夫を社会的に抹殺する5つの方法(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『夫を社会的に抹殺する5つの方法』とは2022年より『DMMブックス』で連載開始した、三田たたみによる復讐がテーマの漫画。主人公の奥田茜は、夫の奥田大輔からのモラハラやDVに悩んでいた。ある時、大輔からの暴力が理由で流産してしまい、茜は夫への憎しみが抑えられなくなる。復讐の方法を考える彼女の元に届いた1通の手紙をきっかけに、大輔への本格的な復讐の物語がスタートする。夫婦や家族のあり方を考えさせられる、家庭を題材にしたサスペンスストーリーである。2023年、テレビ東京系列にてテレビドラマ化された。

『夫を社会的に抹殺する5つの方法』の概要

『夫を社会的に抹殺する5つの方法』とは2022年より『DMMブックス』で連載開始した、三田たたみによる復讐がテーマの漫画。
主人公で専業主婦の奥田茜(おくだあかね)は、クリエイティブディレクターを務める奥田大輔(おくだだいすけ)と結婚し幸せな家庭を築くことを夢見ていた。しかし結婚生活は理想とはかけ離れ、大輔からのモラハラやDVに苦しむことになる。子供さえできれば大輔が変わるだろうと信じていた茜であったが、ようやくできた子供は大輔の暴力によって流産してしまう。愛する子供を失ったことをきっかけに、大輔への復讐を決意する茜。そんな茜の元に、夫に復讐する方法を示唆する1通の手紙が届く。この手紙をきっかけに、茜の復讐劇が始まるのであった。さらに、『夫を社会的に抹殺する5つの方法』のシーズン2のマンガ配信も開始している。主人公は茜とは別の女性・日野美咲(ひのみさき)。「シーズン1とは質の違う、最恐で最悪な地獄をお届けできれば」と作者は語る。
2023年1月より、テレビ東京系列の「ドラマチューズ!」枠にてテレビドラマ化。主役の茜役を馬場ふみかが、夫である大輔役を野村周平が演じた。全10話でストーリが進む中、「結末が気になって一気見してしまう」と話題になった。「原作もドラマも良い」と評価され、ドラマは放送中にTVerの「お気に入り数」のナンバー1にも選ばれた。夫婦や家族のあり方を考えさせられる、家庭を題材にしたサスペンスストーリーである。

『夫を社会的に抹殺する5つの方法』のあらすじ・ストーリー

漫画版

復讐の始まり篇

奥田茜(おくだあかね)は、痴漢から助けてくれたことをきっかけに出会った奥田大輔(おくだだいすけ)と、交際半年で結婚し、専業主婦として夫を支えていた。毎日大輔にお弁当を作っても、受け取ってもらえないことにモヤモヤする茜。さらに、義母からは「子供はまだか」と催促され、ストレスを感じていた。毎日お酒を呑んで酔って帰ってきては、暴力を振るったり、無理矢理茜を抱く大輔。しかし茜は、子供さえできれば大輔が変わってくれると信じ続けていた。
そんなある日、茜の以前勤めていた会社の後輩である西野早苗(にしのさなえ)が茜の自宅に訪れる。その際に、茜に「幸せですか?」と尋ねる早苗。早苗は大輔の浮気現場を目撃していたのだ。大輔の浮気疑惑にショックを受けつつも、夫を信じようとする茜だったが、どうしても気になってしまい大輔のスーツのポケットを確認する。すると、ポケットの中からホテルの領収書などが出てきてショックを受ける。しかしその場面を大輔に見られてしまい、「毎日一生懸命働いている夫を疑っているのか」と暴力を振るわれてしまうのであった。
そうして大輔に暴力を振るわれ、無理矢理抱かれ続ける中で、茜は自身が妊娠していることに気づく。純粋に子供が出来たことに喜びを感じた茜は、結婚記念日の日に大輔にサプライズ報告を試みる。しかし当日、酒に酔ってきた大輔にお腹を蹴られてしまい、そのまま意識を失ってしまうのであった。茜が倒れたことなど知らず、家を出て行ってしまう大輔。時間が経って目を覚ました茜は救急車で搬送されるが、結局茜は大輔に妊娠の事実を告げることなく、流産してしまうのであった。
子供がいなくなったことにショックを受けた茜は、無気力な毎日を過ごすが、大輔はいつもと変わらない様子で彼女に接する。いよいよ自殺をしようかとも考えた茜の元に、出張中の大輔から1通のメッセージが届く。そこには、茜ではない別の女性に宛てた愛のメッセージが綴られていたのだ。大輔の裏切りに憎しみを感じた茜は、夫に復讐をすることを決意する。そんな茜の元にタイミングよく「夫を社会的に抹殺する5つの方法」という手紙が届くのであった。

