あいの里（リアリティ番組）のネタバレ解説・考察まとめ

『あいの里』の概要

『あいの里』とは、2023年5月2日からNetflixで配信が開始された恋愛リアリティ番組。全18話。2000年代に人気を博したフジテレビの恋愛番組『あいのり』のスタッフが制作している。司会者はロンドンブーツ1号2号の田村淳とベッキー。人生最後の恋愛を探すというのがテーマである。様々な経歴を持つ35歳以上の男女が、田舎の古民家で自給自足の共同生活を送りながら、真実の愛を見つけるためパートナーを探す。これまでの若者たちのキラキラした恋愛リアリティ番組とは違って、大人が等身大で恋愛するリアルな恋愛バラエティとして話題となり、6週連続で日本のNetflix週間TOP10入りを果たした。シーズン2の制作も予定されている。

築152年の古民家に集まった8人の男女は、1人1ヶ月3万円でスマホもテレビもない環境で、自給自足の生活をスタートさせた。まずは快適に生活ができるよう古民家でのリフォームを開始。そんな中、45歳セラピストでシングルマザーのトっちゃんは、35歳青年実業家のたあ坊に性的な魅力を感じ始めていた。

『あいの里』のあらすじ・ストーリー

1人目の告白

築152年の古民家のあるヴィレッジに集まった8人の男女は1人1ヶ月3万円を用意され、スマホもテレビもない環境で、自給自足の生活をスタートさせた。まずは快適に生活ができるよう、全員で協力して古民家でのリフォームを開始する。そんな中、45歳セラピストでシングルマザーのトっちゃんは、35歳イケメン実業家のたあ坊と一緒に女性部屋に網を張る作業を行う。その姿を見たトっちゃんは「カッコ良かった」と絶賛し、男性陣で唯一性的な魅力を感じるたあ坊に心惹かれ始めた。だが、トっちゃんは自分からたあ坊にアプローチすることができず、なかなか距離を縮めることができなかった。そんな中で、たあ坊が自分と同じく在日韓国人という思わぬ共通点があることを知ったトっちゃんは、彼にどんどん惹かれていく。

その後、リーダーを決める投票が行われ、60歳心理学者のじょにいがリーダーに選ばれる。彼は心理学者としてメンバーたちの相談に乗ることが多く、みんなから頼られる存在だった。

一方、51歳俳優のハリウッドは、明るくて社交的な45歳カフェ店員のユキえもんに惹かれ始める。そんな矢先、ユキえもんがハリウッドの真っすぐさや熱心なところを褒める。調子に乗ったハリウッドは作業でペアを決める際に、先にじょにいがユキえもんを誘ったにもかかわらず、じょにいから彼女を強奪。さらに、ユキえもんの手を握ったり、下ネタを言ったりとグイグイ彼女にアピールを始めた。だが、サバサバしているユキえもんは、そんな彼の印象について「1番エッチをしたいのはハリウッド」と語った。ところがその後、ハリウッドとじょにいが喧嘩に発展してしまう。実は、徹夜で仕事をしていたじょにいは睡眠薬を1錠だけ服用したのだが、ハリウッドが「心理学者なら薬に頼るな。錠剤を2錠も飲むな」と怒鳴った。じょにいは「1錠しか飲んでいない」と主張し、ハリウッドと口論になってしまったのだ。メンバーたちも集まって話し合いの場が持たれたが、ハリウッドはじょにいの意見を聞こうとせず、怒って「村を出ていく」と言い出す。そんなハリウッドをじょにいやメンバーたちがなだめ、何とか喧嘩も収まった。しかし、後に女性陣は「喧嘩の内容がくだらない」とバッサリ切り捨て、ハリウッドの評価が下がってしまった。さらに、ユキえもんはハリウッドに言いたくない仕事のことをグイグイ聞かれて、不満が爆発してしまう。そして、ユキえもんに避けられてショックを受けるハリウッドだが、彼女と話をしてすぐに元気を取り戻す。そんな中、ユキえもんとじょにいのアイデアにより、ハリウッドの誕生日のサプライズが決行された。すると、ハリウッドはユキえもんの「生まれてきてくれてありがとう」という言葉に感動し、感極まる。そして、告白を決意した彼はあいの鐘を鳴らして「俺の人生の後半をユキえもんと彩ったものにしたい」と彼女に伝えた。ハリウッドは告白は成功すると自信満々だったが、翌朝彼女に「ハリウッドは大切な友達だから」とフラれてしまった。それでも、彼の告白はメンバーたちの心に響いたのだった。

