にぶんのいち夫婦(小説・漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『にぶんのいち夫婦』とは夏川ゆきによる夫婦の絆を描いた恋愛小説、および小説を基にした漫画・テレビドラマ。結婚2年目の中山文と中山和真は、他人から羨ましがられる仲良し夫婦である。 しかし、和真の携帯に送られてきた女性からのハートマーク付きのメッセージをきっかけに、文は夫の浮気を疑い始め、真相を知るべく同僚の樋口亮に協力を仰ぐ。和真の浮気の真相が最後まで気になる、不倫を題材にしたヒューマンストーリーである。

不倫

配偶者でない者と男女関係を持つことを指す。和真の携帯に届いた1通のメッセージを元に、文は和真の不倫を疑うようになる。

モラルハラスメント

言葉や態度で相手に精神的なダメージを与えることを指す。目に見えない暴力であることから、周囲の人はモラハラの被害にあっている人が近くにいても気付きにくい特徴がある。優香は夫から「役立たず」など、言葉の暴力でモラハラを受けていた。

別居

家族や夫婦などが別れて住むことを指す。和真の浮気の真相が明らかになって以降、文は和真に対する信頼を失い、別居を決意する。

妊活

妊娠を望む男女が妊娠に向けて行う活動のことを指す。和真の浮気を疑った文は、彼の気持ちを繋ぎ止めるために妊活をしたいと提案し、不妊治療に通うことになる。

『にぶんのいち夫婦』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

樋口亮「バツイチにはなりたくない。でも自由な独身の友達はうらやましい。これってないものねだりですよね?」

香住とさやかの発言にモヤモヤしている文に、亮が言ったセリフ。
優香の家に訪問した際、旦那の前での彼女の様子がおかしいことに気づく文。何か問題があるのかと心配するが、一緒に訪問していた香住とさやかは「働かなくても暮らせるっていいよね」などと心配する様子は一切なかった。そんな独身友人たちの発言にモヤモヤする文。既婚者だからこその悩みがあることを知っている文は、そのモヤモヤを亮に打ち明ける。すると彼は、「バツイチにはなりたくない。でも自由な独身の友達はうらやましい。これってないものねだりですよね?」と言った。お互いに立場が違うからこそ、自分にはないものを羨んだり妬んだりしてしまう人間の心情がよくわかるセリフである。

中山文「結婚が幸せのゴールなのだとしたら、その先私たちは何を目指せばいいんだろう?」

和真の浮気を疑う文が言ったセリフ。
優香の自殺疑惑があり、文は動揺していた。そんな時に和真が優しく寄り添ってくれて、どうしても文はホッとしてしまう。浮気のことは忘れて和真とずっと一緒にいたいとさえ考えた文は、「結婚が幸せのゴールなのだとしたら、その先私たちは何を目指せばいいんだろう?」と思うのであった。夫婦生活に悩む文の複雑な心情がわかるセリフである。

中山文「……私は、和真を愛してる。でも和真が信頼できなくなったら、一生一緒にいられる自信はないわ」

「ずっと文と一緒にいたい」と話す和真に対して文が言ったセリフ。
ドライブの帰りに2人の思い出のスポットにやって来た和真と文。和真は文とこれからも一緒に過ごせることを願っていたが、一方の文は浮気疑惑で和真の本音がわからなくなっていた。心の拠り所がなくなった文は、「……私は、和真を愛してる。でも和真が信頼できなくなったら、一生一緒にいられる自信はないわ」と言う。愛しているからこそ、裏切られた時の失望感が大きいと思う文の心情がわかるセリフである。

『にぶんのいち夫婦』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

浮気に立ち向かう文に共感する読者

本作は女性読者が多いこともあり、浮気や不倫をする男性登場人物に対して、読者からの風当たりが強かったと漫画版作者は語る。一方で不倫に対して強く立ち向かう文や協力してくれる文の友人たちの言動や行動は、読者から多くの共感を呼んだ。

浮気された側の心情を丁寧に表現した作品

浮気をきっかけに夫婦関係が破綻することは多くあるが、本作は浮気された側がその時に感じた感情や相手に伝えきれない思いなどを丁寧に表現している。浮気された側の心の中で渦巻いている感情をうまく表現したいという思いから、不倫を題材にしたと作者は語る。

作者が気を遣ったのは和真の表情管理

文に浮気を疑われる和真

読者に次の展開を予測されないように、和真の表情管理には特に気を遣ったと語る作者。あまり表情が変わらないクールな印象の和真だが、これは読者に最後まで結末のわからない展開を楽しんで欲しいという作者の意図であった。

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