1つ目の復讐篇

差出人不明であることを怪しみつつ、謎の手紙を開封する茜。しかし中に綴られていた「絶望の中で生き地獄を味わわせる」という内容に、茜はハッとさせられる。一瞬で殺すよりも、ジワジワと痛ぶり、苦痛を味わわせてから殺す方が良いと感じた茜は、しばらく大輔の前では良い妻を演じて、じっくりと復讐の方法を考えることを決意する。
夫が不在の日に、手紙に書かれていたビデオ通話のURLにアクセスする茜。そこには謎の仮面の男がいた。最初は怪しいと感じていた茜だったが、「恐怖への耐性が高い」「本当に心を開ける相手は少ない」など茜の性格を全て的中させる彼を信用するようになり、大輔への復讐の方法について、仮面の男に助言をもらうことを決意する。
仮面の男との通話の度に、メイクをして気合を入れる茜。しかしそんな茜を見た大輔に浮気を疑われ、お腹を蹴られたりと激しい暴力を受けてしまうのであった。彼からの理不尽な暴力に気力を奪われつつも、翌朝ポストに仮面の男から復讐指示が書かれた手紙を受け取り、元気を取り戻す茜。手紙には「生理的な欲求を満たさせない事で根源的な苦しみを与える」と書かれていた。
早速茜は、子供の月命日の日に復讐を実行することを決意する。大輔とデートを計画していた日の朝食に、下剤を混ぜ込んでいたのだ。時間を見計らって、大輔を映画に誘う。映画中に便意を催す大輔だが、我慢して最後まで映画を見る。その後慌ててトイレに駆け込むも、茜の思惑通りトイレは混雑しており、すぐに用を足すことが出来ないのであった。諦めた大輔は、家まで我慢しようとそのまま電車に乗るも、我慢できず電車の中で脱糞してしまう。プライドの高い大輔は絶望し、こうして茜の1つ目の復讐は成功するのであった。

2つ目の復讐篇

2つ目の復讐に向けて、再度茜は仮面の男とビデオ通話をする。次なる復讐のために、浮気相手の情報を集めるよう指示を受ける茜。大輔に盗聴器を仕掛け、茜は近所の喫茶店で盗聴をする。すると大輔と浮気相手の宇佐美麻里佳(うさみまりか)と2人で登山に行くという情報を突き止めるのであった。
仮面の男からのアドバイスを元に、「男友達と登山に行く」と嘘をつく大輔に登山当日、壊れたライトや謝った内容の地図、盗聴器付き充電器を持たせた上で、彼らを尾行する茜。登山中、行為を始めようとする2人の姿を目の当たりにし、吐き気を催す茜だったが、なんとか復讐に集中する。茜が渡した誤った地図によって、遭難する大輔たち。計画が崩されることが嫌いな大輔はイライラし、麻里佳と険悪なムードになる。さらに追い討ちをかけるように、茜による物音に驚かされた大輔は、麻里佳を置いて逃げようとしたところで、崖から転落してしまう。そんな大輔に対して、自身を置いて逃げようとしたことに愛想を尽かして、麻里佳は1人で帰ってしまうのであった。大怪我をした大輔は結局そのまま意識を失い、病院で目を覚ますのであった。こうして浮気相手を失った大輔。茜の2つ目の復讐が成功するのであった。

3つ目の復讐篇

2つ目の復讐が成功した後も、大輔の態度は変わらず、茜に対して暴力を振るう毎日が続く。すると仮面の男は、大輔のキャリアを奪うという3つ目の復讐を提案する。茜は、仮面の男から入手したUSBのデータを漫画喫茶で確認する。するとそこには、大輔の会社の後輩、安藤純(あんどうじゅん)のデザインを大輔が盗用している証拠のデータが入っていた。大輔は、純のデザインを元に自分のプロジェクトとして提出し、出世しようとしていたのだ。事実を確認すべく、大輔の部下と接触を図ろうと考えた茜は、大輔が会社の同僚との飲み会中に「体調が悪い」というメッセージを送り、大輔が会社の後輩を連れて帰宅するように促す。そこには、純の姿もあった。実は以前に茜が喫茶店で大輔の浮気を探るべく盗聴していた際に、気分が悪くなった彼女を純が助けていたことがあり、2人は顔見知りであった。話をするうちに純が大輔の被害者ではと疑った茜は、彼と連絡先を交換し連絡を取り合う仲になる。純が被害者だと確信した茜は、彼にUSBを託すのであった。一方の純も茜に対して好意を寄せており、茜を救うために自身が動くことを決意する。
そんな中、大輔が関西出張に行くことが決まる。彼が不在のタイミングで、水面下で動き出す純。USBのデータを元に、週刊誌に大輔のパクリ疑惑をリークし、その雑誌を法務部に見せて不正を報告するのであった。出張から帰ってきた大輔は、パクリ騒動により部長より辞表を出すように指示される。会社の人間からは白い目で見られ、ついに仕事も失ってしまうのであった。こうして茜の3つ目の復讐も成功に終わる。