新たなメンバーが加わる

ハリウッドがヴィレッジを去った直後、じょにいも仕事上の都合でヴィレッジを去ることになってしまう。そんな中、46歳イタリアンシェフのアンチョビはユキえもんが自分に好意を寄せていると勘違いし、彼女がハリウッドではなく自分を選んでくれたと思い込んでいた。さらに、アンチョビはトっちゃんも自分に好意を持っていると勘違いし、勝手に悩み始める。

その後、ヴィレッジに新しい住人として、内装会社を経営する42歳の隼平と46歳会社員の酒ちゃんがやってくる。さらに、ヨガインストラクターをする36歳のゆうこりんもメンバーに加わった。美人なゆうこりんにたあ坊は興味を示したが、トっちゃんはそんな彼を見て気持ちが萎えてしまう。そんな中、隼平もゆうこりんに好意を抱いていた。一方、人見知りな酒ちゃんはトっちゃんのフライドポテトを気に入ったことがきっかけで、彼女と話が盛り上がる。トっちゃんは酒ちゃんを気に入り、恋が動き出した。だが、大人しい子がタイプな酒ちゃんは障子の貼り替えの際に、手で障子を破ってはしゃいでるトっちゃんを見て気持ちが冷めてしまう。その一方で酒ちゃんは障子を破らず、控えめな態度のゆうこりんに好感を持った。

そんな中、39歳コンビニ店員のおかよは自分に自信が持てず、恋愛ができないことに悩んでいた。しかし、新住民の隼平と会話を交わし、その別れ際に「また喋りたい」と言われたことから彼に好意を持つ。その一方で隼平はゆうこりんのことが気になっていたため、おかよは複雑な感情を抱く。だが、ゆうこりんは雷が鳴った時に隼平に肩を抱かれたことから、彼に嫌悪感を抱いてしまった。そして、ゆうこりんはどんどんたあ坊と仲良くなっていき、隼平は焦り出す。そんな中、ゆうこりんの提案で男子メンバーにプレゼントするために、女子全員でビーズのブレスレットを作る。男子メンバーはそれぞれ誰が作ったものか分からない状態で、好きなブレスレットを選んだが、おかよのブレスレットだけ選ばれなかった。おかよはショックを受けたものの、選ばれなかった自分のブレスレットを大事そうに持ってくれた隼平の温かさに涙を流した。それから、隼平はおかよと一緒に作業を行う中で、次第に彼女の存在が気になり始める。だが、おかよはそのことに全く気付いておらず、彼がゆうこりんに好意を抱いていると思い込んでどんどん辛くなっていた。実は彼女は学生時代に太っていたことが原因でいじめに遭い、人に嫌われることが怖くなって、他人に流される人生を歩んできた。しかし、そんな自分を変えるためにあいの里にやってきたのである。そのため、おかよは誰にも流されず、勇気を出して隼平に「私は隼平が好き」と告白した。翌朝、フラれることを覚悟して涙を流していたおかよだが、隼平は新たにスタートする決意として彼女に長い間一部分だけ伸ばしていた髪の毛を切らせる。そして、隼平は「おかよがそばにいてくれる限り大切にするし幸せにする」と返事をし、彼女とキスをして2人でヴィレッジを出ていった。

たあ坊とゆうこりんの恋が決着

隼平とおかよがヴィレッジを去った後、新しいメンバーとして60歳大家業の中さんが加わる。60歳絵本作家のみな姉は、なかなか恋愛ができずに悩んでいたが、中さんに好感を持ち始めた。そして、2人はどんどん仲良くなっていく。

そんな中、ゆうこりんはたあ坊と一緒に過ごしていくうちに彼のことを好きになり、相思相愛となっていた。だが、ゆうこりんはたあ坊に対し、まだ踏み込んだ話ができていないと感じていた。実はたあ坊は、かつて信頼していた社長に裏切られたことで、人を信用することができなくなっていた。そのため、信頼できる人を見つけるために、あいの里に参加していたのだ。しかし、本気で結婚のことを考えているゆうこりんは、たあ坊の煮え切らない態度にやきもきしていた。

