にぶんのいち夫婦(小説・漫画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『にぶんのいち夫婦』とは夏川ゆきによる夫婦の絆を描いた恋愛小説、および小説を基にした漫画・テレビドラマ。結婚2年目の中山文と中山和真は、他人から羨ましがられる仲良し夫婦である。 しかし、和真の携帯に送られてきた女性からのハートマーク付きのメッセージをきっかけに、文は夫の浮気を疑い始め、真相を知るべく同僚の樋口亮に協力を仰ぐ。和真の浮気の真相が最後まで気になる、不倫を題材にしたヒューマンストーリーである。

『にぶんのいち夫婦』の概要

『にぶんのいち夫婦』とは夏川ゆきによる夫婦の絆を描いた恋愛小説、および小説を基にした漫画・テレビドラマ。小説投稿サイト『エブリスタ』にて2018年1月15日から4月20日の期間、小説が連載された後、2019年より『マンガボックス』にて黒沢明世が描くコミカライズ版が連載開始。コミックは全8巻、祥伝社より出版されている。
結婚2年目の中山文(なかやまあや)と中山和真(なかやまかずま)は、他人から羨ましがられる仲良し夫婦である。しかし、ある時和真の携帯に送られてきた浮気を示唆するメッセージをきっかけに、文は和真を疑い始めるのであった。和真の浮気の真相を知るべく、同僚の樋口亮(ひぐちあきら)に協力してもらう文。大学生であるものの交友関係が広い亮のおかげで、文は和真の浮気の真相に近づいていく。和真の浮気相手として浮上したのは、なんと文の学生時代からの友人、畑野さやか(はたのさやか)であった。
2022年5月には、『ピッコマ』主催の「ピッコマAWARD 2022」マンガ部門にてAURUM賞を受賞。さらに、2021年6月から7月に深夜ドラマ枠「ドラマParavi」にて、比嘉愛未主演でドラマ化されると、視聴者から続編を期待する声が多く上がった。浮気の真相や文と和真の今後の夫婦関係が最後まで気になる、浮気を題材にしたヒューマンストーリーである。

『にぶんのいち夫婦』のあらすじ・ストーリー

浮気疑惑篇

コールセンターで働く主人公の中山文(なかやまあや)は、サラリーマンの夫、中山和真(なかやまかずま)と結婚して2年になる。合コンをきっかけに意気投合して結婚した2人は、他人から羨ましがられる仲良し夫婦であった。二日酔いに苦しむ文のために朝食を作ったりと、優しい和真との2人の生活に文は満足していた。
しかし、ある時和真の携帯に送られてきたハートの絵文字付きのメッセージを見てしまった文。まさか和真に限って浮気はないと自分に言い聞かせる文だったが、その日を境に和真の帰りが遅い日が続く。不安を抱いた文は、クリスマスイブでもあり、2人の結婚記念日でもある12月24日は、2人で過ごしたいと提案する。渋々という感じではあったが、和真も了承するのであった。
結婚記念日当日、文はおめかしをしてディナーの準備をする。しかし、和真は仕事が忙しく帰りが遅くなると言い訳し、結局約束をドタキャンをしてしまう。そんな和真に裏切られた気持ちでいっぱいになる文なのであった。
いよいよ本格的に和真の浮気を疑った文は、学生時代の友人である三浦香住(みうらかすみ)の協力のもと浮気調査を始める。以前ハート付きのメッセージを和真に送ってきた、彼の同僚の立川さとみ(たちかわさとみ)が怪しいと思った文たちは、彼女のSNSアカウントを特定することに成功する。するとそこには「2ヶ月めラブラブ」「相手は既婚者」など、不倫を匂わせる投稿が多くあり、文は絶望するのであった。

妊活篇

そんな中、文たちは和真の実家がある長崎に行くことになる。夫の浮気疑惑に不安を感じていた文は、旅の途中で体調を崩してしまう。それを見た和真の両親は妊娠を疑うが、文は妊娠しておらず否定する。しかしふと、和真を繋ぎ止めるために子供を作るのが良いのではと思った文は、和真に子作りを提案する。和真はあまり乗り気ではなさそうだったが、なんとか説得して不妊治療のクリニックに訪れることになる。しかしもともと乗り気ではなかった和真は不妊治療に消極的で、文との夜の関係を持つことにもプレッシャーを感じ始めていた。そうして2人の妊活にすれ違いが出てくる中、文の友人である今井優香(いまいゆうか)の自殺騒動が起こる。妊娠中でありながら夫のモラハラに悩む優香。「無価値」「役立たず」など、言葉の暴力を夫から受けており、ことあるごとに皿を投げつけるなどの攻撃を受けていたのだ。最終的には文たちの助けを受けて、子供のためにと強くなることを決意する優香。夫からの理不尽な暴言に立ち向かう。母親として強くなろうとする優香に、少しずつ夫も変わっていくのであった。そんな彼女たち夫婦を見て、子供を授かることが夫婦関係の改善につながるわけではないと文は悟る。ようやく和真の浮気と向き合うことを決意するのであった。