4つ目の復讐篇

職を失った大輔のストレスは茜に向かい、彼女に対しての暴力、性的行為の強要などがさらに激しくなる。心身ともに疲れ果てた茜は、大輔を殺害しようかと考える。しかしそんな時、純から連絡が入り、思いとどまるのであった。茜が大輔の暴力に苦しんでいることを知った純は、茜に離婚をすべきだと伝える。しかし、復讐が終わっていない茜は、彼の提案をありがたいと思いつつも、断るのであった。
パクリ疑惑の記事が掲載された週刊誌が原因でなかなか再就職先が見つからない大輔。そんな中、彼の父から家業である奥田産業を継ぐよう連絡が入る。働き先が見つかり、生気が戻る大輔。仕事のために、茜たちは大輔の実家で暮らすことになる。実家に茜たちが戻ることを知った大輔の姉である奥田和美(おくだかずみ)。彼女はすでに実家とは縁を切っており、茜たちとも疎遠になっていたが、大輔と茜が実家に戻ることを知り、茜がより辛い思いをするのではと心配になり茜を訪ねたのだった。しかし、茜は復讐という目的のため、和美の心配をありがたく思いつつも実家に戻ることを決意するのであった。
仕事が決まり、さらに調子に乗る大輔。その上、奥田産業では残業も少なく、時間を持て余すようになった大輔はSNSを始め、それが意外にも多くの人の目にとまりインフルエンサーとしての頭角も表すようになる。
こうして順調に大輔の生活の立て直しが進む中で、茜に仮面の男から荷物が届く。開封すると、そこには古いガラケーがあり、なんと大輔が学生時代に同級生をいじめている動画が入っていたのだ。茜はすぐさまいじめられていた人物について調べ、榊達也(さかきたつや)とコンタクトをとるようになる。大輔から万引きを強要されたり、川に突き落とされたりといういじめの事実について達也から聞いた茜は、過呼吸になってしまうが、臨床心理士の資格を持つ達也に助けられる。茜が夫からDVを受けていることを知り、彼女の力になりたいと思う達也。そんな達也に茜も惹かれるが、復讐劇に彼を巻き込みたくないと距離を置くのであった。
しかし茜を助けたい達也は、自身のアカウントで過去の大輔のいじめ動画を拡散する。動画の拡散をきっかけにアカウントが炎上し、さらに有名な動画配信者からも大輔のいじめや盗作についての動画を配信されてしまう。結果的に炎上を抑えることができず、日本での居場所を失い海外へ逃亡するのであった。こうして茜の4つ目の復讐も成功に終わる。

5つ目の復讐篇

大輔が海外出張に行っている間、茜は仮面の男からの情報を頼りに、会社資金の不正利用について調べ始める。和美の紹介で、奥田産業の取締役、長澤光太郎(ながさわこうたろう)に会う茜。奥田産業の資金不正利用について相談すると、光太郎は経理の小村(こむら)が真相を知っていると突き止める。小村と話をする際に、光太郎は茜を恋人として同席させる。資金の不正利用について「知らない」とシラをきる小村だったが、明らかに誰かを庇っている様子に気づく茜たち。実は小村は、大輔の父の不倫相手だったのだ。結局小村からの情報を元に奥田産業にて緊急取締役会が開かれ、大輔の不正を暴くことに成功する。大輔は常務を辞任し、さらに社長である彼の父も不正を働いていたことが明らかになり、社長を辞任することになるのであった。
こうして茜の最後の復讐も成功に終わる。茜の復讐の結果、全てを失った大輔と、彼の両親。怒り狂う大輔の父は、大輔に暴力をふるう。大輔の母は彼を守ろうとするも、大輔からも拒絶されてしまう始末。さらには、自分の夫が小村と不倫していたことを知り、絶望する。結局、精神的におかしくなった大輔の母は自宅を放火した後に茜を刃物で襲う。しかし茜が襲われそうになったところを、大輔が身代わりになって助けるのであった。自分の母に刺された大輔だったが、一命は取り留める。落ち着いたところで茜は大輔に離婚届を渡し、ついに大輔との決別を決意するのであった。