一方、酒ちゃんに思いを寄せるトっちゃんは、ヴィレッジを出た時のことを考えて子供や元夫との関係について彼に伝える。それをきっかけに、酒ちゃんはトっちゃんと向き合うことを考える。だがその直後、みんなとお酒を飲んではしゃいでいるトっちゃんを見て、酒ちゃんは彼女に冷めてしまう。そんな中、トっちゃんはダイエットで毎日2リットルの水を飲んでいる酒ちゃんのために手作りの酒ちゃんボトルを作り、疑似デートに誘う。酒ちゃんはそんな彼女の行動で、気持ちが少し揺らぎ始めた。その後、ユキえもんは親友のトっちゃんの恋を応援するため、四葉のクローバーをプレゼントする。ユキえもんの思いを受け取ったトっちゃんは、恋を成就させるために、ついに酒ちゃんへの告白を決意。人生で初めての告白に緊張しながらも、トっちゃんは酒ちゃんに「残りの人生を隣で笑っていてほしい」と自分の気持ちを伝えた。トっちゃんの真剣な告白を受け止めた酒ちゃんは、彼女と一緒に生きていくことを決意。告白を了承して、2人でヴィレッジを去っていった。

その後、ヴィレッジに38歳くびれトレーナーのトモちんが加入する。すると、中さんが美人なトモちんにあからさまに浮かれてしまう。そして、みな姉よりトモちんを恋愛対象として見るようになった。さらに、41歳アニメプロデューサーの沼ぴぃも合流したが、彼は早速一同に不倫していた過去を暴露する。過去に2度夫に不倫されて離婚したことがあるみな姉は沼ぴぃの不倫を諭すが、彼が本気で恋愛していたことに理解を示した。沼ぴぃはそんなみな姉の懐の深さに感動した。

一方、たあ坊はゆうこりんの誕生日にサプライズをするため、1人でコッソリ準備を行う。だが、たあ坊が何をしているのか知らないゆうこりんは、1人で別行動をとる彼にイライラしてしまう。そこでたあ坊はゆうこりんと向き合うため、家庭の事情について語り始める。在日韓国人で長男家系のたあ坊は、チェサと呼ばれる韓国式の法事を、年に18回行うことになっている。長男のたあ坊の嫁になると、その法事で20種類以上の特別メニューを用意したり、親戚をもてなしたりしなくてはならない。日本人の嫁として、たあ坊の家に嫁ぐことも容易ではないため、彼は「そういうことを一緒に乗り越えられる人を将来の相手にしたい」と語った。ゆうこりんは、たあ坊が真剣に将来を考えてくれていたことが嬉しかったが、彼の家に嫁ぐことへの不安も大きくなった。そして、ゆうこりんは「家族に反対されたら結婚はしない」と語る。実はゆうこりんは生まれつき片目の視力が弱く、家族にサポートしてもらってきたため、何より家族を大切にしたいという気持ちが強かった。そのため、ゆうこりんはたあ坊に「私が家族に入るんじゃなくて、私と家族を作りたいと思ってくれる人が良い」「たあ坊が幸せになる選択をしてほしい」と伝えた。その後、ゆうこりんのバースデーサプライズを成功させたたあ坊は、ついに彼女への告白を決意。ゆうこりんの目の前であいの鐘を鳴らし、「新しい形の家族を作っていきたい」と思いを伝えた。ゆうこりんは「これから大変だと思うけど、たあ坊がそばにいてくれたら頑張れる自信がついた」と彼の告白を承諾し、2人でヴィレッジを去っていった。

みな姉を巡る大人の三角関係

その後、中さんが一同に自らの過去について涙ながらに語る。実は中さんは以前結婚し、子供も2人産まれて幸せな結婚生活を送っていたが、妻と死別してしまった。それでも亡くなった妻と対話しながら子供を2人育ててきた中さんは、子供が巣立っていく前に新たなパートナーを見つけるべく、番組への参加を決意していたのだ。そして、中さんは将来のパートナーとしてトモちんが相応しいかどうか見極めるため、彼女と話をする。すると、トモちんは過去にDV被害を受けていたことや、ランチに3000円から4000円かけることなどを語る。それを聞いた中さんは金銭感覚の違いや娘たちへの影響が気になり、トモちんと一緒に住んだ場合の想像が難しいと感じる。そして、改めて人生最後のパートナーを見つけに来たことを思い出した中さんは、みな姉と互いのことを真剣に語り合う。そこで、中さんはみな姉とは将来一緒に暮らした時のイメージが思い描きやすく、深い話ができると感じた。そんな中、アニメプロデューサーの沼ぴぃは、絵本作家であるみな姉とクリエイティブな部分の共通点を感じ始める。そして、沼ぴぃはみな姉を誘って釣りに出かける。互いに共通点が多い2人は意気投合し、距離を縮めた。