浮気調査篇

和真の浮気に悩む文は、ある時夫の浮気に悩んでいることを同僚の樋口亮(ひぐちあきら)に打ち明ける。夫の浮気に悩み涙する文を見た亮は、浮気調査に手を貸すと名乗り出るのであった。彼の手を借りながら和真の浮気調査をすることを決意した文。さとみが浮気相手だと疑っていた文は、亮の人脈を借りながら彼女の動向を監視する。すると、さとみが男性とホテルに入ったとの情報が入ってくる。やはり和真は浮気していたのかと絶望する文。しかし文が現場に駆けつけると、さとみと一緒にいる男性は和真ではなく、彼の同僚である高梨克己(たかなしかつみ)であることがわかる。和真の浮気相手はさとみではなかったのだ。
実は克己は以前、文に和真とさとみが不倫していると嘘の証言をしていたが、これは自身の浮気を隠すためでもあった。さらに亮が問い詰めたところ、文に嘘の証言をするように伝えたのは、文の学生時代からの友人である畑野さやか(はたのさやか)であったことがわかる。和真の本当の浮気相手はさやかだと話す克己。まさかの友人と夫の浮気疑惑に、文は混乱してしまうのであった。
後日学生時代の友人たちとの飲み会に参加した文。そこにはさやかの姿もあった。浮気の真相を知りたい文は、わざと泥酔したふりをし、さやかに送ってもらい帰宅する。寝たふりをしながら和真とさやかの様子を伺う文であったが、翌日に2人で会う約束をするのを聞いてしまい、涙するのであった。

浮気の真相篇

2人の密会を知った文は、約束のホテルに乗り込むことを決意する。1人では心許なかったため、亮と現場に行くことにした文。ホテルにはさやかと和真の姿があった。突然現れた文に驚く和真であったが、バレてしまったからには嘘はつけないと、真相を語り始める。
和真によると、一夜だけ関係を持った際に、さやかが妊娠をしてしまったと言うのだ。望まない妊娠であったため、慰謝料を払うためにさやかとの密会をしていたと和真は打ち明ける。しかし、さやかと一夜を共にしたその当時の記憶はないのだと話すのであった。
和真の話を聞くうちに、疑問を抱き始めた亮と文。さやかを問い詰めると、妊娠や一夜を共にしたという事実はなかったことがわかる。仲睦まじい文と和真に嫉妬したさやかは、克己と和真と3人での飲み会の際に和真に薬を盛り眠らせてホテルに連れ込み、あたかも一夜を過ごしたかのように振る舞っていたのだ。結局、和真が浮気をしている事実はなかったのである。
全ての真相が明らかになった後も、さやかは最後の最後まで文に謝ることはなかった。さらには、さやかはこれまでも他の男女を同様の手口で騙していたことが判明する。その後、和真は警察に被害届を渡し、さやかを警察に引き渡すことになるのであった。

仲直り篇

和真が浮気をしていなかったことはわかったものの、これまでさやかと何度も会っていたこと、文に黙って慰謝料を払おうとしていたことなどを知り、文は彼のことを信用できなくなっていた。自身の気持ちを整理するためにも、しばらく別居をしたいと和真に告げる。一方の和真は、彼女のことを大きく傷つけてしまった事実に落ち込んでいた。
和真との別居から数日、コールセンターの仕事中に文は、亮と改めて2人で話すことになる。その際に、「文のことが好きだ」と告白する亮。これまで文のことを助けてきたのも、彼女のことが好きだったからだと亮は打ち明ける。しかし文の気持ちが和真にあることがわかっている亮は、その先の関係を期待しているわけではなかった。自身の気持ちを伝えつつ、しっかりと自分の本音を和真にぶつけるべきだとアドバイスする亮。亮からの告白は断った文だが、彼の後押しのおかげで、文は和真ともう1度向き合うことを決意するのであった。一方の和真も、「夫婦であればしっかりと向き合って話すべき」という亮からのアドバイスを受けており、文ともう1度話し合うことを決意する。
別居後初めて話し合いをする文と和真。浮気の事実はなかったとしても、自分に嘘をついていたことや、何度もさやかと密会を繰り返していたことが嫌だったと正直に文は話す。そんな文の本音を聞いた和真は、彼女のことを抱きしめ「これからは小さいことでも嘘はつかない」と約束する。こうして2人は仲直りをし、今後は2人で1つの家族になることを誓うのであった。

『にぶんのいち夫婦』の登場人物・キャラクター

主要人物

中山文(なかやまあや/演:比嘉愛未)

コールセンターでパートとして勤務する29歳。長身でスレンダーな体型だが、本人は背が高いことをコンプレックスに感じている。結婚2年目の新婚で、夫の和真とは仲良し夫婦である。しかしある日、和真のスマートフォンに送られてきた浮気を示唆するメールをふいに発見してしまったことをきっかけに、彼の浮気を疑うようになる。和真の浮気を疑いつつ、関係を修復しようと自分磨きをしたりと努力家な一面もある。結局のところ和真が浮気をしている事実はなかったものの、彼に嘘を付かれたことをきっかけに、夫のことを信頼できないと感じるようになる。

中山和真(なかやまかずま/演:竹財輝之助)

32歳の文の夫。温厚な性格で、イケメンで優しい夫だと文の友人達からも人気だが、帰りが遅い日があるなど、浮気を疑われる行動が多々ある。文にスマホに届いたメールを見られたことをきっかけに、夫婦関係が変化していく。文は最初、和真の浮気相手としてさとみを疑っていたが、浮気調査を進めていくうちにさやかが相手であることがわかる。しかし、実際のところ浮気の事実はなく、和真を手に入れたいさやかの策に翻弄されていたのが後に判明するのであった。和真は騙されただけであり、文を裏切ったわけではなかったものの、浮気疑惑により文を深く傷つけてしまったことを深く反省するようになる。

和真の関係者

立川さとみ(たちかわさとみ/演:伊藤萌々香)

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