仮面の男の正体篇

大輔との離婚調停が成立したころ、久しぶりに茜の元に仮面の男から手紙が届く。茜は仮面の男の正体を知るべく、これまで茜に協力し、かつ彼女に好意を寄せていた3人の男性、純・達也・光太郎に会いに行く。彼らに手紙に記載されていた「自己超越の欲求」について尋ねてみるも、「よくわからない」「僕の専門ではない」と答えたことから、彼らは仮面の男ではないと確信する茜。そんな時、大輔が離婚成立後から失踪していることを和美から聞かされる。仮面の男から届いた手紙を読み返した茜は、「自己超越の欲求が満たされない」という状態が大輔のことを指しているのではと気づくと、急いで自宅近くの公園に足を運ぶ。するとそこには、まるでホームレスかのような大輔の姿があった。実は、仮面の男の正体は、大輔の別人格で現れる「大輔B」だったのだ。仮面の男が大輔だったことに、どこか納得した様子の茜。後日「きちんと話したい」と大輔Bから呼び出される。そこで大輔Bはことの顛末を全て打ち明ける。幼少期の虐待を受けて出来上がった人格である大輔Bは、大輔Aの行動に耐えられず、大輔Aを消し去るために仮面の男として復讐を決意したのだ。見事5つ目の復讐を終えて、大輔Aの人格はなくなり、大輔Bがこの世に残ることになる。大輔Bはこれまで大輔が茜にしてきた行動は全て目にしてきているが、同時に彼も茜のことを愛していた。以前に大輔Aからプロポーズされた思い出の場所で、大輔Bから茜は再びプロポーズを受けることになる。茜の答えは明かされぬまま、物語は終了するのであった。

ドラマ版

シーズン1

結婚1年目の主婦・奥田茜(おくだあかね)は、夫の奥田大輔(おくだだいすけ)によるDVに悩んでいた。しかし、「子どもができれば変わるはず」と信じていた茜。ようやく妊娠し喜んだ茜だったが、夫に妊娠の事実を伝える前にDVにより流産してしまう。さらに追い討ちをかけるように、大輔の浮気が発覚するのであった。
ある日、絶望的になった茜宛に差出人不明の手紙が届く。そこには、謎のURLが記載されていた。恐る恐るURLにアクセスしたところ、仮面をかぶった人物が登場し、大輔への復讐を提案される。最初は迷っていた茜だったが、親友である西野早苗(にしのさなえ)より夫と別の女性がキスしている写真を見せられたことから、復讐を決意するのであった。仮面の男の指示に従い、次々に復讐を進める茜。次第に追い詰められていく大輔だったが、最後の復讐を前に茜は仮面の男の正体に気付いてしまう。大輔の姉である奥田和美(おくだかずみ)にこれまで仮面の男の指示で復讐をしてきたことを打ち明けると、和美は大輔が実は「解離性同一性障害」でもう1つの人格を持っていたことが明らかになるのであった。仮面の男の正体に気付いた茜は、最後の復讐に向けて仮面の男とビデオ通話をする際に、仮面の男の正体は大輔ではないかと尋ねる。するとそのまま通話は終了し、後日大輔が自殺未遂を図ったと連絡を受けるのであった。幸い大輔は一命を取り留め、茜と向き合うことを決意する。これまでのことを謝罪し、大輔の本音を語るのであった。2人のこれからについて、作中では明言されていない。茜と大輔の物語はここで幕を下ろすのだった。

シーズン2

専業主婦の日野美咲(ひのみさき)は、大手出版社で勤める、有名編集者の夫・日野透(ひのとおる)と、アルバイト先での出会いをきっかけに交際を開始し、授かり婚をすることになる。無事に誕生した息子・日野優斗(ひのゆうと)と家族3人で幸せな生活を送っていた一方で、優斗が重度の小麦アレルギーを持っていることがわかり、育児と看病とで日々美咲は追われることとなる。息子のことが優先で、なかなか夜の相手をしてもらえないことに不満を抱えた透は、グラマラスで魅力的な女性、愛原瑠香(あいはらるか)と不倫をするようになる。
そんなある日、美咲の父が全治1か月の怪我をして入院をすることになり、仕方がなく息子を置いて看病に行く事になる。「優斗や家の事は任せろ」と言う夫だったが、美咲が帰省中は子供の世話はそこそこに、不倫相手の瑠香を家に招くのであった。その様子を見守りカメラで確認していた美咲は、夫の裏切りに憤る。さらに最悪なことに、瑠香が持ってきたクッキーを小麦アレルギーである優斗に食べさせたことでアナフィラキシーショックを起こし、優斗は急死してしまう事態へと発展する。最悪の知らせを聞いた美咲は、諸悪の根源である夫に復讐を誓うのであった。

『夫を社会的に抹殺する5つの方法』の登場人物・キャラクター

kazuya01094
kazuya01094
@kazuya01094

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