ゲームのメインの舞台となる王立学園に入学した際にそれが周囲にバレてしまい、「ユミエラこそがこの世を脅かす魔王の正体なのではないか」と怪しまれることとなってしまう。

『悪役令嬢レベル99 〜私は裏ボスですが魔王ではありません〜』のあらすじ・ストーリー

前世の記憶と王立学園への入学

ユミエラ・ドルクネスが前世の記憶を取り戻し、“乙女RPG「光の魔法と勇者様」の世界に、裏ボスの立場の悪役令嬢として転生した”ことに気付いたのは5歳の時のことだった。このままゲームの通りに物語が進んでいけば、成長した自分が主人公であるアリシア・エンライトに倒される運命にあることを知ったユミエラは、そうならないよう慎重に立ち回ることを決意する。
そのためにユミエラが考えたのが、「アリシアを含むゲームの主要人物4人には決して近づかない」ことと、「いざという時に身を守れるだけの力を手に入れておく」ことだった。魔物相手の戦闘訓練を重ねるユミエラだったが、生来の凝り性な気質を無駄に発揮してひたすらに鍛錬に励み、領地にいる魔物程度ではまったく相手にならないほどの魔法の使い手となる。

親の命令で王立学園に入学することとなったユミエラは、光魔法の使い手であるアリシア、第二王子エドウィン・バルシャイン、将軍の息子で剣士のウィリアム・アレス、大臣の息子で魔法使いのオズワルド・グリムザードといった面々が間違いなく存在していることを確認。「物語の通りだといずれ自分を殺しに来る連中だが、こちらからケンカをしたいわけでもないし、関わらないでおこう」と無視を決め込む。
しかし、入学式で現在のレベルを計測した際、ユミエラが人類の強さの限界であるレベル99に達していることが判明。凝り性の彼女はレベル上げに夢中になり、自分でも知らない内に本物の魔王をも超える力を手に入れていたのだった。この一件でユミエラの存在はアリシアたちからも注目されるようになってしまい、彼女の当初の目論見はあっさりと崩れ去る。

疑惑のレベル99

魔法だけでなく剣技でもレベルの差を見せつけるユミエラ

「ユミエラがレベル99である」ことは衝撃と共に学園中に知れ渡るが、一方でその大半は「何かしらの小細工で判定をごまかしたに違いない」と受け止めていた。エドウィン、ウィリアム、オズワルドも同様で、彼らは「化けの皮を剥がしてやろう」と様々な形でユミエラを試すが、彼女の実力の一端を思い知るだけに終わる。一方本来この物語の主人公であるアリシアは、不審と警戒の眼差しを向けてくるだけで、その真意はユミエラにも分からなかった。
やがてユミエラは王宮に召喚され、国王夫妻の前で改めて自分の実力を披露する。国王はユミエラがレベル99であることを認めて彼女の努力を称賛し、その力を国のために役立ててほしいと伝える。思っていた以上に聡明かつ親切な国王に感謝するユミエラだったが、王妃に密かに呼び出され、「これから国中の反体制派の貴族や外国の諸勢力があなたを味方に引き入れようとするだろうから、気を付けなさい」と忠告される。国王夫妻はユミエラの力を素直に認める一方で、それが彼女に厄介事を招くだろうことを危惧していたのだった。

国王夫妻が案じた通り、それから反体制派の貴族の子息から続々とアプローチされるようになったユミエラは、これをことごとくかわしていく。そんな中、反体制派の中心人物であるヒルローズ家の令嬢エレノーラ・ヒルローズから「エドウィンに近づくな」と釘を刺されたユミエラは、彼女がエドウィンのことが好きらしいことを察して適当に煽ててやり過ごそうとする。しかしこれでエレノーラから「私の恋心を理解してくれる友人」としてかえって気に入られてしまうのだった。
国王がその力を認めたことで、今まで怖がる一方だった学園の生徒たちも好奇心からユミエラに話しかけることが増えていく。エドウィンたちからも一応の謝罪を受け、これで平穏な学園生活が送れると安堵するユミエラだったが、アリシアから「あなたが魔王だという話は本当か」ととんでもないことを尋ねられる。なぜかアリシアはユミエラが「鋭い眼光を放つ怪しい黒い塊」に見えるらしく、これが彼女が警戒を解こうとしない理由だった。