その後、新たに40歳のイベント演出家のベイブルが加入する。いきなり女性の嫌いな格好を細かく言い始めるベイブルに、ユキえもんは新鮮さを感じた。一方、アンチョビはユキえもんが自分に好意がないことにようやく気づいたものの、今度はトモちんが自分を好いてくれていると勘違いしていた。だがアンチョビが勘違いしていることに気づいたトモちんは、間接的に彼に気持ちがないことをアピールし、彼は失恋してしまった。

一方、みな姉は沼ぴぃに居心地の良さを感じながらも自分と真剣に向き合おうとする中さんのことも意識し、2人の間で揺れていた。しかし、沼ぴぃは中さんとみな姉が一緒にいる姿を見てお似合いだと感じ、自信を失っていく。それでも、みな姉に恋愛対象として見ていることを伝え、自分のことを恋愛対象として見てほしいと要求する。みな姉は沼ぴぃの気持ちを知って嬉しかったものの、恋ではなく人生最後のパートナーを見つけるために、あいの里に参加していたので複雑な気持ちになった。一方、中さんはみな姉に積極的にアピールするが、それと同時に亡くなった妻を引きずっていることに気づく。それでも、前を向こうと自分を奮い立たせた中さんは、みな姉を早朝の海デートに誘う。そこで中さんは熱海にセカンドハウスがあるものの、そこは妻との思い出の場所であるため、しばらくはみな姉と一緒に熱海へ行くことはできないと語った。それから、中さんはみな姉に告白することを決意し、力強くあいの鐘を鳴らす。そして、中さんは「一緒にあいの里を出てほしい」とみな姉に告白した。一方、沼ぴぃはみな姉を一生愛する覚悟を持つことができず、告白することを諦める。沼ぴぃの態度でそのことを察したみな姉は悲しい気持ちになり、真剣に中さんの告白を受け入れるべきか悩み始める。そして翌朝、畑に行ったみな姉のそばに黒いアゲハ蝶が飛んでくる。黒いアゲハ蝶には、亡くなった人からのメッセージという意味がある。アゲハ蝶を見て亡くなった中さんの妻が何か伝えに来たのではないかと感じたみな姉は、「中さんの告白OKしてもいいの？」と尋ねるが、アゲハ蝶は彼女から離れない。そこで、みな姉が「まだダメ？」と聞いてみると、アゲハ蝶は彼女から離れていった。中さんが亡くなった妻のことを引きずっていることが引っかかっていたみな姉は、それを見てまだダメだと感じ、彼の告白を断ってしまった。そして、最終回を迎えて住人は全員ヴィレッジを去ることとなった。

だがその後、みな姉は中さんと友達関係を続けたいという思いから彼に連絡を取り、それをきっかけに付き合うことになった。子供たちのためにまだ入籍はしないものの、深い愛で繋がった2人は一生を添い遂げる決意をするのだった。

『あいの里』の登場人物・キャラクター

女性メンバー

トっちゃん

兵庫県出身の45歳でシングルマザー。初期メンバー。職業はセラピストで、結婚歴は1回。32歳の時に綺麗好きで神経質な夫と結婚した。大雑把で衝動的な性格だったが、彼のために良い奥さんになろうと努力した。だが、次第にそんな生活に疲れていき、夫婦間に溝ができて離婚に至った。ヴィレッジでは、たあ坊に惹かれていたが、彼がゆうこりんに好意があることに気づいて気持ちが冷めた。その後、追加メンバーでやってきた酒ちゃんに好意を持ち彼のために手作りのボトルを作ったり、マッサージ券をプレゼントしたりしていた。そして、人生で初めての告白をして酒ちゃんにOKをもらい、一緒にヴィレッジを去った。

おかよ

大阪府出身の39歳。初期メンバー。結婚歴は1回。職業はコンビニ店員。明るく朗らかで気配り上手。会計係や布巾、スポンジの洗濯などを率先して行っていた。学生時代、太っていたことが原因でいじめに遭っていた。そのせいで人に嫌われることが怖くなり、自分の意見を言わず、他人に流される人生を歩んできた。21歳の時に29歳の男と出会い、彼に流されるように結婚したが、結婚生活は1年しか続かなかった。そのため、人に流される自分を変えたいとあいの里にやってきた。だが、自分に自信がないことから周囲のメンバーと比べてしまってなかなか恋愛ができず、リタイア寸前まで追い込まれていた。そんな時、新メンバーの隼平が加入し、彼と会話を交わした際に「また喋りたい」と言われたことで彼に好意を持つ。そして、隼平がゆうこりんを好きなことを知っていながらも、自分を変えるために勇気を出して告白をした。そんな彼女の気持ちが隼平に届き、彼と一緒にヴィレッジを出ることになった。

ユキえもん