サマーゴースト(アニメ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『サマーゴースト』とは、イラストレーター「loundraw(ラウンドロー)」が描いた1枚のイラストから生まれた物語をアニメ映画化した作品である。インターネットで知り合った3人の高校生たちは、花火をすると現れると言われる女の幽霊「サマーゴースト」に会いにいこうと思いたつ。それぞれに悩みを抱えた3人の高校生たちと、女幽霊サマーゴーストとの忘れられないひと夏の出会いを描いた青春群像劇である。悩みを抱え、生きる意味を見出せずにいる人たちに「何か新しい答え」を見出してくれるような作品。

巷で噂になっている花火をすると現れるという女性の幽霊。20歳前後の女性で髪は長く、黒い服を着ている。とある使われなくなった飛行場で線香花火をすると現れる。その正体は佐藤絢音だった。

幽体離脱

サマーゴーストである絢音に手を引かれるとその人物は肉体と魂が分離してしまう。幽体離脱した魂は天空を飛行したり、地中に潜ったり、自分が行きたい場所へ自由に移動することができる。地中に潜るとまるで海中のような景色が広がる。絢音の遺体を捜索する際に使用した。

線香花火

夏に使われなくなった飛行場で線香花火をするとサマーゴーストが現れるという。線香花火でしかサマーゴーストは現れない。死の世界で線香花火に火をつければ二度と現世には戻れない。

『サマーゴースト』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

佐藤彩音「命の終わりは友也くんの未来で、わたしの過去」

絢音(左)は幽体離脱した友也(右)を肉体へ返す

絢音の遺体が見つかり、現実世界に友也の魂を返す時に絢音は「命の終わりは友也くんの未来で、わたしの過去」と言う。絢音の遺体が見つかり、現実世界に友也の魂を返す時に絢音は「命の終わりは友也くんの未来で、わたしの過去」と言う。絢音の遺体を見つけることは絢音の死を認識することであり、絢音の命の終わりを意味する。それを認識するのも乗り越えていくのは友也であると考えられている。loundrawがインタビューで「大切なセリフの1つだ」と語った。

杉崎友也「どうせいつか終わるって思ったら、なんか怖くない気がしてきたから」

絢音の遺体を見つけてから1年後の友也

絢音の遺体を見つけてから1年後、再びあおいと涼に再会した際、友也は近況を報告した。母親の反対を押し切り、自分がやりたい絵の道へ進みだした。もしかしたらまわりの言う通りにしていた方が楽だったかもしれない。しかし、どんなに辛いことも「どうせいつか終わるって思ったら、なんか怖くない気がしてきたから」と友也は言った。生きることに対し後ろ向きだった友也が一皮むけて吹っ切れたことを感じさせるような、希望にあふれた名セリフ。

佐藤絢音「ありがとう。見つけてくれて」

友也は絢音の遺体が入ったトランクケースを見つける

絢音の遺体が入ったトランクを掘り起こし、トランクの中の遺体を友也は見た。そこで彼女の死をはっきりと認識し、友也の目から涙がとめどなくあふれた。そんな友也を魂の絢音が抱きしめ「ありがとう。見つけてくれて」と言って成仏した。これが絢音と友也の別れのシーンであり、絢音の精一杯の感謝の気持ちが伝わる名セリフ。

『サマーゴースト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

loundrawの色のこだわり

loundrawはインタビューで作品では色に言及している。今までの日本のアニメーションでは画面を白くして画面を管理しやすく見栄えを軽くするのが主流だったが、画面が白くなればなるほど光の表現の幅が狭くなる。作中の季節は夏であり夏の強い日差しを表現するには普通は白をつよくするところをその分影を強く、もっと黒をつかったり画面を締めてほしいと美術スタッフに話したという。

loundrawが1番思い入れがあるキャラクターは友也

loundrawはインタビューで1番思い入れのあるキャラクターに友也を挙げている。loundraw自身のパーソナルな部分を含めて投影している要素が多いから、と答えている。
友也は劇中で「どうやって生きていこう」、「自分がしたいことと現実って違う」のように葛藤する。友也が抱えている問題は自分自身の内面、生きることに希望を見いだしてない理由が、置かれた環境や自分以外に原因があるわけでなく、自分自身の気持ちの問題である。しっかりと自分自身の葛藤を描くという意味でも物語の中心・主人公に設定された。

『サマーゴースト』の主題歌・挿入歌

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