初めての友達

アリシアに指摘されたことをきっかけに、学園内に「リュミエラは魔王なのではないか」との噂が流れ始める。孤立を深めていく中、リュミエラは「この学園に居場所がないなら、どこか別の場所に行けばいい」と考え始める。
しかしパトリック・アッシュバトンという少年だけは、そんなリュミエラに積極的に話しかけ、交流を保とうとしていた。比較的黒に近い色合いの髪を持つパトリックは、この国では不吉の象徴とされるそれを揶揄された過去を持ち、動揺に黒髪を持つリュミエラのことを気にかけていたのだった。

失敗しても、騒ぎを起こしても、「魔王」と後ろ指刺されても億すことなく自分と交流して公然と庇ってくれるパトリックを見ている内に、リュミエラは「この人とは友達でいたい」と思うようになっていく。
パトリックと一緒にいる時間が増えることで、学園の生徒たちの中にもリュミエラに話しかける者が増えていく。アリシアもその1人で、リュミエラは彼女から「光魔法のコツを教えてほしい」と頼まれる。珍しい魔法なだけに教えてくれる者もいないらしく、同じく珍しい闇魔法の使い手であるリュミエラなら何か分かるのではないかというのだ。リュミエラも光魔法は専門外だったが、自身の経験を下にアドバイスし、アリシアと少しだけ打ち解ける。

王子たちとの和解

パトリックと交流を重ねたリュミエラは、「自分はステータスは高いがそれを活かす技術も戦術もない、というかレベルアップばかりやってきたので知識が偏っている」と気付く。これを知るためにも勉学やパトリックとの模擬戦に励む中、リュミエラはウィリアムやオズワルドから「疑って悪かった」と謝罪を受ける。学園の中でリュミエラが起こす騒動を見続けた彼らは、彼女がレベル99であることをようやく認めるようになっていた。
そんな中、アリシアの私物が盗難される事件が起こる。濡れ衣を掛けられそうになったリュミエラは、これを晴らすために犯人が何者かを探り、エレノーラが周囲に唆されるまま事件を主導していたことを突き止める。エレノーラの影響力を鑑みて、リュミエラは「あなたのためにならないから2度とするな」と本人に直接釘を刺して後はだんまりを決め込む。これに感激したエレノーラは、リュミエラを「自分を止めてくれた本当の友達」だと認識して、以後彼女につきまとうようになるのだった。

竜の卵

1年の全ての授業が終わり、リュミエラたちは春休みを迎える。この間にリュミエラはドラゴン退治を依頼され、その報酬とばかりドラゴンの卵を入手。国王や学園長に許可をもらった上で、卵から孵ったドラゴンの子供を育てるようになる。リューと名付けた子ドラゴンは見る見る内に成長し、「今後国を脱出することがあれば乗り物代わりにしよう」程度に考えていたリュミエラもすっかり愛着を抱く。
しかし“リュミエラの力で育てられているドラゴン”の存在は、学園の他の生徒たちや町の人々からすると恐怖の対象でしかなく、リューはたびたび騒ぎを巻き起こす。パトリックからも心配されつつ、リュミエラは「リューはこんなにかわいいのに何を怖がっているのか」と首を傾げるのだった。

『悪役令嬢レベル99 〜私は裏ボスですが魔王ではありません〜』の登場人物・キャラクター

ユミエラ・ドルクネス

CV:ファイルーズあい

15歳にして人類の強さの限界であるレベル99に達した闇魔法使い。前世は現実世界の人間で、自分が今いるのが乙女RPG「光の魔法と勇者様」の世界であること、自分が裏ボスとして主人公たちに倒される悪役令嬢であることに気付き、平穏な人生を手に入れようと暗躍する。

パトリック・アッシュバトン

CV:内田雄馬

辺境の伯爵家出身の少年。実力的にはリュミエラに遠く及ばないが、決断力や指揮能力に優れる爽快な人物。
「黒い髪は不吉の象徴である」とされる作品世界にあって、自身の髪の色が黒に近いことを周囲に揶揄されながら育ってきた。このため黒髪のリュミエラに対して同情的で、学園でほとんど唯一恐れることなく彼女に接する。

アリシア・エンライト

CV:和氣あず未

「光の魔法と勇者様」の主人公。平民出身の光魔法の使い手で、優しく快活な性格。

エドウィン・バルシャイン

CV:八代拓

「光の魔法と勇者様」の攻略キャラクターの1人で、バルシャイン王国の第二王子。

ウィリアム・アレス

YAMAKUZIRA
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@YAMAKUZIRA

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